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  • 登山好きが贈る、登山の体験レポートです。日本、そして世界の山々にはたくさんの魅力にあふれています。春夏秋冬、その時々で異なる顔を見せてくれる素敵な山がたくさんあります。まさに百景。.HYAKKEIでは、そんな山に実際に登り、五感で楽しんだ自然体験記をお届けします。きっと山に登りたくなりますよ!

【総延長1697.2km】東海自然歩道を踏破せよ!|#5 犬越路〜西丹沢ビジターセンター編

.HYAKKEIをご覧のみなさま、こんにちは。ライターの田中嘉人です。

前回 は東海自然歩道最高峰の姫次を越え、神ノ川ヒュッテまで降りてきました。今回は、神ノ川ヒュッテから犬越路を越え、丹沢登山の拠点として有名な西丹沢ビジターセンターまで行こうと思います。

ちなみに、神ノ川ヒュッテから最寄りのバス停までのアプローチにかなり苦戦したので、今回は車で送ってもらうという作戦を使いました。バス停〜神ノ川ヒュッテ間は東海自然歩道ではないので、編集長に叱られることもありません。張り切っていきましょう。

<今回のコース>
神ノ川ヒュッテ→(90分)→犬越路→(90分)→用木沢出合→(30分)→西丹沢ビジターセンター→(45分)→大滝橋

犬越路を目指して

体力が消耗していないことと、前回東海自然歩道最高峰を乗り越えたという自信から足取りは軽やか。

「熊に注意!!」に怯えながらも、舗装された道をまっすぐに進んでいきます。

犬越路までは2.2km。そんなに距離はない……?今回のコースは余裕では??思わずほくそ笑んでしまう。

こちらが神ノ川ヒュッテ。事前に予約すれば宿泊もできます(中学生以上 1泊2食付き6000円、素泊まり4000円 )。今後進んでいけば、泊まりになるケースも増えてくるんだろうなぁ……。そんなことを考えながら、神ノ川ヒュッテを右手に見ながら林道を進んでいきます。

地味〜な林道をひたすら登っていきます。とにかく地味。

今回は、沢をジグザグと渡りながら頂上を目指すコース。

こんな感じの道が約2kmなら楽勝じゃね?

……と思ったら、急に道幅が狭くなる。嫌な予感しかない……。

まだ傾斜は緩やかだけど、絶対ハードモードになるやつ……。

はい、始まりました。THE東海自然歩道こと、道無き道。でもまぁ、1.5kmなら……。

楽勝だよ〜ん。意外と足場もしっかりしてる。

ふと対岸に目をやると、力強く伸びる上り坂が……。

橋がかかっていないと、かなり足場が悪い。冬は絶対に落水できない。

山道が始まる。かなりの傾斜のぐねぐね道が続きます。

角度が急すぎる……。

登りが落ち着いたかと思えば、かなりスリリングな道が…!

一歩踏み外したら真っ逆さま。東海自然歩道は油断させてくれない。

ふと振り返ると、前回クリアした袖平山が。ズルムケの山肌に見守られながら歩みを進めます。

目の前にはひたすらに登り坂。

あと1.0km……かなり上がってきたけどさっきの看板から500mしか進んでないことにがっかり。そういえば、犬越路の標高は1060m。標高が高い山なのに、距離が短いということは、傾斜が急になるという相模湖の嵐山パターン……でも、嵐山よりも俄然キツイ。

道もわかりにくいからこういう橋が目印になる。

でも、その先にある登り坂……。

もうさ、坂っていうより壁じゃん……。

振り返ると、立ちくらみするほどの高さ……。

そして険しい道をひたすらに登っていく。

案内看板がしっかりしているわりには、道がやたら険しい。今までで一番の険しさかも。

足元に意識がいきすぎて、上からの攻撃には絶対気づけなさそう……。

急勾配の登り坂と、

足場の悪い道を行ったり来たりしながら、少しずつ登っていきます。

谷を縫うように…。

岩場を乗り越えたその先には、

急に頂上が!やったぜ!!

なかなかの絶景が広がる〜。ここからは富士山は見えないみたいです。

犬越路という地名の由来はこちらに。武田信玄ゆかりの場所だったんですね。

峠自体は切り立っていてすごく狭いけど、

避難小屋もあります。

けっこう綺麗なトイレがあって、

「紙は持ち帰ってください」という使用方法に関する注意書きもあって、

小屋日誌もありました。覗いてみたら、いろんな人がどこからきてどこへ向かうのかを記載していました。僕もちゃんと記載しておきます。

そして何より暖かい……!雨風を防げるだけでこんなに体感温度が違うものなのかと驚きます。いつか山小屋にも泊まってみたいな〜。

コンロ台もあることだし!

用木沢出合を目指して

さて、休憩をしたら用木沢出合までを一気に駆け下りてしまいましょう。

犬越路からはいろんな山へ尾根伝いに行けるのですが、僕が進むのは東海自然歩道のみ。用木沢出合方面を目指します。

地図で見てみるとこんな感じ。距離としては2.5kmなので、神ノ川ヒュッテからの距離と同じくらいですね。

そして当然待っているのは怒涛の下り坂。

登りと同様、谷を縫うようにして下りていきます。

基本的に傾斜は急です。

落ち着いたかと思えば、足場のヤバい道が始まります。急勾配と不安定の波状攻撃が待っていました。

振り返るとこんな感じ。改めてですが、このコースは距離の割にハードです。

それでも、急勾配を我慢しながらしばらく下ると、いくぶん緩やかになってきます。

道はよくわからないけど、手付かずの自然を楽しめる(よく言えば)。

ほどよい上り下りの繰り返し。ずっとこの具合ならいいのにな〜。

東海自然歩道にしては、ずいぶんとしっかりとした橋を越える。

少しずつ川幅も広がってきました。

結構歩きやすい道が続きます。

このエリアだけで見たら最高のコースです。丹沢の自然を感じながら、トレッキングを楽しめます。

丹沢は水が綺麗。

でも、足場が不安定な橋がやたら多い。風雲たけし城感が半端ないです。

でも、この橋を用意してくれた人のことを思うと、感謝の気持ちでいっぱいです。

「沢」はすっかり「川」になったように思います。川の流れが運んでくれるそよ風が心地良い。

そして、やっぱり水が綺麗。夏だったら飛び込んでしまいたいくらいです。

この橋、めっちゃしなります。油断したら本当に折れかねないので、一人ずつそうっと渡りましょう。

そんなこんなで、目的地の用木沢出合までは400m。少しだけ余裕が出てきました。

道も安全になってきました。

青く塗装された巨大な橋を渡ると…

でかいダムが!

デッカい〜!!

こちらが用木沢なんですね。ということは目的地である出合ももうすぐ!

ゴツゴツした道を進んでいくと……?

到着〜!用木沢出合〜!!地味〜!!!

おなじみの看板もバッチリ鎮座。この勢いで西丹沢ビジターセンターまで一気に向かいます。

西丹沢ビジターセンターを目指して

西丹沢ビジターセンターまでは、舗装された道を進んでいきます。

どちらかといえば下りです。ただ、山道からアスファルトに変わったことで、足への負担が半端ない。

それでも丹沢の清流は美しい。

このあたり(丹沢湖周辺)は、和紙の材料にもなるミツマタの群生地だそう。東海自然歩道の脇にも、蕾をつけているミツマタがちらほら。

タクシーに乗りたい。こういう情報は本当にありがたい。丹沢登山を予定している人は、この画像だけでもダウンロードしてほしい。

いくつかのオートキャンプ場を横目に進んでいくと、

なにやら青い屋根の建物が……

そーう!こちらが西丹沢ビジターセンター!

丹沢登山の拠点として活用されている施設です。ようやくついたー!!

もちろん東海自然歩道の看板もあるし、

施設のなかには丹沢山系のジオラマがあったり、

登山にまつわる書籍がたくさんあったり、

あったか暖炉もあったり……。はあ……至福……!

そして気がついたら、相模原市から山北町へ来ていました。西丹沢ビジターセンターからはバスも出ている!便利〜!!この画像もダウンロード推奨!!

バスまで少し時間があるので、次の登山口である大滝橋まで歩いてみようと思います。

あんな小さな沢だったのが、こんなに大きな川に……!それでも水は綺麗…!

「かながわの名木100選」にも名を連ねる、巨木『中川の箒杉』を見ながら45分ほど進むと…。

はい!見つけた〜!次に登る畦ケ丸への入り口〜!!

よ〜し!!

今日のところは帰ります。無理はしない。

……というわけでいかがだったでしょうか?犬越路の急勾配には参りましたが、どうにかいいペースでゴールを迎えることができました。念願の西丹沢ビジターセンターもクリアし、いよいよ丹沢ルートもクライマックスを迎えます。

ちなみに、次のルートを順調にクリアできればいよいよ山中湖へ到達するとか?果たしてどうなるのか…?ぜひ次回、ご期待ください!

大滝橋から少しくだると、信玄の隠し湯と呼ばれた中川温泉郷があるので、

日帰り温泉を満喫して帰りました。適温でものすごく気持ちよかったです。ありがとうございました。

<今回のコース>
神ノ川ヒュッテ→(90分)→犬越路→(90分)→用木沢出合→(30分)→西丹沢ビジターセンター→(45分)→大滝橋

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