【総延長1697.2km】東海自然歩道を踏破せよ!|#4 姫次〜袖平山編
(※こちらの記事は2018年2月12日に公開された記事です)
.HYAKKEIをご覧のみなさま。新年あけましておめでとうございます。
ライターの田中嘉人です。冬眠から覚めたクマではありません。
残暑に負けて更新が滞っていた東海自然歩道踏破レポですが、2018年こそはちゃんと続けていきますので、どうかよろしくお願いいたします。
さて、前回は丹沢山系のひとつ焼山を超えたところで力尽き、コースアウトました。今回は、神ノ川ヒュッテまでのコースをリベンジしたいと思います。
黍殻山登山口駐車場→(90分)→青根分岐(東海自然歩道合流)→(20分)→姫次→(20分)→袖平山→(60分)→風巻尾根→(60分)→神ノ川ヒュッテ→(90分)→神ノ川入り口
もくじ
青根分岐を目指して
まずは東海自然歩道への合流がミッション。前回エスケープ時に通った道を戻るところから始めましょう。黍殻山登山口から、青根分岐を目指します。
黍殻山登山口からは舗装された林道(ゆるやかな上り坂)が続きます。
しかし、ときは真冬の早朝。ふと道路脇に目をやるとビッシリと霜が……!
バッキバキに凍りついているのがお分かりいただけますでしょうか?マジで寒い。
寒さに耐えながらひたすらに林道を登っていきます。
道中に、こんな看板が。『八丁坂ノ頭』方面へ向かえばいくぶんショートカットできるのですが、あとあと編集長に「青根分岐から八丁坂ノ頭まで歩いてないので、踏破したとは言えませんよ」と指摘されかねないので、ズルはしません。
20分ほど歩くと、道幅がせまくなります。
こちら、何かわかりますか? 実は、脇を流れる沢なんですが、バッキバキに凍ってスケートリンクのようになっています……。
凍りついた沢を横目に数分で、険しい山道が始まります。久しぶりの山道にゲンナリしてきました。
凍りついた沢を渡りつつも、山道を登ります。こんなことならコースアウトしなきゃよかった。
凍るわけないだろってところで凍ってる……自然の脅威……!
谷底が丸見えの鉄橋を渡ると……
こんな看板が。登山客用にもモノレールを整備してほしい!!
木製階段の先に何やら小屋が…!
どうやら、ここがモノレールの倉庫みたい。
モノレール小屋を超えると、いよいよ本格的な山道のはじまり。
橋も先程とは打って変わってオンボロに……。
干上がった沢を横切り、
ダムを超えて、ふと振り返ると、
結構高いところまで登ってきていたことに気づきます。
そして、道が一層険しくなる……。岩場を乗り越えて進んでいきます。
足場がよくないので、慎重に進みます。
足場には大きな霜柱が。ザクザクという音に少しだけ心地よさを感じながら登っていきます。
それにしても、険しすぎじゃない……?
ふと横に目をやると、結構な角度を登っていることに気づきます。
ときおり吹く風が冷たい……。標高の高さを実感せずにはいられません。
そして、黍殻山登山口から1時間半ほどで青根分岐に到着。ようやく東海自然歩道に合流です。前回下ったときはものすごく長く感じましたが、今回はさほどハードには感じませんでした。本当です。やっぱり一度通った道だから?
姫次を目指して
10分ほどの休憩の後、先を急ぎます。
まずは、前回諦めた姫次へ。道中には東海自然歩道最高標高の地もあるそうです。
ここからは基本的に尾根伝いなので、急な上り坂などはありません。ひんやりとした空気のなか、呼吸を整えながら進んでいきます。
すでに標高1000mを超えていることもあり、絶景が広がります。
5分ほど歩くとこんな看板が。登山口で見かけた『八丁坂頭分岐』です。先程の道を進んでいたら、こちらで東海自然歩道に合流していたんですね。
木製のアプローチが登場です。デコボコ道は転んでしまったり、足をひねってしまったりする可能性があるので、足場がしっかりしているのはありがたい…!
モノレールがこんなところまで!先程の足場用木材も、これで運んだのかな?
さらにずんずんと進み、青根分岐から20分ほど経つと……
到着しました!東海自然歩道最高標高地点!1433m!!これは嬉しい!!
.HYAKKEI読者のみなさま……
今年もよろしくお願いいたします。
ただ、ここは目的地の姫次ではないんですよね。絶景ポイントだという姫次までもう少し歩いてみます。しばらく進むと、急に開けて……
アッ!!
というわけで、姫次到着です!これはマジで絶景…!冬だから空気も澄んでてすごく綺麗に見ることができます。富士山、ありがたい……!
こちらで楽しそうに食事している登山客のグループがいたので、ソロハイカーの僕は早々に姫次を離れます。次に目指すは袖平山!
袖平山を目指して
姫次からは蛭ヶ岳という山にもアプローチできるのですが、残念ながら東海自然歩道ではないのでカット。看板の右脇から伸びている山道から袖平山を目指します。
富士山に向かって歩くような道。「気持ちいい〜」と思わず叫んでしまいます(ひとりで)。
こういう道もいいよね〜。
丹沢山系を一望しながら突き進む!初めて「この企画を実行してよかった」と思った瞬間でした。
ありがたい。
そして、姫次から20分ほどで袖平山に到着!雄大な景色を眺めながらのトレッキングは最高に気持ちよかったです。
他の登山客がいないので、のんびりと食事して英気を養いました。冬の東海自然歩道は確かに寒いけど、汗だくにならないのがいいです!さて、姫次、袖平山と順調にきましたが、ここからはいよいよ下り坂。しかも、繰り返しになりますが、このエリアは東海自然歩道の最高峰。必然的に急なくだりになることが予想されます。怒涛の下り坂、いよいよスタートです。
神ノ川ヒュッテを目指して
袖平山の山頂を超えると、いきなりの下り坂が待っています。
この下り坂、ヤバくないですか……?
登山道のすぐ横には、ズルムケになった山肌が…!
恐怖心を抱きながら、恐る恐る下っていきます。
この斜面どうですか……?落ちたらどこまで転がっていくのでしょう……。本当に気をつけなければ。
標高が高かったから、下っても下っても富士山が拝めるのは嬉しい。ありがたい。
下り始めて30分くらいしか経っていないのに、ズルムケ山肌があんなにむこうに…!かなりの勢いで下っていることがわかります。
正直、「ここどうやって下るのよ!」って言いたくなるところが無数にあります。
下ってたと思ったら、急に登りになったり。
下りだと思ったら……
急にのぼりに…!っていうか、鎖だし!調べてみると、こちらは「鎖場(クサリバ)」と呼ぶそうですね…。普段は地味な道ばかりなのに、急にアドベンチャー感出すなよ……。でも、足はクタクタだけど腕は比較的余裕があるため、さほど苦ではありませんでした。なんなんだ、クサリバ…!
絶壁をどうにかのぼると、その先には東屋が。
こちらが風巻尾根。看板によると袖平山からゴールの神ノ川までの標高差は900mで、丹沢山系のなかでも屈指だそう。不安しかない……!
ここまでの下り道だけで、膝は相当ヤられています。足を踏み外したら一巻の終りなので、膝に力を入れて歩けるように体力回復に努めます。
神ノ川までは2.8km。集中していきます!
待っていたのは、こちらのやる気を削ぐような下り坂。
すでに膝は笑い始めています。満点大笑いです。
振り返ると、こんな感じ。
そして、こんな感じ。下りがきつすぎて、なかなか撮影ができません。
休みながら下って、袖平山から1時間半ほど経ったころ、ようやく下りが落ち着いてきました。
そして川らしいものが見えてきた!たぶん神ノ川だ!!
ゴールは近づいている!嬉しい!でも、ここで足を大きくグネる。限界が近づいている…!
長い階段を下ると……
橋が見えてきた!
山道は終了!どうにか膝は保ちました!ありがとう膝!この橋を渡ったらゴール……?
かと思ったら、また上り坂!もうさー、下り坂→上り坂ってなっているコース全部埋め立ててフラットにしちゃえよ…!
そして、袖平山から2時間ほど下り続けて(途中でのぼりもあって)ようやく神ノ川サイドの登山口に到着!ここからはアスファルトの道を歩いて神ノ川ヒュッテを目指します。
何の変哲も無いアスファルトの道をひたすらに進む。
ズルムケの山があんなに遠くに見える…!
ついにゲートが!クルマがある!嬉しい!
そしてついに、
神ノ川ヒュッテに到着〜!自分で自分を褒めたい〜!次回は、ここから西丹沢ビジターセンターを目指します!噂では、こちらの神ノ川ヒュッテ〜西丹沢ビジターセンターのコースにもかなりスリリングなスポットがあるとか?気持ちを引き締めて登りたいと思います!
バス停『神ノ川入り口』まで<番外編>
さて、神ノ川ヒュッテには路線バスが通っていないため、最寄りのバス停まで歩かねばなりません。
アスファルトの道をひたすら進み、
トンネルも超えて、
釣り場や、
キャンプ場を横目に見ながら、
約7km(1時間半ほど)歩いて、ようやくバス停に到着しました。下山で気持ちが緩んでからの1時間半はマジでしんどい。また、山道はところどころ自然のクッションが効いていますが、アスファルトはダイレクトに響きます。正直、この歩きが一番疲れました。
神ノ川ヒュッテまでのアプローチはどうせ東海自然歩道ではないので、お車か、相模中央交通さんでタクシーを手配するのがオススメです!というわけで、また次回お会いしましょう!
一緒に歩いてくれる人、募集中。
1983年生まれ。静岡県出身。静岡文化芸術大学大学院修了後、2008年にエン・ジャパンへ入社。求人広告のコピーライターとしてキャリアをスタートする。その後、Webメディア編集チームへ異動。CAREER HACKをはじめとするWebメディアの編集・執筆に関わる。2017年5月1日、ライター編集者として独立。