08 雪どけの季節 〜野川かさね エッセイ〜
川沿いの道を歩く。
雪どけの水を含んだ川は青く、
底の白い石が
陽に照らされて光る。
木々には薄いみどり色の葉。
遠くに見える山々は
まだ雪をかぶっている。
吹く風に合わせて歩く速度も
こころなしか早まる。
どうしようもなく心踊る自分がいる。
この気持ちをどう抑えようというのだろう。
写真家。
山と自然をテーマに作品を発表。著書に「山と写真」、共著に「山と山小屋」「山小屋の灯」「山・音・色」など。ホシガラス山岳会としても出版、イベントに携わる。