• 所感
  • キャンプや登山に関する地域やコラム記事一覧です。キャンプや登山といったアクティビティを楽しみながら、一緒に楽しめる地方の観光情報や旅情報や、キャンプや登山に関するコラムをご紹介いたします。まだまだ知らない、キャンプや登山の魅力を発見できるかもしれません。
  • HOME
  • 記事一覧
  • 所感
  • 沖縄の自然の力を感じるクラフトビール|今日のアウトドアに乾杯!#03[クリフビール]

沖縄の自然の力を感じるクラフトビール|今日のアウトドアに乾杯!#03[クリフビール]

自然の中で飲むビールはなぜこんなにも美味しいのだろう。

びりびりっと舌を心地よく刺激していく炭酸に、ぐうっと口の中を押し広げるように流れていく麦のあまみやホップの苦み。

柔らかに照り付ける日差しによるものなのか、澄んだ空気のおかげなのかわからないのだけれど、そりゃあもうびっくりするほどに1杯のビールが美味しくて、その色鮮やかさに毎回胸を打たれる。

自然はビールを美味しくする最高のスパイスだ。

では自然の恵みをたっぷりと使ったクラフトビールを、自然の中で飲んだらどんなふうに感じるのだろう?

自然によって五感が研ぎ澄まされた中、素材のパワー感じるビールを飲んだのならば、もっとすごいことになるのでは……!?

あるときふと思った、このアイデア。一度思いつくと居てもたってもいられず、わたしは沖縄県沖縄市にあるブルワリー「クリフビール」へと向かった。

沖縄の素材を使用し、飲んで沖縄を感じるビール

クリフビールを一言で表現するのであれば、「飲んで沖縄を感じるビール」を醸造しているブルワリーだ。ビールを造るのは、現代アート作家でもあり、ブルワーでもある宮城クリフさん。

地元の農家さんなどと一緒に、沖縄県産のサトウキビや島トウガラシ、沖縄のシナモンであるカラキなどを使用した「沖縄系ビール」を次々と生み出している。

クリフビールに詰められているのは、沖縄の自然のパワーそのものだ。

クリフさんは絵具の代わりに沖縄の原材料を使い、ビールという手法で生産者の想いと沖縄という地が持つストーリーを一枚の絵のように表現する。

沖縄という自然豊かな場所ならではの“地の恵み”がたっぷり入ったビール。クリフビールは飲むことで沖縄をしっかりと身体に取り込むことができるビールだ。

今回はそんなクリフビールの中でも、キャンプシーンでオススメの3本をご紹介したいと思う。

木漏れ日の下での乾杯に「ムイヌグスージ(森のお祝い)」

まず乾杯にオススメなのは「ムイヌグスージ」というセゾンビールだ。ムイヌグスージとは沖縄の言葉で「森のお祝い」という意味。

このビールは月桃、リンゴアザミ、明日葉、桑の葉、長命草、センダングサという6種の野草を使っており、その名の通り力強く、華やかな味わいの1本だ。

野草は乾燥させ、粉末状にしたものをそのままビールへと溶かし込んでいる。野草と聞くと「苦み」をイメージするかと思うのだが、その味わいはフルーティであまやか。

麦のふくよかな甘さと、リンゴアザミ由来のリンゴのような甘さが幾重にも重なり、奥深い味わいとなっている。

柔らかな日差しの下。乾杯で飲んだこのビールの味わいに、わたしの身体はぶるりと震えた。細胞が動き出すような、身体の中から何かが沸き上がってくるような……。そんな野草たちの持つエネルギーがたっぷりと溶け込んだこのビールは、キャンプのはじまりにぴったりだ。

炭火料理に合わせたい「かなさんWHITE」

じっくりと炙った鶏肉、殻付きのまま焼いた海老……。BBQのお供にぴったりなのは「かなさんWHITE」だ。

グラスに鼻を近づけると、ふわりと広がるコリアンダーとハーブのような爽やかな香り。まろやかな飲み口の後に、落ち着いた柑橘の味わいとホップの苦みがじわじわと広がっていく。

沖縄県産の小麦「島麦かなさん」とやんばるのコリアンダーシード、ディルシード、沖縄在来種のミカン「カーブチー」を使って造られているこのビールには、沖縄の大地の力がぎっしりと詰まっている。

キラキラと身体の中を照らすようなその味わいは、実に食欲をそそる。じっくりと焼いた肉にかぶりつき、ビールを喉に流し込む。ただ単純なその行為を、「かなさんWHITE」は幸福感に満ち満ちたものにしてくれるのだ。

ランタンの灯りや焚き火と共に「文豪」

自然の中で迎える夜は、とても深くて濃い。そんな夜に合うビールはビターチョコレートスタウト「文豪」だ。じっくりと焙煎されたチョコレートモルトを使用したこのビールは、香ばしくて濃厚。コーヒーやココアを思わせる、じんわりと染み込むような味わいの黒ビールだ。

視覚が弱くなる夜は、感覚が一番研ぎ澄まされるように思う。そんな中でゆっくりと味わう文豪の深い味わいに、舌は痺れ喜ぶ。ランタンの灯りで本を読みながら、焚き火を囲みギターを弾きながら。夜の静かで贅沢なひと時は、文豪と一緒に過ごすことで、さらにその濃度が増すような気がする。

自然の恵みを自然の中で味わう喜び

自然の中で飲む、「飲んで沖縄を感じるビール」はとにかくおいしい。いや、おいしいというよりも、身体が喜ぶという表現のほうが正しいかもしれない。

ビールが舌先に触れた瞬間、喉を滑り落ちていく数秒間、そして胃の中にすっぽりと収まり、じわじわとその熱が手足に広がっていく時。身体中の細胞が「うれしい!」と喜んでいるような気がするのだ。

自然の近くで飲むからこそ聞こえる自分の身体のにぎやかな声。それらに耳を傾け、さらにグラスを空けていくと身体はどんどんと自由になり、そして満たされていく。

クリフビールに身を任せ、ほろ酔いで見る景色はとても美しい。キラキラと輝いて、ただひたすらに優しくて。

自然の力と、自然の恵みを詰め込んだビールの力。日常に少し疲れてしまった時には、ぜひこの組み合わせを試してもらいたいと思う。

【クリフビール】
http://www.cliffbeer.jp/
オンラインショップ
https://cliffbeer.stores.jp/

▼こちらの記事もどうぞ!
八ヶ岳山麓で造る、山で楽しむビール|今日のアウトドアに乾杯!#01[8PeaksBREWING]

焚き火と共に楽しむ瀬戸内生まれの燻製ビール|今日のアウトドアに乾杯!#02[六島浜醸造所]https://hyakkei.me/articles-16416/

関連記事一覧