手ぬぐいと私。私が山に行くとき必ず持っていくもの。#01
山に登る人は結構な割合で手ぬぐいを持っていると思う。タオル派も一定数いるとは思うが、肌感では手ぬぐい利用者のほうが多い気がする。
私は常に首から手ぬぐいを下げている。汗をぬぐうのはもちろん、冬でも曇ったゴーグルやサングラスを拭いたり山でのクッキングで布巾や鍋敷きの代わりに使うことも多い。
山の話から始まったが、私は日常でも手ぬぐいを愛用している。かつて浅草で観光人力車を引く車夫をしていた時からの付き合いなので、かれこれ20年近くになるか。
祭り装束に半纏(はんてん)を着て浅草各所を案内するので恰好的に手ぬぐいがしっくりくるし、浅草だと祭り用品屋や染物屋が多く伝統的な柄からその店オリジナルの柄まで洒落た手ぬぐいに巡り合うことが多かった。
実際使ってみるとハンカチより2倍程大きいので代謝のいい自分の発汗量に合っていて、水分の吸収が早く乾くのも早いため汗臭くならない。
洒落と利便性を実感した私は手ぬぐいヘビーユーザーになっていった。
まだ当時は手ぬぐいユーザーが少なかったので「使っているなら」と周囲からいただくことも多く、ますますお気に入りが増えていった。
車夫を始めてから半年、浅草の三社祭で神輿を担ぐ機会があった。
初神輿×江戸三大祭り参加という大興奮の状況で見事に神輿にはまり、その数週間後には台東区の親戚の地区で鳥越祭りに参加。都内随一という超特大神輿(重さ3.75トン)の迫力にノックアウトされ、以後毎年担いでいる。
鳥越祭りではそれぞれの町会で手ぬぐいを作っている。私が担ぐ町会は決まっていて、毎年担ぐたびに1枚(たまに2枚)いただいているので同じ手ぬぐいが積みあがる。
私の統計上(ちゃんと計ったことはないが)1週間を7枚で回していれば4、5年はもつし、むしろその頃が熟成期でガーゼっぽい風合いになり心地よさが増す。そこから更に数年使うとちょっと絞っただけで繊維が切れてお疲れ様でした、となる。
お疲れ様の後も役割があり、10~15cm四方に切って汚れた食器を拭くのに使っている。そう考えると1枚の手ぬぐいが手元を離れるまで10年近くかかるかもしれない。
現在の所有枚数は50枚程度。その半数近くが青い鳥越祭りの手ぬぐいだ。並べると使い込み具合が一目瞭然。色の薄いのはだいぶいい具合に育っている。
他の祭りで神輿を担いだ際にいただいた町会手ぬぐいなどもあり、全体の2/3が祭り手ぬぐいかもしれない。
普段は本当に何気なく使っているが、並べるとそれぞれに思い入れがあることに気付く。
山で落として3時間かけて捜し歩いたことがあった。簡単に諦められないわけだ。
写真を見るように、手ぬぐいで思い出に浸れるようになるとは。。。
これからも大事にガシガシ使って思い出を紡ぎ、隠居したら手ぬぐいをつまみに酒を飲んでみようと思う。
山登り、神輿、キャンプ、旅行ととにかく遊び歩くのが好き。
関東+山梨、長野、福島までは隣町の感覚。