皆さんこんにちは。
早いもので当連載も第5回目。

徐々に高度も上がり、今回からついに標高4000mの世界に突入します。

ナムチェからタンボチェへ

ナムチェで2日間ダラダラしておかげで体力も十二分に回復し、標高3,867mのタンボチェへと歩を進めます。

このあたりからは森林限界を超え、背の高い樹がほとんどないので展望も広がり非常に気持ちの良い道が続きます。

とはいえ、ひたすら同じような道が続くのでちょっと飽きてきたり。

そんな変わり映えしない登山道をしばらく歩いていると、僕のマンネリ気分を吹き飛ばす程にかっこいい槍ヶ岳チックな尖峰が顔を覗かせました。

アマ・ダブラムという標高6856mの山です。

正直、ヒマラヤ山脈の山は地図と併せて見ないと(エベレストやローツェでさえ)名前がわからないのですが、アマ・ダブラムは形が特徴的過ぎて一目でわかりました。

眼前にアマ・ダブラムを据えてまだまだ道は続き、

道中では荷揚げのポーターさんが休憩をしていました。

余談ですが、日本では登山歴の長い人は休憩する事を『一本立てる』と言いますが、これは歩荷さんが休憩する際に荷物の下に杖を一本立てて休んでいた事に由来するのだとか。

(僕も山小屋で歩荷をしていましたが、荷物が重たすぎて一度地面に置いてしまうと一人では立ち上がれなくなるのです。)

国境を越えても山の文化は繋がっているんだなぁ。と少し感慨深い気持ちになります。

そんな感じでふらふら歩いているとこの日の宿泊地、タンボチェに辿り着きました。

ナムチェからタンボチェへ|「山バカ、『エベレスト街道』をゆく #5」の11枚目の画像

ナムチェに比べるとかなり殺風景ですね。

日中は20℃を超え汗ばむ程ですが、一転、日が沈むと-5℃を下回り上着がないと外に出られません。

それでも、さすが乾季というだけあり、湿度が低く全く雪が降らないのは好都合でした。

いざ、人生初の4,000m超えへ

タンボチェは特にすることもなかったのでさっさと寝床につき、翌朝はいよいよ標高4,350mに位置する町ディンボチェへと向かいます。

僕の人生で初めての4,000m超えです。

いざ、人生初の4,000m超えへ|「山バカ、『エベレスト街道』をゆく #5」の2枚目の画像

さくさくと標高を上げていきたいところですが、途中で渋滞に巻き込まれました。

標高の低いところではゾッキョという牛が荷物を運んでいますが、4,000m以上の高所ではヤクという一回り大きな牛が荷物を運んでいます。

かなりゆったりと歩いているので狭い道だとヤク渋滞が発生するのは日常茶飯事なのだとか。

やっとこさヤク渋滞を抜けると、今度はクーンブコーラという川を渡ります。

とはいえ橋が架かっているので普通に歩いて渡るだけなんですけどね。

エベレストの麓に広がるクーンブ氷河の雪解け水が流れていて、とても澄んだ色をしていました。

川辺では袈裟を着たインドの修行僧っぽい方が足を休めていました。

(後にディンボチェで再会したので話しかけると、まさかのイタリア人。
普段からこのスタイルで登山をされているそうです。世界は広い。)

川を越えて程なく、ディンボチェ(4,350m)に到着です。

どの町も6時間くらい歩けば着くので朝早くに出れば昼過ぎには到着してしまい、午後はダラダラと休憩して夜になったら寝るだけ。なのですが、この日は違います。

日本を発つ前から『4,000mを超えたら星の写真を撮ってみよう』と決めていたのです。

宿を取って、撮影準備を整えて夜を待ちます。

日本からわざわざ重たい三脚を担いできた甲斐がありました!

満月だったので満天の星空!とまではいきませんでしたが、それでも乾いた空気と標高(と初海外の満足感)のおかげで今まで見た星空の中でダントツに綺麗だったのを今でも覚えています。

上の写真は流星などではなく、写真を複数枚撮って合成したものです。
星は止まって見えているように見えて実は少しずつ動いているので、長時間撮影をするとこのように星の軌跡を捉えることができます。

星座を綺麗に撮る為に秘密兵器のソフトフィルターも持って行ったのですが、上の写真をテスト撮影した直後、

突風で三脚ごとカメラを倒されてしまい、見るも無残な姿に。

フィルターと共に僕のメンタルも木っ端微塵に砕け散ったのでこの日の撮影は早めに切り上げて就寝。

星空撮影の目標を達成したことで調子づき、次回の記事では一気に標高5,000mまで高度を上げます。
ここで道を急いだせいで高度障害に苦しむ事になろうとは、この時はまだ知る由もありませんでした。

南埜 将志

登山の魅力をより多くの人に伝えたい!

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この記事を書いた人

南埜 将志

北アルプスは燕岳・燕山荘の元スタッフ。山岳写真ばかり撮って生きています。一眼レフと三脚を小脇に抱え、今日もどこかの山を奔走中。若年層にも登山をもっと身近に感じてもらいたいと思っています。

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