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  • 登山好きが贈る、登山の体験レポートです。日本、そして世界の山々にはたくさんの魅力にあふれています。春夏秋冬、その時々で異なる顔を見せてくれる素敵な山がたくさんあります。まさに百景。.HYAKKEIでは、そんな山に実際に登り、五感で楽しんだ自然体験記をお届けします。きっと山に登りたくなりますよ!

登山嫌いな僕でも、もう一度登りたい山|#18 定番コースじゃない方の鋸山!

登山嫌いの理由のひとつ「情報不足」

アナログな私にとって地図といえば、昭文社から発売されている『山と高原地図』です。なかには地図を登山記念としてコレクションにしている人も多いはず。私もその一人ですが、残念なことに名峰がない千葉県は、関東のなかで唯一、発売されていないのです。「房総半島にはたくさん山があるから発売してくれ」と切に願いながらも「低い山しかないじゃん」と言われてしまうと、ぐうの音も出ません。また要因のひとつとして千葉県の山は個人所有が多いことで山業界のスポットライトを浴びないのかもしれません。その影響もあってかネット上でも情報量が少なく、行ってみないと分からないこともしばしばあります。
千葉推しは重々、承知ですが、観光地と有名な鋸山のなかでもあまり知られていない登山ルートをご紹介します。

正式名称も鋸山じゃない!?

鋸山といえばロープウェイを使って『地獄のぞき』やラピュタの壁と言われる『石切り場跡』を回るルートが人気です。つねに観光客で賑わい、記念撮影も一苦労します。

確かにインパクトのある写真は撮れますが、人混みが苦手な人にオススメしたいのが“車力道コース”です。公共交通機関からのアクセスも良く、なんといっても人が少ないのが嬉しいです。

また、採石を運んだ石畳は江戸時代からそのまま残り、登山道として利用されています。この歴史ある鋸山の由来は、採石後の山肌が鋸の歯のように見えたことで名付けられたとされていますが、正式名称は、乾坤山(けんこんざん)なのです。

切り出した石は、この車力道を使い、女性が下ろしていたとされています。重い石と苔などで滑りやすい悪環境のなかで作業していたと思うと頭が上がらないです。

ハイカーなら数秒で通過してしまう石の道ですが、江戸時代の工具を考えると果てしない労力と年月を費やしているので、先人たちに感謝しないといけないですね。

綺麗に削り取られた石の上には苔が生え、吹き抜けていく風に当たっていると自分がどこにいるのかさえ忘れてしまう空間になっています。

山深い千葉の山は急登が多く、標高329.4mの乾坤山であっても息が上がります。
突然、現れる石切り場跡(吹抜洞窟)は神殿のように幻想的で、映画『天空の城ラピュタ』のワンシーンに例えられるのも分かります。このような石切り場跡が4ヶ所あるので、すべてを見て回るのも良いでしょう。崩落の恐れがあるのでくれぐれも中には入らないようにしてください。

地球が丸くは見えませんが『地球が丸く見える展望台』からは東京湾が広がり、県内では一番の眺望になります。人でごった返している『地獄のぞき』を前方に見ながら、広々とした展望台を独り占めできるのも車力道コースの特権です。情報が少ないことで、ハイカーが少なく、得した気分になれる、じゃない方の鋸山も良いですよ。

ルート
JR内房線浜金谷駅~車力道入口~石切り場跡(吹抜洞窟)~絶壁階段~地球が丸く見える展望台(ピストンルート)
コースタイム:約2時間15分

アクセス
●マイカー
富津館山自動車道富津金谷ICから約5分
駅前に駐車場あり(有料)
●公共交通機関
JR内房線浜金谷駅下車。駅から車力道入口まで約10分。

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