親子一緒に遊んで、きずな深まる。八ヶ岳で葉っぱ図鑑作り体験
なぜ、あの家族はいつも仲が良いのだろう?
なぜ、あのカップルは喧嘩しないのだろう?
なぜ、あの部署は和気あいあいと仕事できるのか?
となりの芝は青く見えるとはいえ、やはり気になります。
すてきな人間関係の作りかた。生きているかぎり、永遠のテーマではないでしょうか。
「【夏季】八ヶ岳の樹木でオリジナル葉っぱ図鑑作り体験」に参加した編集部。この体験を通して、すてきな人間関係の作りかたの秘訣、発見してしまいました。
もくじ
一緒に集め、驚き、家族の思い出が増えていく
開催場所は八ヶ岳自然文化園。新宿から車で約2時間半。標高1300mの高原に広がる緑豊かな大きな公園です。公園内のカフェからは蓼科山と八ヶ岳の裾野、北アルプスの稜線もくっきりと望めます。
今回、集まったのは5家族。お子さんは3才~小学生まで様々。みなさん、自然の中にいるからか終始リラックスモード。
今日の案内人は八ヶ岳山麓で活躍する植物研究家、田中智さん。先日こちらの記事で自然に対する考えを語っていただいた、生粋の自然ビトです。
田中さんから今日一日の流れが説明されました。午前中は八ヶ岳自然文化園の中で木を観察しながら葉っぱを集めます。お昼には、思い思いの場所でお弁当を食べて、午後はいよいよオリジナルの葉っぱ図鑑作り。
早速、外に出て田中さんの案内のもと、木から木へと家族みんなで渡り歩いていきます。アカマツからシラカバへ。ミズナラからコナラへ。
一緒にいれることが嬉しいのか、お父さん、お母さんとずっと手をつないで歩く子。田中さんの後を追いかけるようにずっと小走りでついていく子。自分の集めた葉っぱを覗きながら歩く子。
田中さんが木々の説明をしながら、葉っぱを集めやすいように枝を切り落とします。子どもたちが一瞬で群がり、思い思いに葉っぱをとり、宝物のようにビニール袋にしまいます。
アカマツの木のそばでは、子どもたちがそれぞれ拾ったアカマツの葉っぱで引っ張りあう
葉っぱ相撲を開催。トーナメント形式で、優勝した子は飛び跳ねて喜んでいました。
コナラの木で、クワガガタムシを見つけた子がいました。その後もクワガタムシを見つけたいのか、終始キョロキョロ。地面にしゃがみ、草を花を見つめ、木を見上げています。
印象的だったのは、子どもたちが心動かされた何かを発見した時。
「ねぇ~、見て、見て~。」
ほぼ必ずお父さんやお母さんのもとに駆け寄り、その発見を共有します。
両親も丁寧に子どもたちの発見を聞いていました。
「もみじとカエデの違いは、お母さんとママの違いです。」
そう田中さんがカエデの前で教えてくれました。呼び方が違うだけで、カエデともみじは同じ仲間の木なのだそうです。学名で言うカエデのことを、親しみを込めてもみじと名づけただけ。お父さんもびっくりの豆知識でした。
親と子と、一緒に葉っぱを集めて、一緒に木々の不思議に驚いて、自然の中での思い出が積み重なっていく。なんて素敵なことでしょうか。
開放感ある自然の中では、親も寛大になれる
葉っぱを集めたら、お弁当の時間。芝生の斜面で食べました。
食べ終わった子どもたちは早速、斜面を転げ回ります。バッタを見つけたら、大きな声で
「パパー、バッタいたー!」
興奮しながら全速力で駆け上がってきます。
都会の小さな公園では見られないほど、子どもたちの動きはダイナミック。
お父さんもお母さんも、そんな子どもたちをあたたかい眼差しで見つめていました。
ショッピングセンターや小さな公園などの人が多い場所で子どもが同じように元気に跳ねまわったり、はしゃいだりした場合、まわりの目を気にして追いかけたり、叱ったりしなければならないことが多々あるはず。でもここはとても大きな公園、そんなことはまったく気にしなくて大丈夫。親もゆったりした気持ちで子どもたちを見ていられます。
一緒に考え、作って、家族の会話が増えていく
お弁当を食べたら、いよいよオリジナル葉っぱ図鑑作りです。
まずは拾った葉っぱをテーブルの上に並べます。カタチが似ているものを近くに置いて分類。トランプの7並べをしているみたい。集めている時は一つしか目に入らなかったので、気がつきませんでしたが、こうして並べると葉っぱのカタチは驚くほど多様です。
田中さんが葉っぱの名前と、カタチをホワイトボードに書いて、どの葉っぱを探せば良いのか教えてくれます。ホワイトボードと葉っぱを睨めっこしながら、それと思わしき葉っぱをピックアップ。
事前に配られたスケッチブックに貼り付けていきます。そこに特徴や自分で発見したことを書き加えていきます。
「ほらアカマツってあれよ。葉っぱ相撲したやつ」
「コナラはクワガタがとれたやつだよね。」
「今度、公園行く時はこの図鑑、持っていこうか」
思い出とセットで親と子の共通の知識と言葉が増えていきます。
途中で一つ。田中さんがとっても面白いお話をしてくれました。それはヤドリギの秘密。
ヤドリギとは、大きな木の枝に寄生してまんまるな鳥の巣のようなカタチになる木。
「ヤドリギの実はベタベタしてましてね。これをヒレンジャクという冬鳥が食べます。そして枝の上でうんちをするわけです。うんちもやっぱりベタベタだから、枝に種がついて発芽するというわけ。面白いのが、ヤドリギの実は普通に枝に埋め込まれたものよりも、鳥のお腹を通って枝に付いたものの方が発芽率がいいのでは、という実験もあるんです。」
自然の不思議に子どもたちよりも大人たちから感嘆の声が漏れていました。
自然の中だからこそ、深まる家族の絆
「ママ、これ美味しかったよね!」
体験の途中、シロツメクサの花を指して急にこどもが言いました。
「これ食べたの!」と編集部が驚いて質問すると、お母さんが嬉しそうに説明してくれました。以前、参加した「いきつけの田舎touch」の山菜採り体験で天ぷらにしてお母さんと一緒に食べたのだそうです。スーパーで買った山菜だとエグみがあって絶対食べないそうですが、採れたてでしかも自然の中だから、バクバク食べたとのこと。
今回の「葉っぱ図鑑作り体験」。一日、親子で一緒に葉っぱを集めて、一緒に驚きました。一緒に学んで、考えて、オリジナルの葉っぱ図鑑を作りました。図書館の葉っぱ図鑑や教科書をよく読んで勉強して、あとでテストがある理科の授業を親子で一緒に受けていたわけではありません。本物の自然に触れて、集めて、自ら観察する「いきつけの田舎touch」ならではの体験。きっと、ご両親も子どもたちもよほど頭と体に今回の体験が染み込んだのではないでしょうか。
今度、都会の公園でコナラの木を見た時に、「ママ、これクワガタムシを見つけた木だよね!」と子どもたちが言うのかもしれません。
親と子で大自然の中で一緒に驚いて、一緒に学んで、共通の言葉と思い出が増えていく。これってもしかして、とても大切なことなのではないでしょうか。
共通の思い出が多ければ多いほど、素敵な家族になれるのではないでしょうか。
お父さんと、お母さんと、子どもたちとの会話を聞きながら、素敵な人間関係の作り方の秘訣を教えられた気がしました。
(写真:藤原慶)
■「さわる ふれあう 感動する」 いきつけの田舎 touch
体験一覧:
https://www.so-net.ne.jp/touch/feature/
■今回の体験の講師、田中智さんインタビュー
「自然は全てがつながり、そこに存在する理由が必ずある。」
https://hyakkei.me/articles-801
■「ネットにつながる、世界が広がる」 ソニーのネット ソネット
https://www.so-net.ne.jp/access/special/sony_so-net/
■「“つながる”から未来を創る」 ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社
https://www.sonynetwork.co.jp/
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