東京のロシアンファミリーと巡る、八ヶ岳のトレイル・ウォーク(前編)
もくじ
ロングトレイルとしての八ヶ岳の魅力
山へ行く。そう聞くとどんな登り方を想像しますか?
休日に日帰りで登山。ちょっと長い休みを取って遠くの山へ遠征。車で遠出してオートキャンプ。
山へ行く時のスタイルはいろいろありますが、今回紹介するのは山や森の中を長く歩く「トレイルウォーク」です。
今回お邪魔したのは、東京と八ヶ岳を行き来する登山ガイド:守岡伸彦さんが企画した、”Yatsugatake Fujimi Trail”。
守岡さんは、東京で経営コンサルタントをしている一方で、長野県富士見町で登山ガイドもしているという異色の経歴の持ち主。
仕事の関係で北欧へ行くことの多かった守岡さんは、ヨーロッパの人々が山や森の中でたき火をしながら暮らすように休暇を楽しむ「ロングトレイル」というスタイルを目の当たりにし、「ピークハントしてすぐに帰るだけが山の楽しみ方ではない」と思ったそうです。
ロングトレイルが親しまれている本場ヨーロッパの人たちに、八ヶ岳、南アルプス、そして富士見町の魅力を知ってもらいたい
もっと山の楽しみ方を豊かにしたい。日本人にももっと山や森で過ごす時間を長く味わってもらいたい。そんな想いから、彼のベースとなっている八ヶ岳を中心に、森の中をゆっくり歩きながら楽しむYatsugatake Fujimi Trailが考案されました。
今回は日本に住むロシア、ウクライナの家族をゲストにお迎えし、守岡さんが考案したトレイルの一部を歩き、森の中でキャンプとたき火を楽しみながら周辺地域の歴史も学ぶ二日間の旅企画となりました。
まずは富士見町の人気登山スポット、入笠山からスタート
JR富士見駅で、今回のゲストとなるロシア、ウクライナのご家族4組と合流。ロシア、ウクライナご出身といっても東京に住んでいる方々なので、久しぶりの大自然に少し緊張気味の様子。
全員日本語と英語であいさつを交わしたあと、バスで入笠山へ。
希少な高原植物が生えており、ジオパークとして認定されている入笠山の説明を受けながら、ゴンドラに乗って山頂駅へ。
全国から訪れるマウンテンバイカーたちがダウンヒルコースを下るなか、我々は1時間強で着く山頂を目指します。
すっかり秋色に染まった森を歩き、マナスル山荘を過ぎたころから本格的な上り坂が始まります。
ゴツゴツとした岩が多くなる男坂を登り、徐々に眺望が良くなってくるというワクワク感が高まってきたところで頂上へ!
富士山、八ヶ岳、北アルプス、中央アルプスなどが一望できるパノラマに、ゲストファミリーたちも大喜び!
そのまま山頂で昼食を食べ、下山します。
ちなみに僕はサポートのことで頭がいっぱいで車に昼食を忘れるという失態。
ゲストファミリーからサンドイッチを分けてもらうという、逆にもてなされる始末・・・。
下山は登りとは別ルートで、大阿原湿原へ。
山の中に突然現れる、水の豊かな平原。春にはこの水源を頼りに、様々な花や草木が咲き乱れます。しばしのどかな平原の風景を楽しんだ後、ゴンドラ駅へ。
ゴンドラを降りた後は、入笠山に背を向け、本日のキャンプ場がある八ヶ岳へ。
八ヶ岳の穴場スポット、立場川キャンプ場
入笠山から富士見町の中心部を通り、反対側の八ヶ岳へ。もっとも南にある編笠山の麓に位置するキャンプ場が、立場川キャンプ場です。
設備が整った豪華なキャンプ場ではありませんが、綺麗な森と小川が流れ、直火もOKなこのキャンプ場は、最近では珍しい超穴場スポットと言っても過言ではありません。
ここにNordiskの巨大なティピーと、各ゲストのテントを張り、夕食の準備に入ります。
今日の夕食は地元で捕れたシカ肉を使った料理。シカ肉を直火で豪快に焼いたステーキや、地元野菜と一緒に煮込んだシチューなど、身体が温まる料理とお酒を手に、キャンプファイヤーを囲みながら、ゲストファミリーたちと大いに語らいました。
気づけばすでに23時過ぎ。ちょっと呑みすぎてフラフラになりつつも、また明日の山歩きに備え、それぞれの床に着きました。
後編は八ヶ岳側のトレイルウォークの様子をレポートします。
お楽しみに!
八ヶ岳と東京を行き来しながら、山と都会の暮らしについてレポートします。東京のメーカーに勤めながら、長野県富士見町で個人のプランニング会社を立ち上げ。現在は週の4日を八ヶ岳の麓、3日を東京で過ごしながら、「富士見町テレワークタウン計画」などのプロジェクトをサポートしている。
趣味は山と音楽。