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お遍路だけじゃない山の楽しみ|徳島の魅力を再発見

お遍路だけじゃない山の楽しみ|徳島の魅力を再発見

徳島県といえば何を思い浮かべますか?
大塚製薬、日亜化学、チームラボ、そして米津玄師などが代表名刺でしょうか。
それから、阿波おどり、徳島ラーメン、すだちも有名。
では徳島の山といえば?…お遍路?
じつは、徳島の山には四国八十八箇所のうち「1~23番」までがあり、そのうち「1~20番」までが東徳島にある。

お遍路をした人は気付いていると思うが、山が素晴らしいのだ。信仰の山ということだけでなく、その景色や、幾つもある滝、自然を守る町の取り組みなど、魅力にあふれている。

イーストとくしまDMO(観光推進機構)内で特集している「HIKE! TOKUSHIMA」では、東徳島の山の魅力や、トレイルコースを非常に分かりやすく紹介しています。

雨上がりに訪れたい苔の名所!

イーストとくしまDMOの担当者である井内さん、原前さんに案内してもらい、まず訪れたのは勝浦郡上勝町にある『山犬嶽』
山頂に山犬(オオカミ)が口を開けたような岩があることからその名前となったと言われています。1711年に大豪雨があり山が崩れ、苔の名所(岩場)ができたそうです。

圧巻の景色。

四国の山は岩山が多い。水捌けが良く、すぐ乾くため、ちょっとした雨でもハイクは可能だ。

特に山犬嶽の苔は、梅雨時期がオススメ。ふかふかの苔に出会うことができるだろう。

また、徳島は冬になっても雪があまり積もらないため、冬でもハイクが可能。
むしろお遍路も冬が多いとのことで、徳島は年中トレイルを楽しむことができるのだ。

早朝ハイクはマイナスイオンを浴びながら!

徳島には「日本の滝100選」のうち3つがあり、そのうちの1つ、名西郡神山町にある『雨乞いの滝』に訪れた。

緑豊かな中を歩くことができ森林浴としても気持ち良く、雨乞いの滝までは片道800mほどで、朝の散歩にちょうどいい。

目的の雨乞いの滝に行く途中にも、うぐいす滝、不動滝、地獄淵、もみじ滝、観音滝と、5つの小さな滝がある。これらの滝を見ながら、また滝の音を感じながら歩くことができる。

そして到着、雨乞いの滝。

雌雄2つの流れを持っており、右の雌滝は落差45mで3段の滝となる、大迫力の景色だ。

ここでコーヒーなんかを淹れたら美味しいだろう。
行きやすく人気スポットのため、土日は非常に多くの観光客が訪れるそうだが、平日の朝は比較的空いてそうだったので、機会があれば次はコーヒーセットを持って行きたい。

イーストとくしまDMOの担当者である井内さん(右)、原前さん(左)

守り抜いた山を散策|シャクナゲの里 岳人の森

『雨乞いの滝』のある名西郡神山町からさらに人里はなれた標高約1000mの山岳にある『シャクナゲの里 岳人の森』へ。
ここは、この山の持ち主である山田勲(いさお)さんが23歳の時(1972年)に、林業全盛時代の中で「このまま植林が進み自生の木々が失われていけば、山の風景は一変し、産業の変化とともに、地域は廃れていくに違いない」と、独力で山岳植物園に育てあげた場所。

シャクナゲやヒメシャガをはじめ、地域に自生する希少な高山植物の楽園です。

岳人の森を造り上げた山田勲さん

スギやヒノキなどの植林を何度も進められたそうですが、自然を守るために拒否し続けたそうです。
「始めた当時は周りから笑われた」と、勲さん。

さらに現在では、飛騨高山で料理の修行を積んだ息子さん(充さん)が、創作日本料理【観月茶屋(かんげつちゃや)】を営んでおられます。

勲さんの息子であり、観月茶屋の料理長である山田充さん

「父の想いを継いで岳人の森へ戻った」と語る充さん。
ここ『岳人の森』では、希少な自生の植物園、ここで獲れたものを使った食事、そしてキャンプ場と、自然を存分に味わうことができる場所だ。

自分を見つめなおす護摩行と滝行

この旅、最後に訪れたのは徳島市入田町にある『建治寺(こんちじ)』

徳島で滝行ができるのはこの建治寺だけだそう。
護摩行も滝行も、何かも初体験である。

護摩行では、事前に渡していた愚生の願いも読み上げていただき、護摩木が投じられた。

言葉足らずで申し訳ないが、、護摩行の迫力が凄かった。
普段、焚き火で火は見慣れているとはいえ、やはり火には何か力があると思う。

護摩行が終わると、次は滝行だ。滝行場は建治寺から下ったところにある。その道のりは、鎖場があるなど少し険しいものだった。

行衣(白装束)に着替え、いざ。
この日の水量は少なかったが、それでも頭上から落ちてくる水の重さは十分に感じられる。

流れる水のみ見える世界で、頭・肩・背中に受ける水の圧。般若心経がぐるぐると頭を巡り、やがて自分の内面と向き合えるような感覚に。

HIKE! TOKUSHIMA

今回紹介した場所は、「HIKE! TOKUSHIMA」で紹介されているほんの一部。
サイトでは、どういうコースで行くのが最適かも含め、細かく写真付きで掲載されているので、ぜひ参考にして、自分の目で・足で・全身で、徳島を感じてほしい。

今回は行けなかったが、日本のSGDs最先端をいく町『上勝町』、小学校をリノベーションして造られた施設『ふれあいの里さかもと』など、徳島には町をあげて魅力を発信している場所が多くある。

徳島の自然に触れて思ったのは、いつかお遍路しながらゆっくり回ってみたいということ。
新しい発見と目標ができた。

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