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登山初級者向けの“温泉トレッキング”! 山の秘湯「本沢温泉」へ行ってみた!

※この記事は2015年8月に取材したものです※

日本で最も高所にある野天風呂

標高2,150メートル。夏でもひんやり涼しい風が吹いている「本沢温泉」は、八ヶ岳を縦走する登山者たちが利用する山小屋にあります。山小屋から少し離れた谷間には野天風呂「雲上の湯」、そして山小屋内に内湯「こけももの湯」があるのですが、驚くことに、このふたつの温泉は近くにあるのにまったく別の泉質。二種類の温泉を楽しめるという点で、温泉ファンにも人気があります。

本沢温泉の入り口までのルートとは?

では、本沢温泉までの道のりをご案内しましょう。温泉の住所は長野県南牧村。公共交通機関を利用する場合は、JR小海線の小海駅から本沢入り口までタクシーで30分程度です。最寄りの松原湖駅から歩くなら、本沢入り口まで3時間程度。健脚なら駅から歩けますが、途中にトイレや休憩できる場所が少ないのでご注意ください。

車なら中央自動車道長坂IC、または小淵沢ICから国道141号線を北上し、「松原湖入り口」交差点から県道480号線へ。稲子湯温泉方面を目指し、途中で本沢林道に入ります。本沢入り口駐車場と書かれた登山道入り口に、数台分の駐車スペースがあります。

入り口から歩くとゲートまで40分、そこから温泉まで歩いて1時間半程度です。

道幅は広く、坂の傾斜も緩くて歩きやすい林道

それでは、本沢温泉まで歩いてみましょう。温泉までの道のりは、比較的広くて歩きやすい、緩やかな上り坂の林道が続きます。ときおり見える渓谷の対岸には山々が連なり、深い森の中にいることを感じられる登山道です。初級者でも気軽に登れる登山道なのですが、軽装での登山は危険です。登山靴、服装に注意し、地図や飲料、防寒着などの装備はしっかりと整えていきましょう。

途中で何度も、「本沢温泉まであと○○分」のといった看板が出てきますが、これにはあまり惑わされないようにしましょう。正確な時間が書かれている看板とそうでないものがあるようです。キャンプ場が見えてきたら、あともう少し。小川を渡ったらまもなく山小屋の建物が見えてくるはずです。

泉質の違う二つの温泉を堪能

いよいよ、“温泉トレッキング”の目的地、本沢温泉に着きました。まずは山小屋の受付で、入浴料を払います。野天「雲上の湯」は600円。内湯「こけももの湯」は800円です。記念のチケットを受け取ってからそれぞれの温泉へ。「雲上の湯」は、山小屋からさらに10分ほど歩きます。温泉までの道が少し険しいので、足元に注意して進みましょう。

野天風呂「雲上の湯」は、硫黄の香りがほんのり漂う谷間に作られています。湧き出る源泉に一切手を加えず、そのまま流し込んでいるため、お湯の温度は自然環境によって異なります。通常は少し熱めの42度前後。雨が降った後などで湯温が下がっているときは、38度前後と少しぬるめのときもあります。湯船に浸かって見えるのは、岩肌と森。大自然の中で非日常の開放感を味わうことができます。温泉らしさを感じる酸性泉は、皮膚病などに効果のある療養泉です。

混浴なので女性はタオルを巻いたり、水着を着て入ることも可能ですが、着替えスペースはありませんので、入浴前後の段取りについては各自ご注意ください。

その一方で、内湯の温泉「こけももの湯」には男女別の浴室がありますので、水着を忘れてしまった方はぜひ内湯で温泉を満喫しましょう。

「こけももの湯」の泉質は、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩温泉。肌のキメを整え、なめらかにする美人の湯です。手作り感のある湯船がまた魅力で、野天風呂の男性的な豪快さと比べて、女性的なやさしさを感じる温泉です。

硫黄岳や天狗岳の登頂を目指す拠点にも

登山道入り口から、入浴も含めて5時間程度の“温泉トレッキング”。途中で入浴をはさむと、トレッキング後の疲労感が軽く感じるのは気のせいでしょうか。自然の中で温泉につかるという非日常体験は、それだけで大きな満足感を得ることができますが、せっかくなので山小屋に宿泊して、硫黄岳や天狗岳の登頂を目指す拠点とするのもおすすめですよ。

本沢温泉(ほんざわおんせん)

住所:長野県南佐久郡南牧村海尻 国定公園内
電話:090-3140-7312
野天温泉「雲上の湯」:入浴料600円
内湯温泉「こけももの湯」:入浴料 800円
宿泊:素泊まり個室6800円から

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