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八ヶ岳の魅力を余すところなく体感できる”ストイックじゃない”MTBツアー『Naka- Outdoors』

みなさんはマウンテンバイクツアーと聞いて、どんな想像をしますか?

山の中の急な狭い道を物凄いスピードで降りるダウンヒル。登り坂や下り坂がある整備された特別なコースを飛んだり跳ねたりしながら猛スピードで、駆け回るレース。

正直、編集部はそんな激しめのイメージを描いていましたが、実は全然違いました。

体力や運動に自信のない方でも気軽に参加できる、南八ヶ岳の自然と文化、美味しいとこどりのとても気持ちのいいツアーでした。

(左)編集部の山口岳 (右)Naka-Outdoorsのナカさん
(左)編集部の山口岳 (右)Naka-Outdoorsのナカさん

編集部がお世話になったのは、八ヶ岳エコソムリエの「ナカさん」こと中川さん。集合場所の駐車場から、スタート地点までナカさんの車で向いました。八ヶ岳エコソムリエの皆さんは八ヶ岳地域の隠れ名所をたくさん知っているのです。

八ヶ岳エコソムリエとは、八ヶ岳の自然/歴史/暮らしを伝えるガイドの団体です。

初心者向け講習もあるから安心。

スタート地点は車の少ない駐車場。遠くには赤い橋が見えます。ここは秋になると、ほぼ全ての木が黄色に染まり、黄金色の渓谷になるそうです。

自転車を体のサイズにあわせ、ギアの変え方や基本姿勢を丁寧に教えてくれます。

体が自転車に慣れる時間もしっかりとってくださったので、安心してスタートできました。

自然の不思議に触れて、新しい自分を見つけよう。

スタートしてからしばらくは、緩やかな下り坂。とってもラクです。

間もなく何のヘンテツもない電柱と電線の下で自転車を停めました。この電柱と電線には特別な仕掛けが施されているのだそうです。目を凝らして電柱を見ると…

なぜか電柱に木の皮が張ってあります。

電線の周りには網が張ってありました。電柱上部ではカメラが電線を監視中。

電柱の近くの木にはたくさんの巣箱。巣箱と巣箱を結ぶように、細い木が張り巡らされています。いったい、誰のために、誰がこんなことをしたのでしょうか。

答えはこの子、「ヤマネ」の繁殖のために、電力会社や動物保護団体が作ったのです。「ヤマネ」は日本の天然記念物。林業に携わる方からは古くから山の守り神と大切にされてきました。

この施設には数千万円単位のお金がかかっているのだそう。自然を破壊するのもヒト、守るのもヒト。ヒトって変な生き物です。

その後も時折、自転車を止め、自然の不思議と秘密を教えてもらいました。

大きな楢(ナラ)の木の下ではどんぐりを拾ってナラとキノコとどんぐりの秘密を、

牧場ではこの農場の雄牛と雌牛の恋愛事情を教えてもらい、

ナシの木の下で、山梨県の名前の由来を教えてもらいました。

モミの木では新しい自分を発見。

その時まではアロマセラピーや香水等、匂い系のことは慢性の鼻炎ということもあり、まったく興味がなかったのです。

しかし、モミの木の蜜の匂いを嗅がせてもらった時、僕は変わりました。この匂いを嗅ぐとものすごく気持ちが落ち着くのです。自然の大きな愛に包まれているようなそんな感じまで受けてしまいました。

帰宅後、早速モミの木の蜜のアロマを購入し、自宅のベッドのそばにモミの木のアロマを置いたほど、匂いに興味が湧いたのです。

素通りしていた名所の歴史を深く知り、知識も豊かに。

この日、案内してもらったのは清泉寮の周辺。

これまでも八ヶ岳の東側を登りに来る度に、道路標識では見ていた「清泉寮」という地名。ソフトクリームが美味しいらしいという噂以外、何も知りませんでした。

清泉寮を創設したのはポール・ラッシュさん。標高が高く食物が育たず貧しかったこの地に、牧畜を導入し、病院を建て、教育を施しました。アメリカン・フットボールを日本に紹介した方でもあるそうです。

清泉寮はキリスト教の牧師達の研修施設でした。キリスト教の教会のシンボルといえば十字架ですが、清泉寮のシンボルはXのマーク。この秘密についても教えてもらいました。

清泉寮の前からは、広い牧場が見渡せます。晴れた日はこの先に富士山が綺麗に見えるのだそうです。

聖アンデレ教会の回りの雑木林には、「十字架の道」がありました。イエス・キリストが死刑の宣告を受けてから、処刑され、復活するまでの様子を表現した14ヶ所のレリーフを巡る森の道。日本にも、七福神巡りや、八十八ヶ所巡り等神社仏閣を巡る旅がありますが、キリスト教の文化にもあるのですね。

この保育園も、清泉寮の敷地内のもの。自然保育「森のようちえん」を日本に持ち込んだ先進的存在だそうです。この保育園に憧れて移住する家族もあるぐらい人気の保育園。森では子どもたちの笑い声が風にのって聞こえてきました。

風とあそぶ気持ちいい乗り物。マウンテンバイク。

マウンテンバイクは数年、街で乗っていましたが、本当の土、砂、石、木が混じるダートの道を走るのは始めてのことでした。

街では感じない、前輪についたサスペンションの有り難みを感じます。
自転車で山道を走るだけでこんなにワクワクするとは思っていませんでした。

気持ちいいダート道では思う存分に草原の風を感じられます。

気になるところでは、自転車を停めればいいし、

乗ったままで越えるのが難しいポイントは、歩いて越えればいい。

小川を越えるとそこはナカさんお気に入りの場所。ここで自転車を停めてティータイム。いただいたミルクティーと、地元名産のクッキーは絶品でした。

最後のご褒美は、清泉寮名物ソフトクリーム。濃厚な味がたまりませんでした。

ナカさんのMTBツアーだからこそ3時間とは思えない満足感が味わえる。

自然の秘密。土地と人の歴史。マウンテンバイクの爽快感。すべてをぎゅっと濃密に楽しんだ3時間。

日帰りでふらっと無計画に観光地に遊びに行くと、なんとなく観光名所を見て、記念写真を撮って、名物と言われるソフトクリームを食べて、終わってしまいがち。

でも、ナカさんのMTBツアーに参加すると、八ヶ岳エコソムリエならではの、地元の方だけが知っている名所も楽しめますし、歩きではなくMTBだからこそ、効率よく名所も自然の中のスポットもまわれます。カラダも動かせるので終わった後の気分も爽快。

半日だけでなく、1日コースもありますし、ツアー内容も多彩。MTBやヘルメットのレンタルは、もちろん料金に含まれています。

ぜひ、今度の休日はMTBツアーも検討してみてくださいね。
充実の1日になること間違いなしです。

(写真:藤原慶

Naka-Outdoors:MTBツアーのご予約はこちらから。
https://www.asoview.com/base/997/leisure/act0031/

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