外遊びは足元から|#05 ゴアテックスなのに超軽量! イノヴェイトのトレッキングシューズ「ROCLITE 286 GTX UNI」
街でも履けるかっこよさ。しかも防水!
イノヴェイト(inov-8)というシューズブランドを知っていますか? メンズファッションに興味のある方には、人気ブランドのノンネイティブとコラボレーションを行ったブランドとして認知されているかもしれません。
2003年、トレイルラン専用のオフロードシューズブランドとしてイギリスで誕生したイノヴェイトは、裸足感覚で走れる“Natural Running”を提唱。余計なクッションやサポートを極力省いた軽量でミニマルなシューズを世に送り出し、コアなトレイルランナーから熱烈な支持を集めました。その後は商品ラインナップを拡充し、トレイルランシューズから、ロードランニングシューズ、トレーニングシューズ、トレッキングシューズまで様々なモデルを展開。初心者から上級者まで幅広い層のランナーを取り込むことに成功しています。
かくいう筆者自身もイノヴェイトの愛好者で、これまで数多くの同ブランドのシューズに足を通してきました。そのなかでもっとも気に入っているのが「ROCLITE 286 GTX」というモデル。防水透湿素材ゴアテックスを搭載した、ミドルカットのトレッキングシューズです。2006年の誕生以来、定番として作り続けられているロングセラーモデルでもあります。
この「ROCLITE 286 GTX」はこれまでオールブラック1色のみの展開でしたが、新たにブラウンがラインナップに加わりました。それがこちら。
ゴアテックスのトレッキングシューズというと重くてゴツいイメージがありますが、このシューズは実に軽やかでスマートなルックスが印象的。
前から見るとこんな感じ。トゥが細めでシャープなフォルムに仕上げられています。
ぬかるんだ路面でも最大限のグリップ力を発揮するよう、アウトソールのラグ(突起)はかなり高めに設定されています。
ヒール部側面にはゴアテックスが搭載されていることを示すタグ付き。
トゥ側面にはモデル名が同色でさりげなく配されています。イノヴェイトのシューズのモデル名にはすべて3ケタの数字がついていて、その数字がシューズの片足あたりの重量を表しています。それだけ軽さに自信があるってことですね。
286gという驚きの軽さを実現するためでしょうか、アッパー側面の保護パーツは最小限にとどめられています。
内部への水の侵入を防ぐため、シュータンはアッパーと一体型のブーティ構造になっています。
ファストパッキングからデイリーユースまで!
では早速、この「ROCLITE 286 GTX」を履いて、トレイルへ出かけてみましょう。
まず言えるのは、このシューズの履き心地は一般的なトレッキングシューズとはまったく異なるということ。ミドルカットではあるものの一般的なトレッキングシューズのように足回りをがっちりと固定される感じはなく、自由度は高め。ソールも薄めで柔らかく、屈曲性も高い。ゆえに路面からの突き上げを適度に感じます。まさにイノヴェイトが創業時から提唱してきた“Natural Running”な履き心地です。
ソールが厚くて硬いトレッキングシューズは悪路でも気にせずガシガシ歩けますが、このシューズの場合は一歩一歩踏みしめるようにして丁寧に歩くことが求められると思います。これには一長一短があり、脚力があまりない人にとっては負担が大きく、万人に向いたシューズとは言えないかもしれません。しかし、それなりに健脚の人ならイノヴェイト特有のナチュラルな足裏感覚を楽しめると思います。
このシューズがもっともポテンシャルを発揮できるのはどういったシチュエーションか?それは、荷物を徹底的に軽量化した縦走、いわゆる「ファストパッキング」だと個人的には思います。ファストパッキングでは足さばきの良いトレイルランシューズが好まれる傾向にありますが、防水仕様ではないトレイルランシューズは急な雨にやられて足元がずぶ濡れになってしまうリスクがある。だからといって重くてゴツい防水仕様のトレッキングシューズでは軽快に動けない。ゆえに、軽さと防水性を兼ね備えたこのシューズはファストパッキングにぴったりだと思うわけです。
そして、驚きの軽さや優れた防水性を備えながら、街でも履ける洗練されたルックスもこのシューズの大きな魅力。トレッキングやファストパッキングから、キャンプ、フェスといったアウトドアフィールドのみならず、普段街で履く雨の日用のシューズを探している人にもおすすめです。
・デザイン ☆☆☆☆☆
・フィット感 ☆☆☆☆
・軽さ ☆☆☆☆☆
・クッション性 ☆☆☆
・悪路走破性 ☆☆☆☆
・コスパ ☆☆☆☆
¥17,000+税
デサントジャパンお客様相談室 Tel.0120-46-0310
Run for Beer, Beer for Run.
1976年生まれ。フリーランスのエディター、ライター。スニーカー専門誌『SHOES MASTER』編集長、ランニング専門誌『Runners Pulse』副編集長、フイナム ランニング クラブ♡部長。