• キャンプや登山に関わる人々へのインタビュー記事一覧です。自然に魅せられたアウトドアフリーカー、自然と共に生きるアスリート、熱い信念を持つオーナー等、その想いやヒストリー、展望など、写真と共に丁寧にお伝えします。今後の人生の選択肢のひとつとなるヒントが、見つかるかもしれません。
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アウトドア好きのお部屋を拝見!暮らしとアウトドア道具|#10 宮澤健さん

アウトドアを嗜む人びとの「部屋と暮らし」にフォーカスを当てる当企画。今回お邪魔したのは、東京暮らしを経て、故郷の長野県岡谷市にUターンし、一軒家を建てたという宮澤健さん。サービス業という仕事柄、なかなか遠出ができないという宮澤さんの住まいは、“自宅でどこまで楽しめるか”がキーワード。住まいへのこだわり、日々のアウトドアライフスタイルなどをお聞きしてきました。

<お部屋データ>
【場所】長野県岡谷市
【築年数】約4年
【居住歴】約4年
【間取り】4LDKの一軒家
【住んでいる人】
宮澤健さん(40歳)職業:料理店経営
奥さんのりょうさん、娘のここちゃん、息子のゆうくん

できる範囲でちょこちょこ楽しむアウトドア

――まずは、宮澤さんのアウトドア歴を教えていただけますか。

家の周りが自然に囲まれているので、気が向いたときに外でやりたいことを選んで遊んでいる感じですが、歴が長いのはスノーボードで15年くらい。そんなに上手じゃないんですけど、仕事前に裏山へ滑りにいく日もあるほど大好きです。あとはキャンプが11年、低山がほとんどですが登山が3年。ここは八ヶ岳が近いので、朝こどもたちを送り出して帰ってくるまでに、山に登って戻ってこれます。

お話をうかがった宮澤健さんとりょうさん。フラットコーテッドレトリバーのルークを飼いはじめたことで、一緒に登れる山に行くことも増えたそう
お話をうかがった宮澤健さんとりょうさん。フラットコーテッドレトリバーのルークを飼いはじめたことで、一緒に登れる山に行くことも増えたそう

――山好きとしては、ものすごくうらやましい距離感…。はじめて行った山はどこですか?

小学生のときに遠足で登った、八ヶ岳の硫黄岳です。高所恐怖症だったので、それで山がキライになりました(笑)。でも、付き合っていた頃から奥さんが山好きだったこともあり、「こんな近くに住んでいるのに、行かないなんてもったいない!」って言われて。それからまた山へ行くようになりましたが、でも、それは一緒に山を登る友人の存在が大きいかもしれません。僕たちと同じ平日休みだったり、こどもの歳が近かったりと環境が一緒なので、登るたびに「次はどこ行こう?」と、みんなでプランを練っています。

仲良しの友人と登りにいった八子ヶ峰での一枚(写真/宮澤さん提供)
仲良しの友人と登りにいった八子ヶ峰での一枚(写真/宮澤さん提供)

――この家に引っ越した理由はなんですか?

東京から長野に戻り、結婚後しばらくは県内でアパート暮らしをしていましたが、自分の生まれ育った岡谷市には自然が多く子育てにもいいので、土地を探そうと思って。そんなとき、たまたま実家のそばが空いたので、これを機に自宅を建てることにしました。

――吹き抜けがとてもステキですね。明るくて、解放的です。

その分、寒いんですけどね(笑)。家を建てるにあたり、薪ストーブも視野に入れていましたが、仕事が忙しいので薪を割る時間がなかなか作れないと思い……泣く泣く諦めました。でも、吹き抜けはやってみたかったのと、家が広く見えるというのもあって。

2階からもリビングが見えるようなデザイン。家を建てるにあたり、ここもこだわったそう
2階からもリビングが見えるようなデザイン。家を建てるにあたり、ここもこだわったそう

DIYで拡張され続けるアソビ空間

――クライミングウォールは自作ですか?

はい。もともと作るつもりはなかったんですけど、クライミングジムに行ってみたらおもしろくて。でも、なかなか通う時間が作れないし、だったら吹き抜けの高さを利用しようじゃないかと。まだ発展途上で、上の方にツリーハウスみたいな隠れ部屋があったらいいなと、画策中です。

ウォールにはこどもたちが作った課題がたくさん。天然の石や木片を取り入れているところもユニーク
ウォールにはこどもたちが作った課題がたくさん。天然の石や木片を取り入れているところもユニーク

――DIYがお好き?

ギターをつくる学校に通っていたので、木工が得意だったんです。東京にいた頃はツアーを組んで回るくらい真剣にバンド活動をしていたんです。でも、事情があってバンドを辞めて地元に帰り、家を建てたのを機に音楽ができない悶々としたエネルギーがモノを作る方向に向いていきました。 僕にとってモチベーションの行きどころがDIYだったんだと思います。

楽器(カリンバ)も宮澤さんのお手製! とても心地のいい音色でした
楽器(カリンバ)も宮澤さんのお手製! とても心地のいい音色でした

――最初にDIYしたところはどこですか?

庭のピザ釜ですね。庭のDIYは、家が建つ前からやっていたんです。庭に石がゴロゴロと転がっていたので、その石を積むところから(笑)

ピザ釜の土台として、庭にあった石を再利用。不揃いな感じがまたカッコイイ!
ピザ釜の土台として、庭にあった石を再利用。不揃いな感じがまたカッコイイ!

DIY好きが高じて、日曜大工マカジンの「ドゥーパ!」から取材を受けたこともあるそう
DIY好きが高じて、日曜大工マカジンの「ドゥーパ!」から取材を受けたこともあるそう

――ピザ釜を作ろうと思ったキッカケは?

東京にいた頃、実家がうなぎ屋だったので料理の仕事をしようと思って、イタリアンレストランで働いたことがあったんです。そのあと和食や創作料理もやったんですけど、料理としていちばん好きだったのがイタリアンで。「60歳くらいになったらピザ釜でも」と思っていたんですが、本を買ったらすぐに作りたくなっちゃって、やり出したらもう止まらなくなり(笑)。出勤前にちょっとずつ、塵も積もれば的な感じで作業しました。

トマトソースは自宅の畑で採れたトマトを使って、奥さんが手作り。う~ん、とっても美味!
トマトソースは自宅の畑で採れたトマトを使って、奥さんが手作り。う~ん、とっても美味!

――それにしても広いお庭ですね! レイアウトはどのように?

木を切りながら、なんとなく、です。庭用の設計図は作らず、作業しながらその場で考えていきました。ピザ釜からどんどん派生していった感じですね。毎年、会社の仲間たちと庭でパーティーをするんですが、去年は50人くらい集まって。さすがに50人分のピザを焼くのは大変でした(笑)

庭の奥にはスケートボード用のランプも。もちろんこれも自作!
庭の奥にはスケートボード用のランプも。もちろんこれも自作!

――50人!? でも、これだけのスペースがあれば呼べちゃいますよね。

「友人たちが来たくなるような家にしたいね」という思いも家の設計段階からあったので、人がわーって集まってきて、子どもは子ども、大人は大人で、それぞれが好きなことをやっている光景を眺められるのがとても嬉しいです。家の中にいても、庭にいても、全体を見渡せられる空間にできたので、その点もすごく気に入っています。

愛犬のルークも広々としたお庭で気持ちよさそう
愛犬のルークも広々としたお庭で気持ちよさそう

アウトドア道具は、季節ごとに収納場所をローテーションさせる

――アウトドアアイテムの収納はどうしていますか?

おもに玄関横の収納棚、2階のクローゼット、庭の物置きに、それぞれ使用頻度とカテゴリーごとに分けて入れています。土足で出し入れできる場所を多く作りたかったので、玄関に収納スペースを作りました。

スケートボードやスノーボードの収納には「ギターハンガー」が大活躍。600円ほどで手に入るそう
スケートボードやスノーボードの収納には「ギターハンガー」が大活躍。600円ほどで手に入るそう

――収納にルールはありますか?

たとえば、持ち出しやすい玄関には、使用頻度の高いランタンやダッチオーブン、冬ならスノーボードの板やブーツを。年に1、2回使用のものはクローゼットや物置きにしまって、その季節ごとにローテーションするようにしています。

それと、暖房器具の近くに設置したハンガーレールも便利で。濡れたジャケットやグローブなんかはここに掛けておくとすぐに乾くので、とても重宝しています。

ハンガーレールはイケアで購入したものだそう
ハンガーレールはイケアで購入したものだそう

――とくに気に入っているアウトドアアイテムはありますか?

「BIALETTI (ビアレッティ)」のエスプレッソメーカーと、「COGHLANS(コフラン)」のホットサンドメーカーです。どちらも直火で使えるので、焚き火好きの僕たちにはとても便利。山にもよく持って行きます。

――なかなかかさばるアイテムだと思いますが、そこにこだわる理由とは?

サービス業という職業柄、連泊してがっつり登ることができないので、その分、限られた時間を思い切り楽しみたい。なので、できる限り現地で料理したおいしいごはんを山で食べるようにしています。

ローストビーフを挟んだホットサンドがお気に入りとのこと(写真/宮澤さん提供)
ローストビーフを挟んだホットサンドがお気に入りとのこと(写真/宮澤さん提供)

――最後に、今後やってみたいことがあれば教えてください。

友人たちが遊びに来たときに宿泊できるツリーハウスを庭に建てたいと思っています! じつを言うと、すでに穴だけは掘ってあって、今春にでも本格的にスタートする予定です。考えただけでもワクワクします!

* * *

庭にファイヤープレイスを作って焚き火をしたり、仕事や子育ての合間に近くの山へ出かけたり、プライベートウォールでクライミングを楽しんだり。宮澤さんの暮らしには、日常とアウトドアがうまく溶け込んでいて、たとえそれが少しずつであっても、“好きなことを全力で楽しんでいる”、そんなことを感じました。

仕事柄、「なかなか遠出ができなかったり、友人たちとの休日が合わなかったりするので……」と話していた宮澤さん。遠くに出かけられなくても、居心地のいいこの住まいを拠点に、これからも多くの人たちが引き寄せられてくることでしょう。本日はありがとうございました!

(写真/茂田羽生)

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