この感動を、自分だけでなく多くの人に届けたい。

山に登っていて、そう感じたことはありますか?

目の前に広がる感動的な景色、それを記憶のみならず記録に残したいとカメラを片手に足を止めてはシャッターを切る。そんな登山シーンが当たり前になっていますが、それを一つの部活動として各SNSに動画として届け続けている人物がいます。

この「ひとり登山部LOG」の動画を撮影・編集するのは丹野直人さん。単独山行の記録を中心に美しい動画におさめています。その数100本超え。

写真よりも何倍も手間のかかる動画。しかもクオリティもどんどん高めている丹野さんを山行動画へと突き動かすものは何なのでしょうか?実際に丹野さんお気に入りの東京都・草戸山山行にお邪魔して、お話をうかがってきました。

唯一の趣味として、カメラ機材には投資を惜しまない

平日はウェブ系の仕事をしているという丹野さん。もともとカメラマンやビデオグラファーの仕事をしていたというわけではなく、山に登りはじめた最初の1年は写真にハマり、その後、アクションカムで動画を撮りはじめたんだそうです。

「それまでカメラなんてまったくやってなかったので、写真も動画も編集もすべて独学です。カメラ機材にはこれまでかなり投資してきたと思います(笑)。最初の方の動画なんて初々しくて見せられないですよ。撮っていくうちに『もっとこうしたらいいな』って思うようになって機材が増えていった感じです」


▲ SONYのアクションカム「HDR-AS1000V」で撮影した、記念すべき1本目の動画

クオリティの高い動画を撮ろうとすると、ボディもレンズも、そして最近では手ブレしないスタビライザーなど、いずれも高額な機材に手を出すことになります。しかも、そのカメラ機材を使うのは山と友人の猫を撮る時くらいだと言うから驚きです。

「休日しか使わないとはいえ、前までは毎週のように山を登っていましたし、他に熱を入れる趣味もなかったので投資してもいいかなと思ってます。山道具自体は、一度揃えてからはあまり買い足してないんですよね、ほとんどカメラ機材です」

「山の何がいいのか知りたくて登ってた」

山を登りはじめたのは、2013年。山好きの友達がやたらとおすすめしてきたものの、当初は全く興味を示さなかったそう。けれども、ある日突然行ってみようかなと道具を一式を揃え、ひとりで山へ。

「初めて登ったのは、丹沢の塔ノ岳です。その友達は遠くに住んでいて、他の周りの友達で山登りする人がいなかったので、自分ひとりで登ったんですよね。なんであんなに山へ駆り立てられたのかは……今でも不思議に思います」

「山の何がいいのか知りたくて登ってた」|「言葉にできない山の魅力を動画で伝える。『ひとり登山部LOG』的、山の楽しみ方」の2枚目の画像
「山の何がいいのか知りたくて登ってた」|「言葉にできない山の魅力を動画で伝える。『ひとり登山部LOG』的、山の楽しみ方」の3枚目の画像

それ以降も毎週のように山を登るようになったという丹野さん。ただ、初登山で何か強烈なものを感じたわけではなかったそうです。

「山っていいよ、って言ってくれる人はいるけれど、”何がいいのか”というのは誰も教えてくれなかったんですよね。”登ればわかるよ”という感じで。だから、はじめのうちは何がいいのか知りたくて登ってたんです。

そうやって2〜3年登っているうちに、なんとなく周りが言ってることが理解できてきて。本当に”何がいい”ってわけじゃないんですよね、説明はできない感覚的な魅力が山にはあって

「山の何がいいのか知りたくて登ってた」|「言葉にできない山の魅力を動画で伝える。『ひとり登山部LOG』的、山の楽しみ方」の5枚目の画像

大絶景を見に山に登っているわけではない

丹野さんのこれまでの動画を見ていると、標高が高く大絶景を見ることができる山ではなく、比較的低山が中心であることに気づきます。

「メジャーで標高が高い山でいうと八ヶ岳に一度登ったくらいですね。高い山に登ってみたいという興味はありますけど、都内からだとアクセスが大変じゃないですか。そういう山よりも、フラッと行けて楽しめる山の方が好きなんですよね。登った後は早く家に帰ってゆっくり休みたいですし(笑)」

大絶景を見に山に登っているわけではない|「言葉にできない山の魅力を動画で伝える。『ひとり登山部LOG』的、山の楽しみ方」の2枚目の画像

そのように語る丹野さんにとって、山の魅力を決して大絶景とは捉えていないようです。

山っていいなぁと思ったことのひとつに、”静けさ”というのはありますね。自然の中、シーンとしていて、自分だけがそこに存在している感じ。自分の歩く音と風や木々が揺れる音しか聞こえてこない世界はすごく好きです」

静けさを求めた時、仮に休日だとしたらむしろ標高が高くメジャーな山の方が人が多いこともあるでしょう。そういう意味でも、高い山自体にすごく魅力を感じるわけではない、ということがうかがえます。

大絶景を見に山に登っているわけではない|「言葉にできない山の魅力を動画で伝える。『ひとり登山部LOG』的、山の楽しみ方」の4枚目の画像

「高い山ではなくても、街中の平地を歩くより起伏があって楽しいですし、あとは低山だと人の手が届いているので植林も自然林もどちらもあるんですよね。それがおもしろかったりします」

好きな被写体も、絶景をベースにしていない。山にたくさん生えている不思議な植物を撮ったり、ピーカンの青空の下の景色よりもガスっている景色の方が好きなんだそうです。確かに、丹野さんの動画内には植物に寄ったシーンを確認することができます。

大絶景を見に山に登っているわけではない|「言葉にできない山の魅力を動画で伝える。『ひとり登山部LOG』的、山の楽しみ方」の6枚目の画像

たまたまの瞬間ではなく、その山に流れる空気感を伝えたい

instagramを見ていると綺麗な写真も撮っている丹野さん。写真でも十分に山の魅力を伝えられるのになぜ動画を作っているのでしょうか?

「写真だとどうしても嘘っぽいというか、たまたま撮れた瞬間なんですよね。でも山の中では自分が歩いていて、草木が風で揺れていて。そういう山の空気感を伝えられるのは映像なんです。加えて、僕の場合は音楽もこだわっていて、その山で感じた空気感、つまりは撮影した動画から感じられる雰囲気を音楽でさらに高めるようにしてるんです。そうやって、現場で感じた空気感を見ている人に届けられたらいいなぁと思います」


▲取材時の草戸山山行の動画。翌日には編集して公開してしまうスピード感に驚きだ

周りの友人も自身も感じた”感覚的な山の良さ”が少しでも伝わる手法が動画、ということなのかもしれません。実際、丹野さんが撮った動画で「この山に登りたい」「登ったことはあるけれど、新しい魅力に気付かされた」と思われた方もきっと多いでしょう。

たまたまの瞬間ではなく、その山に流れる空気感を伝えたい|「言葉にできない山の魅力を動画で伝える。『ひとり登山部LOG』的、山の楽しみ方」の2枚目の画像

時にはゲストも迎えて、複数人で登山をする動画もアップしている「ひとり登山部LOG」。ぜひそれぞれの山の持つ空気感を動画で感じてみてくださいね。登ったことのある山でも、新しい発見があるかもしれませんよ。

・Youtube:
https://www.youtube.com/user/solohikingLOG

・Instagram:
https://www.instagram.com/naoto_tanno/

この記事を書いた人

.HYAKKEI編集長 羽田裕明

気になったスポットや情報は足を運んで体験・取材し皆様にお届けします。こんなコンテンツが欲しいなどのご要望やご意見、お待ちしておりますのでお気軽にお問い合わせください!

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