カテゴリ: 暮らし


こんにちは!.HYAKKEIライターの弥山ひかりです。
アウトドアを通して自然と触れ合ううちに、だんだんと好きなスタイルが変化していった経験はありませんか? ファッションやヘアスタイルがナチュラル志向に、休日は飲み会よりもキャンプ、出会いは合コンより野外フェス!なんて人もいるかもしれませんね。

そして、自然の心地良さに惹かれていくうちに、これまでガチガチの都市型だった価値観がふんわりとゆるくなり、「いつか、こんな自然のあるところで暮らしたい…」と思うようになるもの。

筆者も、会社員を辞めた20代半ばから、「果たしてこのまま都市の中で生活していけるのか」という不安と、緑ある環境で子育てをしていく夢を漠然と描きながら、気の向くまま旅をしてきました。

今回は、そんな旅の途中で出会った、東京→屋久島へ母子のみ一足先に移住した、とある家族のお話をお届けします。島のリアルな生活から、離れて暮らす家族の“遠隔コミュニケーション”、気になる移住のママ友事情(!?)まで、図々しく聞いちゃいました!

プロフィール:
ヨガ・インストラクター、国本ミキさん。屋久島のヨガスタジオ 「Ananda Chillage」主宰。一児の母。

移住スタイル:
3人家族のうち、ミキさんと娘さん(6歳)は屋久島、ご主人は東京の二拠点移住。



ーー初めてお会いしたのは、屋久島でまだミキさんがお子さんを抱えて移住したばかりのころでした。すでに地域に溶け込んで、楽しそうな姿が印象的だったんです。あれから3年近く経ちますが、現在はヨガインストラクターとして活躍されているんですね。


ミキさん(以下、敬称略):2015年秋にヨガスタジオが完成して、本格的にクラスをスタートさせました。教室には移住組の女性も多く来てくれるので、ちょっとしたコミュニティができつつありますね。

ーー屋久島でヨガのインストラクターをやるビジョンは、移住前からあったんですか?

夫が舵を取り、妻が切り開く


ミキ:そうですね。ただ、移住を考えていたのは夫の方なんですよ。結婚当初からずっと、「将来は離島に住む」と決めていました。当時私はショップスタッフだったので、「移住するためには手に職をつけた方がいいよ」といわれて、それなら自分が好きなことをやりたいなって。

32歳で結婚してから娘が生まれるまでの3年間は、もともと好きだったヨガをインドで学び、夫の勧めでマクロビオティックやフードコーディネートの資格も取りました。あれこれ調べて「マクロビ料理を食べてみたい」、「この教室に通ったら?」と勧めてくれるんですよ。夫のプロデュースに私が楽しく乗っかる、という感じですね。国本家的には先行投資でもありました(笑)。

昔はファストフードやお肉も食べていたし、アウトドアにすごく興味があったわけではないんですが、夫の興味の赴くまま誘いのままにやってみると、キャンプも登山もローフードも何でも楽しかったんです。次第にライフスタイルも変化していきましたね。


ーー現時点では母子のみの移住なので、てっきりミキさんが強く移住を希望したのだと思っていました。数ある離島の中で、ご主人が屋久島を選んだ理由は何だったんですか?


ミキ:夫も私も沖縄が好きだったんですが、登山が好きな夫にとっては山岳島である屋久島の方が魅力的だったようです。それに屋久島は水が豊富なので、先々で水問題が起こった時のことを考えると心強い環境。雇用についても、屋久島は世界自然遺産なので、グローバルに開かれた観光地であることも重要なポイントでした。万が一、有事の時に島から出られなくなっても、ある程度自給できる環境なのが大きかったようです。


ーーご主人は、どちらかといえば将来起こり得るリスクを見据えた上で、屋久島を選んだ部分も大きいのですね。


ミキ:もともと夫の友人のアーティスト夫妻が屋久島で「しずくギャラリー」を営んでいて、遊びに来たことがありました。家族で屋久島を訪れて、強く惹かれたのが一番の理由ですね。「ここに移住したい!」と思いました。

その時、ベジタリアン向けの料理を提供してくれる「モスオーシャンハウス」に宿泊したんですが、料理が本当においしくて!スタッフとも仲良くなり、少し経ってから「移住したいと思っているならここで働かない?」と声をかけてもらったんです。それを夫が、「行っておいで」と後押ししてくれました。


ーー移住の最大の難関は“雇用”といいますが、移住する前に仕事を決めることができたんですね。


ミキ:とても恵まれていましたね。でも夫婦にとって一番のきっかけは、やはり子育ての環境でした。私は当時、都内や鎌倉などでマクロビ料理教室をやっていたのですが、2011年に東日本大震災が起きて、このまま東京で子育てをしていくことに不安を覚えたんです。そんな時、屋久島に出会いました。

ーー現在、ご主人は東京にいるとのことですが、ご家族全員で移住しなかったのはなぜですか?


ミキ:もし島の生活が合わなかった時のことを考えると、家族全員で一度に移住するのはリスクが大きい。なので、夫が東京の会社で働きながら仕送りできる状態で、私と娘は先に移住して島のコミュニティに溶け込み、地盤固めをしておく。生活の基盤が整ってお金や雇用面での見通しが立ったころ、夫も屋久島にくるという、国本家プラン(笑)ですね。


ーーご主人が先を見据えて一家の方針を決め、ミキさんが実行していく感じですね!確かに、移住先で最もスムーズにコミュニティに溶け込むには、地域の子育ての輪に入っていくことが近道だと、これまで移住者の話を聞いていても感じます。ですが、個人的には移住のママ友事情がとても気になります。

屋久島の子育ての輪と、本音のトコロ

ミキ:屋久島では、誰のお子さんでもだいたい知り合いになるので、仲良くなりやすいんですよ。東京にいた時も幼児スクールに通わせたことはありますが、いつも知らない人ばかりでしたから。


ーーそれがかえって不安に感じるんです。都会のように人口が多い方が、人間関係が固まらない分、付き合いが選べて楽なのかなと思うのですが。


ミキ:なるほど…。うーん、あまり苦手な人は思い浮かばないですね。恵まれているのかな。屋久島の移住者って、自然食やヨガが好きな人がすごく多いんですよ。なので、自然と趣味趣向も合うから話がしやすいですね。


ーー確かに、屋久島は移住者が多いので、ほどよい距離感で付き合える環境がある程度整っているようにも見えます。実際、住んでみてどうですか?

ミキ:水もおいしいし、温泉もあって人も優しいですね。無人市もたくさんあるから野菜が安いし、近所の人が分けてくれるので助かります。もちろん、離島なので台風が来るとスーパーの品物がすっからかん、なんてこともあるし、何でも送料がかかります。ガソリン代は高いし、野菜以外の食材は価格競争がない分、割高です。でも都会にいる時ほどお金を使わなくて済みますね。細かく消費する場所がないので。

ただ、不動産が少ないので、案外すぐ住める家が見つかりにくいんですよ。私も娘を連れて家を探しに来た時は、どこにかけても「ない」っていわれ続けました。やっと見つけたアパートは、家賃が5万円くらいで実は東京の郊外と変わらない。


ーー島の生活で、ストレスが溜まることはないですか?


ミキ:毎日ヨガをしているから、色々なことを客観的に見られるのかもしれません。精神的にも穏やかになれるし、知らないうちに溜まったストレスは日々解消されていると思います。あとは、屋久島の森に行けばすぐに元気が出ますね。白谷雲水峡が大好きで、今月も3回くらい行きました。

夫のマメさが肝? 家族の遠隔コミュニケーション!

ーー移住してからはご主人と離ればなれの生活ですが、どれくらい行き来しているんですか?


ミキ:夫は月に1回、屋久島へ来るんですよ。東京—鹿児島—屋久島間を飛行機で乗り継ぐので、マイルが貯まるとはいえその出費は大きいです。鹿児島からはフェリーも出ていますが、安い分どうしても時間がかかるので…。移動に時間を取られて、貴重な家族の時間を減らすのはもったいないですから。

あと、本当にマメな人なので(笑)毎晩21時前ごろに必ずFaceTime(iPhoneのビデオ通話機能)をかけてくれるんです。娘と「そろそろパパからかかってくるから、歯磨きしちゃおう」なんて話しているうちに、プルル〜♪って。結婚前に2年間、遠距離恋愛をしていた時期があるんですが、当時から本当にマメでした。夫のマメさに、国本家は支えられているような気がします(笑)。


ーーそれを聞くと、お子さんにとっては家にずっといて仕事のことばかり考えているお父さんの姿を見るよりも、遠くても会いに来てくれたり、毎晩電話をかけたりしてくれることによって、「パパは私に意識が向いてる」という実感が湧くような気がします。実際、寂しがったりはしないですか?

ミキ:どう思っているんでしょうね。割とママっ子なのかな。でも口には出さなくても、寂しいと思っているのかもしれませんね。その分、年末年始を挟んだ2ヶ月間は家族で過ごします。海外旅行に行ったり東京に滞在したり、お互いの実家に帰省したりしています。私も時々寂しくなりますが、娘がいてくれるのが大きいです。それに離れている時間の分、一緒にいる時間が嬉しい。離れていても同じ未来を見ているわけですから、頑張れるんだと思います。


ーー家族みんなで屋久島で生活できる日が楽しみですね!お話をありがとうございました。

あとがき


このあと、ミキさんのお誘いでお子さんと3人で平内海中温泉へ行きました。海際に湧く天然の岩風呂で、干潮時のみ入れる温泉です。

湯浴み着を着て入る混浴風呂なので、夕暮れ時、温泉にはお子さん連れのお母さんや、お父さんの姿もありました。娘さんは友達とはしゃぎながら大きな岩の影へ消えていき、海に潜って遊んでいました。ミキさんはお湯に浸かりながら、ママ友と旬の野菜を使った料理のレシピについておしゃべり。誰かのお母さんが誰かの子どもを見守って、声をかけたり注意をしてみたり。

真っ赤に染まる海を背に、屋久島の子育ての一端を垣間見た夕暮れでした。

この記事を書いた人

弥山 ひかり

ライター。アウトドア誌、評論誌等で執筆。北アルプスの山小屋に勤務、のち3ヶ月かけて屋久島中のトレイルを練り歩く。最近は島登山にハマっています。

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弥山 ひかり

麓の神社で参拝してから、山頂を目指すのが好きです☆

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