素材、質感、雰囲気にこだわった木工製品を中心に展開している「シエルブルー」。
最近では、国内のみならず海外のファンも多く、問い合わせが増えているという。

どこかぬくもりがあって、優しい存在のテーブルやチェアー。

そんな製品たちは一体どうやって生まれているのか?
今回、シエルブルーのアトリエにお邪魔して、根掘り葉掘りイロイロとお話を伺ってきました。

「青空の下でキャンプしたいよね」という想いから名付けた「シエルブルー」。家でもキャンプでも使えるモノを作りたい。

 「青空の下でキャンプしたいよね」という想いから名付けた「シエルブルー」。家でもキャンプでも使えるモノを作りたい。|「家でもキャンプでも使えるモノを。夫婦2人で生み出す「シエルブルー」の、ぬくもりあるモノづくりの物語」の1枚目の画像

―― イキナリですが、業界内で茨木さんは「ワカ」さん、奥さまの実加さんは「アネゴ」さんと呼ばれていますよね。今回もそんな風にお呼びしてもいいですか? それと、どうしてそのような呼び名がついたんですか?


もちろん。ちなみにその呼び名がついた経緯は話すと長くなるので、ここでは割愛で(笑)



―― ところで、「シエルブルー」は、いつどんな風にして誕生したのでしょうか?


「よし、木工製品のオリジナルブランドを作ろう!」といった風に始めたわけではないんですよ。立ち上げまでには、仲のいいキャンプ仲間との出会いが大きく関わっていて。

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―― えっ、そうだったんですか。それはどんな出会いだったんですか?



現在の拠点である埼玉県に引っ越す前までは、岡山県倉敷市にいました。僕たち夫婦の地元です。

当時は、アメリカから買い付けてきたスニーカーや古着、雑貨、その後にはストリートブランドなどを販売するセレクトショップを経営したり、アメ車の販売とメカニックを自営していたりしていました。そんな中、アネゴのお姉さん夫婦の影響でキャンプの楽しさを知ったんですよ。



姉夫婦が大のキャンパーだったんです。

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それからキャンプ仲間がどんどん増えていって。その仲間のひとりがキャンプ用テーブルを作るって事で、アネゴの実家工場の工作機械を借りて加工をお手伝いしたんですよ。

その後に、昔から腰が悪かったのもあり「じゃあイスでも作ってみようかな」と思ったんです。仲間と集まる度に、「こんなテーブルあったらいいよね」とか、「今度はこんなの作ってみたんだけど、どう?」って感じで、自作のイスやテーブルを披露していました。

―― そういう集い、とっても楽しそうですね!


それが7、8年くらい前、2008年頃ですね。そんな中、ある女子キャンパーユニットとの出会いもあり、まわりの仲間たちから「これ売れるよ!」「わたしにも売ってほしい」と言われるようになって。

で、身近なキャンプ仲間や、口コミで広まっていって、少しずつですが、販売するようになったんです。一般の方向けに売り始めたのは、2010年の秋くらいですね。ホームページを立ち上げて。なので、今年で6年目になります。


まさかこれが本業になるとは、思ってもみませんでした。



―― すごい! もともとそういった才能があったということですよね。設計したり、木材を加工したりする技術は持っていたのでしょうか?


10代後半から東京で仕事をしていて、当時は珍しかったカーオーディオのスピーカーボードや、アンプボード、ウーファーボックスを車に合わせて木製で作って、皮や布を貼って取り付けるという仕事をしていました。

休みの時や夜には、大工の先輩の手伝いで大工仕事を一通り覚えて。でも図面を引いたりは出来ないので、シエルブルーの製品にはこれといった図面がないんです。

僕が思い浮かんだイメージを何となくサンプルで作りつつ、イラスト上手なアネゴに伝えてそれを絵におこしてもらって、製品を煮詰めていくといった感じかな。

―― シエルブルーの製品は、1点1点がすべて夫婦2人による手づくりですよね。となると、アネゴさんも木工経験があったのでしょうか?


実家が工場をやっていますが、わたしはほとんど経験なくて。

流れとしては、まず製品のコンセプトは2人で考え、彼が作ったサンプルをわたしがチェックして、変更を加えたりして。最終的に仕様が決まったら、工程を彼に教わりながら一緒に作っています。

もちろん、危ない作業はやらせないですよ。



―― なるほど、まさに2人3脚ですね。製品にはどのような木材を使っているんですか?



テーブルやチェアーは、長く使用しても傷つきにくく、耐久性に富んだホワイトアッシュ材をメインに使用しています。

ホワイトアッシュ材は野球のバット、ボートのオール、ギターにも使われる素材として知られていて、硬さと撓りのバランスが非常に良い木材なんです。地元、岡山県の木材屋さんから今でも送ってもらってます。



―― もしかして、付属の収納袋も……


そう!「倉敷帆布」です。昔から倉敷帆布さんと付き合いがあったのもありますが、帆布は丈夫で、使えば使うほど味が出るから。


―― それって、シエルブルーの製品にまさにぴったりの生地ですよね。使っていくことで風合いが増すというか。いろいろなところで、ワカさんご夫婦と製品がリンクしていますよね。そういった想いって、なんだか素敵です。


自分たちと一緒に、テーブルやチェアーも歳をとっていってほしいですからね。



―― 収納袋も手づくりですか?


はい、そうです。最初はアネゴが縫製していましたが、忙しくなり手が回らなくなってきてからは、近くに住むキャンプ仲間にお願いをして、1点1点縫ってもらっています。

今も、この先も、変わらないこと。それは、工場に頼らず、製品のクオリティーを下げないこと。


―― 現在の納期は、オーダーからおよそ2か月待ちと聞いています。着々とシエルブルーファンが増え、それに伴いオーダーもかなり増えていると思うのですが、人数を増やしたりするなどして規模を大きくする、という手段はとらないのでしょうか?



誰かに任せると、その人の「個性」や「性格」が仕上がりに大きく出ます。木の削り具合や、カドの残し方、表面のツルツル感……。無論、工場任せにしたら、想いの入っていない無機質な製品になってしまう。

試しに外注に出してみたこともあるんですよ。たまたま残念な工場だったんだと思いますが、でも我々からしてみたら、正直「なんじゃこれ!」っていうような仕上がりで。

シエルブルーの製品は、ぬくもりを大事にしています。野外だけじゃなく、家の中でも日常的に使ってほしい。そうなると、カドの処理が甘かったり、表面が毛羽立っていたりしたら危ないし、心地良くないじゃないですか。

 今も、この先も、変わらないこと。それは、工場に頼らず、製品のクオリティーを下げないこと。|「家でもキャンプでも使えるモノを。夫婦2人で生み出す「シエルブルー」の、ぬくもりあるモノづくりの物語」の3枚目の画像


―― 確かにそうですね。想いの込もった製品って、暮らしのなかでもついそばに置いておきたくなる気がします。



これから先も、このクオリティーをキープしていきたいので、できる限りこの場所を基本でやりたいと思っています。

言ってしまえば、僕たちにとって製品は自分の子どもみたいな存在なんですよね。だから他人に任せず、手元に置いておきたいというか、目の届くところに置いておきたいというか。

いずれシエルブルーを辞める日が来たとしても、自分が生きているうちはメンテナンスを受けたいとも考えています。それが「モノづくり」をするっていうことなんじゃないかなって。


―― 最近では、さまざまなメーカーとコラボレーションもしていますよね。アウトドアメーカーの「SOTO」とコラボした、100台限定の「ワンアクションミニテーブル」も話題になりましたし。どういった経緯でコラボ製品が生まれるのでしょうか?



メーカーさんと仲良くなって、実現することが多いですね。2人だからフレキシブルに、また小ロットにも対応できますし。

じつはここだけの話、また新たなコラボも近いうちに予定しているんです。詳しいことはまだナイショですが、ぜひお楽しみに! この春には新製品もいくつか出ますよ。



―― 発表が待ち遠しいです!
ところで話は変わりますが、今日はアトリエ兼ショールームにお邪魔しているんですが、とても素敵な空間ですね。これもすべてお2人でリノベーションされてるとか。


そうなんです。アトリエの外観は、この取材の直前に完成したばかりです。

 今も、この先も、変わらないこと。それは、工場に頼らず、製品のクオリティーを下げないこと。|「家でもキャンプでも使えるモノを。夫婦2人で生み出す「シエルブルー」の、ぬくもりあるモノづくりの物語」の12枚目の画像
 今も、この先も、変わらないこと。それは、工場に頼らず、製品のクオリティーを下げないこと。|「家でもキャンプでも使えるモノを。夫婦2人で生み出す「シエルブルー」の、ぬくもりあるモノづくりの物語」の13枚目の画像


―― この家屋はもともと昔ながらのふとん屋さんだったと聞いて、とても驚きました。どんな風にリノベーションのアイデアが浮かんでくるんですか? わたしの家もぜひ手掛けてほしいくらいです!(笑)



家にあるものや、リノベーションして出た廃材、もらった廃材などを再利用しているので、そこからインスピレーションを得ていますね。

アトリエの仕切りガラスは、ふとん屋さんが使っていて残っていたものです。この扉の取手は、修理できなくて使えなくなった某メーカーのハンマーを(笑)

 今も、この先も、変わらないこと。それは、工場に頼らず、製品のクオリティーを下げないこと。|「家でもキャンプでも使えるモノを。夫婦2人で生み出す「シエルブルー」の、ぬくもりあるモノづくりの物語」の16枚目の画像



―― センスが秀逸です! 随所に遊びゴコロを感じるというか。ワカさんご夫婦もいろいろなアウトドアをやられているんですよね?


キャンプやカヤック、山歩きもやりますね。昔はサーフィンやスノーボード、スケボーも頑張っていました。



―― 趣味の数だけモノも多くなると思うんですが、ギアの収納ってどうしてますか?



じつは、壁に見せかけたベニヤ板をスライドさせると…


 今も、この先も、変わらないこと。それは、工場に頼らず、製品のクオリティーを下げないこと。|「家でもキャンプでも使えるモノを。夫婦2人で生み出す「シエルブルー」の、ぬくもりあるモノづくりの物語」の21枚目の画像


よく使う道具(大きなもの以外)はこの中に収納しています。



―― すごい!!まるで魔法のトビラですね。眺めているだけで、なんだかソワソワしちゃいます…。ちなみに、愛用しているお気に入りの製品を1点教えてください。



このディレクターズチェアーかなぁ。すべてネジ止めの設計なので、緩んでいてもレンチ1本あればその場で簡単に直せる特徴があります。

ちなみに、カモ柄のモデルは5周年の限定バージョンです!

―― 最後に、今後の展望をお聞きしてもよろしいでしょうか?



製品づくりだけに縛られず、活動の視野を広げていきたいですね。

例えば、メディアに向けたキャンプサイトコーディネートやプロデュースなども面白そうだなと思っています。実際、アウトドアイベントなどの空間コーディネートを時々することもあるので、もう少し力を入れていきたい。こういったアウトドアの空間を、もっと多くのひとに知ってもらいたいですね。

 今も、この先も、変わらないこと。それは、工場に頼らず、製品のクオリティーを下げないこと。|「家でもキャンプでも使えるモノを。夫婦2人で生み出す「シエルブルー」の、ぬくもりあるモノづくりの物語」の28枚目の画像

 今も、この先も、変わらないこと。それは、工場に頼らず、製品のクオリティーを下げないこと。|「家でもキャンプでも使えるモノを。夫婦2人で生み出す「シエルブルー」の、ぬくもりあるモノづくりの物語」の30枚目の画像

2人の手元を離れた製品には、製作者の「想い」と「ねがい」が託されている。
日々の暮らしのなかにも自然と溶け込み、ときに安らぎや、ぬくもりを感じさせてくれる「シエルブルー」。

今後の展開にも目が離せません!

*Ciel Bleu シエルブルー
http://www.cielbleu-at.com/(オンラインショップあり)


聞き手:山畑理絵(ライター)

この記事を書いた人

山畑 理絵

音楽プロダクションの制作、アウトドアショップの販売員を経てライターになる。のんびり日帰りハイクからガッツリテント泊縦走、トレイルランニング、ボルダリング、スキーと四季を通してフィールド三昧。アウトドア媒体をメインにライター活動をする傍ら、アロマテラピーインストラクターとして「山とアロマ」をテーマに、神出鬼没なワークショップを展開中。

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山畑 理絵

春夏秋冬、日本の美しい山を求めて歩きまわっています。

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