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  • 登山好きが贈る、登山の体験レポートです。日本、そして世界の山々にはたくさんの魅力にあふれています。春夏秋冬、その時々で異なる顔を見せてくれる素敵な山がたくさんあります。まさに百景。.HYAKKEIでは、そんな山に実際に登り、五感で楽しんだ自然体験記をお届けします。きっと山に登りたくなりますよ!
#【Vol.30 八ヶ岳】赤岳・横岳・硫黄岳の縦走路を徹底レポート/バン旅百名山

【Vol.30 八ヶ岳】赤岳・横岳・硫黄岳の縦走路を徹底レポート/バン旅百名山

バンライフをしながら、1年以内に日本百名山制覇を目指す2人の大学生の企画。今回の登山先は山梨県と長野県の間、南北30kmにわたる山塊「八ヶ岳」。八ヶ岳主峰の赤岳をはじめ、横岳、硫黄岳を日帰り縦走を実際にレポートし、豊富な登山コースの紹介、周辺情報などをご紹介していきます!

八ヶ岳の最高峰の特徴は?

八ヶ岳の最高峰の特徴は?

八ヶ岳は山の名称ではなく、南北に連なる山塊を指します。そんな標高2000m超えの山々が南北30kmも続く八ヶ岳の最高峰が赤岳(標高2899m)です。赤岳は、樹林帯、鎖場、岩場など初心者の方から上級者の方までさまざまなレベルに合わせて登ることができます。山のバラエティーは富んでいますが事故も多数起きているため、しっかりとした装備で向かい、登山に慣れていない方はベテランの方と一緒に登山することをおすすめします。

赤岳を登る豊富なコースをご紹介!

赤岳をゆっくり1泊2日コースで|美濃戸~赤岳往復コース

赤岳をゆっくり1泊2日コースで|美濃戸~赤岳往復コース

こちらのコースははしごや鎖場、岩場など急登の場所もいくつかありますが、山荘で1泊する予定を立てればゆっくり登山することが可能です。行者小屋の山荘で一夜を過ごしたり、テントで自然に囲まれながら休んだり、次の日に登る赤岳を見上げながら準備ができます。急登のある場所では階段などもあり、休日の混雑時には譲り合いながら慎重に登っていきましょう。
また余裕のある方は、赤岳の前に中岳、阿弥陀岳まで少し足を伸ばして挑戦してみるのもおすすめです。

赤岳から硫黄岳まで縦走で登り詰める|赤岳~横岳~硫黄岳縦走コース

赤岳から硫黄岳まで縦走で登り詰める|赤岳~横岳~硫黄岳縦走コース

こちらのコースは赤岳から硫黄岳までを縦走し、アップダウンの激しい道を進みます。はしごや鎖場、岩場はもちろん赤岳の切り立った山容だけでなく、火山の跡を感じられる硫黄岳まで八ヶ岳の山塊を一気に満喫することができます。きれいに周回で戻ってこられるため、次々と山のシーンの変化を楽しみながら登山することが可能です。初心者の方は日帰り登山は困難なため無理のない山行計画を立てましょう。

赤岳・横岳・硫黄岳の定番縦走路を徹底解説

ここからは実際にイケダとコスギの山行を写真とともにお届けします。八ヶ岳登山は数多くのコースがあり、日帰りから泊まりまで幅広く楽しめる山ですが、今回は赤岳・横岳・硫黄岳を日帰りで縦走した様子を実際にレポートしていきます。

駐車場はすべて有料!登山口からはコケの生える幻想的な世界

駐車場はすべて有料!登山口からはコケの生える幻想的な世界

今回は、美濃戸登山口から登り始め、赤岳・横岳・硫黄岳の順に縦走していきます。美濃戸登山口付近の駐車場はすべて有料(1000円)になっており、ピークシーズンは非常に混雑し、駐車できない可能性もありますので、早めに到着しておきましょう。

駐車場はすべて有料!登山口からはコケの生える幻想的な世界

駐車場から少し歩き、いよいよ八ヶ岳登山の始まりです。右手(南沢)は赤岳方面へ、左手(北沢)は硫黄岳方面へいくことができます。

駐車場はすべて有料!登山口からはコケの生える幻想的な世界

林道へ入るとそこはコケが生える神秘的な世界が広がっています。登山口から行者小屋までは比較的平坦な道が続くため、この神秘的な世界を思う存分楽しむことができます。

涸れ沢を歩き、宿泊もできる行者小屋へ

涸れ沢を歩き、宿泊もできる行者小屋へ

林道の中盤からは道幅が広い涸れ沢を進んでいきます。朝方は真正面から太陽が当たるため、サングラスや帽子などは必須です!

涸れ沢を歩き、宿泊もできる行者小屋へ

登山開始から1時間30分ほどで行者小屋に到着です。ここでは小屋泊・テント泊ができるほか、カレーなどの食事も取ることができます。私たちは日帰りですが、泊まりでゆっくりしたい方にはおすすめです。

宿泊料金:
・1泊2食 1万2000円
・夕食のみ 1万1500円
・朝食のみ 1万円
・素泊まり 9000円
・昼弁当 1000円
・テント夕食 2500円
・テント朝食 1000円

涸れ沢を歩き、宿泊もできる行者小屋へ

行者小屋からしばらく歩くと、阿弥陀岳と赤岳の分岐に差し掛かります。ここから右手に進むと阿弥陀岳へ、左手に進むと八ヶ岳主峰の赤岳へ向かうことができます。

階段状の急登で一気に稜線へ。ここからが正念場

階段状の急登で一気に稜線へ。ここからが正念場

先ほどの分岐から稜線までは急登を一気に登ります。しかしほとんどの道に階段が組まれており、安心して登ることができます。

階段状の急登で一気に稜線へ。ここからが正念場

かなりの勾配の階段を登り終わると一気に視界がひらけ、八ヶ岳の稜線を望むことができます。ここまでくると稜線まではもう一踏ん張りです。

階段状の急登で一気に稜線へ。ここからが正念場

視界がひらけているところでは八ヶ岳の美しい稜線を見ることができます。手前に見えるのが横岳、奥に見えるのが硫黄岳。

階段状の急登で一気に稜線へ。ここからが正念場

行者小屋から1時間ほどで急登を登り終えると、地蔵の頭と呼ばれる分岐に到着です。この分岐からは、ど迫力の阿弥陀岳を望むことができます。また、その奥には北アルプスの姿も。

スリル満点の鎖場・岩場を抜け山頂へ

スリル満点の鎖場・岩場を抜け山頂へ

先ほどの分岐からは、ゴツゴツとした岩場を登っていきます。ほぼ垂直に登る箇所もあるため、鎖などをしっかりと持ち、足場に注意して進みましょう。日常では味わうことのできないスリル感にテンションが上がること間違いなし!

スリル満点の鎖場・岩場を抜け山頂へ

登山開始から2時間30分ほどで八ヶ岳の主峰である赤岳山頂に到着です。

スリル満点の鎖場・岩場を抜け山頂へ

赤岳山頂からは富士山をはじめ、南・中央・北の各アルプスから、上信越の山々まで本州の中央部に位置する山岳をほとんど見渡すことができます。

切り立った稜線を通り、2番目に高い横岳へ

切り立った稜線を通り、2番目に高い横岳へ

赤岳山頂からの景色を堪能したあとは、写真右手に見える赤岳山頂荘から一旦下り、もう1つの山小屋である赤岳展望荘を通っていきます。泊まりの縦走ではこのどちらかの山小屋を使うのもありですね!その後、八ヶ岳の切り立った稜線沿いを歩きながら2番目に高い横岳を目指します。

切り立った稜線を通り、2番目に高い横岳へ

赤岳〜横岳の区間の途中には、かなり険しいはしご場や鎖場がありますが、足元がしっかり確保できるためそれほど難易度は高くありません。ナイフのように切り立った稜線歩きには圧巻です。

切り立った稜線を通り、2番目に高い横岳へ

赤岳から1時間ほどの稜線歩きを経て、八ヶ岳で2番目に高い横岳(奥ノ院)に到着です。

切り立った稜線を通り、2番目に高い横岳へ

横岳から振り返ると、先ほど登ってきた赤岳の姿が。赤岳の迫力に思わず声を出してしまうほど。

「カニの横ばい」を通り硫黄岳を目指す

「カニの横ばい」を通り硫黄岳を目指す

横岳からは垂直のはしごを降り、「カニの横ばい」と呼ばれる切り立った斜面をトラバースします。足場も安定しており、鎖もあるため安心して通過することができます。

「カニの横ばい」を通り硫黄岳を目指す

カニの横ばいを過ぎたあとは緩やかな岩尾根を進み、硫黄岳山頂直下にある硫黄岳山荘を目指します。硫黄岳山荘から硫黄岳まではあと一息。硫黄岳までなだらかな尾根を登っていきます。

「カニの横ばい」を通り硫黄岳を目指す

横岳から1時間ほどで硫黄岳に到着です。山頂は平坦で広く、噴火の跡である爆裂火口も間近に見ることができるため、景色を眺めながら休憩するのにぴったりの場所です。

硫黄岳から赤岳鉱泉を通り美濃戸登山口へ帰る

硫黄岳から赤岳鉱泉を通り美濃戸登山口へ帰る

硫黄岳からは赤岳鉱泉を経由し、美濃戸登山口へ帰ります。

硫黄岳から赤岳鉱泉を通り美濃戸登山口へ帰る

硫黄岳から少し下り、後ろを振り返ると、むき出しの山肌が美しい硫黄岳を眺めることができます。この辺は天気が悪く、濃霧が発生すると迷いやすいため注意が必要です。

硫黄岳から赤岳鉱泉を通り美濃戸登山口へ帰る

硫黄岳から1時間ほど林道を歩くと赤岳鉱泉に到着します。赤岳鉱泉も宿泊・テント泊可能な山小屋で、食事も取ることができます。※完全予約制

硫黄岳から赤岳鉱泉を通り美濃戸登山口へ帰る

最後は平坦な林道を歩き、美濃戸登山口へ帰ります。総距離約21.7kmの美しく、スリル満点の縦走路でした。

本日のスケジュール

コースタイムには個人差があるため、参考程度にご覧ください。

美濃戸登山口(6:10)
行者小屋(7:50)
赤岳(8:40)
横岳(三叉峰)(9:55)
硫黄山荘(11:05)
硫黄岳(11:55)
赤岳鉱泉(12:25)
美濃戸登山口(13:45)

最後のトイレはここだ!

【美濃戸登山口コース】
1. やまのこ村駐車場
2. 赤岳山荘駐車場
3. 八ヶ岳山荘駐車場 

まとめ

ついにアルプスエリアの幕が開き、八ヶ岳を縦走しながらアルプスの山の魅力を生に実感してきました。コケが美しく広がる道や鎖のある岩場やはしごなど、常に飽きない山の景色を楽しむことができます。今回は日帰り登山でしたが、小屋やテント泊している方も多くいたため、一度は八ヶ岳で赤岳を見上げながらテント泊や小屋泊まりもしてみたいです。

以上、「八ヶ岳」からでした!

次回予告!? 八ヶ岳連峰最北端「蓼科山」に挑む!

次回予告!? 八ヶ岳連峰最北端「蓼科山」に挑む!
出典:ぱくたそ

次回の登山先は、同じく八ヶ岳の「蓼科山」。読み方は「たてしなやま」と読み、はじめは自分たちも読めませんでした。そんな蓼科山は標高2531mで、山頂からは最高峰の赤岳なども眺めることができます。広い山頂には草木がない森林限界が360度広がっており、壮大な景色が楽しめます。距離も赤岳からは遠くないので、赤岳を登った後に、蓼科山も登ってみてはいかがでしょうか? 

次回もお楽しみに!

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