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  • キャンプや登山に関する地域コラム記事一覧です。地方の観光情報や旅情報をお届けします。キャンプや登山といったアクティビティを楽しみながら、ぜひその地方にある魅力も一緒に体験してみませんか?まだまだ知らない、その地域の魅力を発見できるかもしれません。

美しき、田舎景色を訪ねて。茨城自転車ものがたり

“自転車旅”でしか出会えない、茨城の絶景をめぐる。

延々と続く、田んぼ道。耳には風を切る音だけが届く。緑に囲まれた道を自転車で駆け抜けていると、思わず”カントリーロード”を口ずさみたくなるような、そんな気分です。

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総距離180km、壮大なサイクリングロード「つくば霞ヶ浦りんりんロード」が、2016年に茨城に誕生。一部の道は、かつては電車が走っている”線路道”でした。1987年に廃線となった旧筑波鉄道の役目を終えた線路が、サイクリングロードとして私達を田園風景へといざなってくれる道へと生まれ変わりました。アップダウンの少ないフラットな道をのんびりと走れるので初心者にもおすすめ。

かつて多くの人を乗せて走った今はなき電車の歴史に想いを馳せながらのサイクリング。今まで知らなかった茨城の一面にふれることができ、ひと味違った楽しさがあります。

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爽やかな風に包まれ、心地の良い汗を流しながら自転車のペダルを漕ぎ出す。すると、茨城の美しい田畑や雄大な筑波山、キラキラと輝く湖面、サイクリストを暖かく出迎えてくれる宿、頑張って走ったあとのとびきりのごちそう・・・。今まで知らなかった、たくさんの”茨城の物語たち”と出会うことができました。

徒歩でもない、車でもない、サイクリングで巡る小トリップ。茨城のまだ見ぬ絶景と土地のストーリーと出会う、”自転車旅”をレポートします!

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【CYCLING】ローカルな茨城の風を感じ、自転車で駆け抜けて

自転車旅のはじまりは、JR土浦駅から。東京駅から常磐線で約1時間でアクセス可能なので、日帰りや週末のちょっとした小旅行にぴったりの立地です。そんなJR土浦駅にある「りんりんスクエア土浦」は、改札から徒歩数十秒という駅直結のサイクリスト向けの店舗やサービスが充実した施設。サイクルショップや地下駐輪場、シャワーや更衣室が完備されています。その他にもJR土浦駅には、自転車を持ち込み可能なカフェやレストラン、宿泊施設など、サイクリストには嬉しい施設が盛りだくさんです。

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りんりんスクエア土浦の1Fに入るサイクルショップ「ル・サイク」ではレンタサイクルを行っており、土浦駅を拠点に手ぶらでサイクリングを楽しめます。サイクリング初心者の私は、ロードバイクやヘルメット等、必要なものをショップの人と相談しながら自分に合ったものをレンタル。ウェアも購入などもできますが、基本的には運動しやすく汗をかいても大丈夫な服装であればOK。サイクリングの準備を整え、いざ自転車旅へ出発です。■りんりんスクエア
・アクセス:JR土浦駅直結
・住所:茨城県土浦市有明町 1-30 「PLAYatre」1F/B1F
・りんりんスクエア詳細はこちら

総延長約180kmの「つくば霞ヶ浦りんりんロード」。アップダウンの少ないフラットな道のため、初心者にも安心のサイクリングロードです。ショートコースから上級者向けまで、自分の体力に合わせて楽しめます。(コースの詳細はこちら)

沿線にある9市町(土浦市・石岡市・つくば市・行方市・潮来市・桜川市・かすみがうら市・阿見町・神栖市)の連携により、広域型のレンタサイクルが11か所に用意されており、貸し出しも乗り捨てもOK。自転車を持たない人や初心者も手ぶらで気軽にサイクリングできるのも嬉しいポイントです。

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農村風景を眺めながら、登山客にも人気の「筑波山」の麓まで行ってもよし、大きな湖「霞ヶ浦」をぐるり一周、水辺の開放感を堪能するもよし。美しき田舎景色をたっぷり満喫しながら、気になる場所では足を止めて。途中のよりみちも楽しみながらサイクリングをしてきました。

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茨城は、れんこんの生産量日本一を誇る地域です。そこかしこに蓮田が広がっています。私が訪れた8月の下旬は、青々としたはすの葉っぱが生い茂り、花が咲き乱れる圧巻の光景。自転車で走っていると、風にのってふわっと蓮の良い香りが漂ってきました。

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普段あまり見ることのないれんこんの収穫風景も見ることができ、思わず自転車を止めて農家のおじいちゃんおばあちゃんとおしゃべり。地域の人との出会いも、自転車旅の醍醐味かもしれません。

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約125kmある霞ヶ浦のコースは、一周するのは大変そう、という人には『霞ヶ浦広域サイクルーズ』もおすすめ。自転車を乗せられる遊覧船でショートカットして、船旅気分も味わえちゃいます。

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【STAY】自転車旅の疲れを癒す、こころ和む宿

サイクリストが集うつくば霞ヶ浦りんりんロードの周辺には、サイクリストフレンドリーな宿が次々にオープンしています。古き良き建物を受け継ぐ古民家宿から、駅チカのカジュアルな宿まで。自転車旅をもっと楽しくしてくれる、素敵な宿たちをご紹介します。

●旧小林邸ひととき
築126年の商家造りの由緒ある建築を受け継ぐ「旧小林邸ひととき」は、筑波山の中腹にある古民家宿で、この秋オープンしたばかり。この家の主であった、旧小林家は江戸時代から続く米問屋で、廃線となり現在はサイクリングロードとして活用されている「つくば鉄道」を整備するなど、茨城の発展に尽力してきた人物でした。

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長らく空き家になっていたこの邸宅をリノベーションし、再び色々な人たちが集まれるような場所にするためにオープンした宿。大切に住まわれていた形跡が随所に感じられる建物かは、関東平野を一望できる絶好のロケーション。歴史ある建築の中で、当時の暮らしの面影を感じながら、穏やかな時間を過ごせました。

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筑波山神社まで徒歩10分。筑波山の登山にもぴったりのロケーションです。また、コワーキングスペースも完備しており、ワーケーションにも最適。宿の周辺は、昔の町並みが残っていて、古き良き建物をめぐりながら散策するのもおすすめです。

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■旧小林邸ひととき
・住所:茨城県つくば市筑波937
・アクセス:常磐道 谷田部ICから車で約35分/つくばエクスプレス 秋葉原駅~つくば駅約50分 筑波山シャトル つくば駅~筑波山神社前まで約30分 バス停より徒歩約7分
・料金:宿泊付きコワーキング 1泊 1万円~ ※オプションやシーズンによる価格変動あり
・部屋数:3部屋
・HP:https://www.instagram.com/tsukuba_no_hitotoki/
・予約:https://reserva.be/hitotoki2020

●ゲストハウス 江口家
2020年7月末に開業した、築110年の造り酒屋を改装したゲストハウス「江口屋」。造り酒屋時代に使われていた看板や瓶なども一部再利用して飾り、訪れた人に家の歴史を感じられるような工夫が随所に見られます。「江口屋」という名前は、造り酒屋時代の屋号からつけたそうです。

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宿の目の前には湖の霞ヶ浦が広がり、早起きをすれば、霞ヶ浦から昇る最高の朝日を眺めることもできます。かまどで炊いたご飯、朝捕れの地魚など、新鮮な霞ヶ浦の食を堪能できる朝食が用意され、早起きするのが楽しみになる。”最高の朝に出会える宿”です。

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■ゲストハウス 江口屋
・住所:茨城県かすみがうら市坂895-1
・アクセス:JR常磐線 神立駅より車で20分/常磐線自動車道 土浦北IC・千代田石岡ICより約30分
・部屋数:3室
・料金:1泊7,000円〜(1泊/ 1名)※オプションやシーズンによる価格変動あり
・HP:http://www.kasumigaura-kankou.jp/eguchiya/

●星野リゾート BEB5土浦
星野リゾートの初の自転車を楽しむホテル「BEB5土浦」。2020年10月末にグランドオープン、JR土浦駅から徒歩0分という抜群のアクセスです。滞在中、いつでも自由に利用できる整備コーナーや、工具の貸し出しも行っていたりと、サイクリストには嬉しいサービスが。様々なサイクリングアクテビティも用意されており、仲間とカジュアルに自転車旅を楽しめるホテルです。

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■星野リゾート BEB5土浦
・住所:茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦 3F
・アクセス:JR土浦駅直結
・部屋数:90室
・料金:1泊6,000円~(2名1室利用時1名あたり)※オプションやシーズンによる価格変動あり
・HP:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/beb5tsuchiura

【SPOT】自転車旅で巡りたい、とびきりのごちそうや、よりみちスポット

徒歩では行きづらい場所でも、自転車があればいつもよりも少し遠くに足をのばせる。そんな風に小回りがきくのが、サイクリングの”うまみ”でもあります。自転車旅の途中で立ち寄りたい、茨城の豊かな恵みに触れられる、よりみちスポットをご紹介します。

●つくばワイナリー
「つくばワイナリー」は、2013年に筑波山の麓に誕生した葡萄畑です。2019年には畑に隣接した醸造所を設置、2020年4月にはついに1stビンテージワインが発売となったばかり。時期によっては、お店の人に葡萄畑を案内してもらいながら、採れたての葡萄の味見もできちゃいます。葡萄畑と醸造所にショップが併設したワイナリーは、自然に囲まれ開放感も抜群です。

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■つくばワイナリー
住所:茨城県つくば市北条字古城1162-8
電話番号:029-893-5115
営業時間: 平日13:00~17:00、土日祝10:00~17:00(定休日:月曜)
HP:https://tsukuba-winery.kadoya-company.com/

●釜炊きおにぎり 筑波山縁むすび
筑波山の登山口からほど近い場所にある、おにぎり屋さん。「常陸小田米」という、筑波山麓から流れる良質な水と、落ち葉を2年間熟成発酵させた有機肥料で育んだ、こだわりのお米を使用した”釜炊きおにぎり”を楽しめます。田んぼに囲まれた道を走ったあとのおにぎりは、格別の味わいです。

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住所:茨城県つくば市筑波1223-8(筑波山神社前)
電話番号:029-896-8863
営業時間:9:00 ~ 17:00(定休日:火曜)
HP:https://odamai.com/enmusubi

●かすみキッチン
かすみキッチンは、地産地消×ヘルシーをコンセプトに、市の産品を活かしたメニューを提供するレストラン。地元の食材をアレンジしたスイーツやお土産も充実しています。霞ヶ浦のサイクリングロード沿いにあるので、湖を眺めながら美味しいごはんやスイーツを食べて、ほっと一息つける場所です。おすすめは、地元産の季節のフルーツソースをたっぷり使ったアイスクリーム。フレッシュな果実の甘みがぎゅっとつまった絶品スイーツです!

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住所:茨城県かすみがうら市坂4784番地先かすみがうら市交流センター2F
電話番号:029-896-1227
営業時間:平日 11:00~15:00(L.O14:30)
     土日祝 11:00~16:00(L.O15:30)
定休日 月・火(祝日の場合は翌日)
HP:http://kasumigaura.miraidukuri.jp/kitchen/

茨城のまだ見ぬ景色と巡り合う、自転車旅へ。

爽やかな風の中、心地の良い汗を流しながら走っていると、やわらかく五感が開かれていくのを感じます。東京から約1時間、水辺と里山の暮らしのすぐそばにある茨城県。自転車を漕ぎならがら、美しい風景と空気を全身で感じ、おいしいごはんで心も体も満たされると、心地よい疲れと明日への活力が湧いてきます。

茨城のまだ見ぬ景色と巡り合う、自転車旅へ。|「美しき、田舎景色を訪ねて。茨城自転車ものがたり。」の2枚目の画像

いつもと違った目線やスピードで街を眺めてみると、今まで出会うことのなかった景色と、巡りあえるかもしれません。忙しい日々に疲れたら、週末は少しだけ遠出して自転車の旅へ、でかけてみませんか?

写真:宮治規人( instagram twitter 

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