「はじめてのキャンプを素敵な想い出にしてほしい」。30代夫婦がはじめた“キャンプ民泊”

2019年春、埼玉県ときがわ町へ移住してきた青木達也さんと江梨子さんご夫妻。ふたりは移住してまもなく、新しい試みをスタートさせました。それは、“キャンプ民泊”。

そもそもキャンプ民泊という言葉は、ふたりが考えた造語。単に“キャンプができる場所”の提供にとどまらず、隣接するおふたりの住まいの一部を開放する“民泊の機能”も取り入れるという、新しいかたちの取り組みです。

「はじめてキャンプする人には、色々な不安要素があると思うんですよ。たとえば、お風呂に入りたい、トイレが汚いのは嫌……という抵抗感。そんなキャンプ初心者の方が感じるだろう不安を取り除いてあげたいという思いが強くあったので、僕たちの自宅の一部を利用できるようにしました。だって、はじめてのキャンプはとくに素敵な想い出にしてほしいじゃないですか」(達也さん)

自宅のお風呂やトイレを解放することで、ふだんの生活と変わらない感覚で安心してキャンプを楽しむことができる。ふたりが提案するキャンプ民泊は初心者にとってもやさしいシステムです。

でも、ふたりのやさしさはまだまだ序の口。

「わたしたちがキャンプ道具を買い揃えようと思ったとき、本にもネットにも情報がありすぎて、誰か教えてくれーって思ったんですよね。だから、手ぶらでキャンプを体験できつつも、必要な知識や道具の使い方を学ぶことができる。それがわたしたちの考えるキャンプ民泊です」(江梨子さん)

 「はじめてのキャンプを素敵な想い出にしてほしい」。30代夫婦がはじめた“キャンプ民泊”|「キャンプ場でもグランピング施設でもない、“キャンプ民泊”をはじめた30代夫婦のプロローグ」の6枚目の画像

必要な道具はすべてレンタル可能で、テントにはどんな種類があって、どんな特長があるのか。また、何人で、どんなキャンプがしたいのかなどを当日ヒアリングしながら、その場で一緒にチョイス。利用者はキャンプのプロに相談しながら、使う道具を選ぶことができます。

さらには、選んだ道具の使い方からメンテナンス方法までもていねいにレクチャー。場合によっては、車への積み込みのコツまで、ふたりがこれまで培ってきたノウハウを惜しみなく教えてくれます。こんなにも親切な施設、前代未聞……!

ということで早速、取材チームもキャンプ民泊を体験。今回は6つのプランのなかから、キャンプ初心者、キャンプのやり方を教えてもらいたい人向けの「はじめてプラン」を選びました。

まずはテントやテーブル、ランタンなどマストアイテムを選んでからキャンプサイトへ。そして、テントの立て方をゼロから教えてもらいながら、一緒に設営スタートです。

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 「はじめてのキャンプを素敵な想い出にしてほしい」。30代夫婦がはじめた“キャンプ民泊”|「キャンプ場でもグランピング施設でもない、“キャンプ民泊”をはじめた30代夫婦のプロローグ」の11枚目の画像

テントの選び方や特長は専門店で教えてもらえるけれど、実際の立て方やペグの打ち方、張り綱の張り方なんかは、なかなか直接教えてもらえる場ってないんですよね。だから説明書を読み込んだり、ひたすらハウツー動画を検索したり……。

キャンプは、非日常体験。外で寝泊まりするのは、とても刺激的でワクワクするものです。でもフタを開けてみると、そのスタート地点に立つまでが結構大変で……。キャンプ=敷居が高いと感じるひとつの理由は、そこにあるんじゃないかと思うわけです。

ちなみに筆者はキャンプ経験者ですが、はじめた当初は失敗ばかりで、とーっても苦労しました。手順を間違えてポールが曲がってしまったり、いつまで経っても設営できず日没になってしまったり。今となってはそれもいい思い出ですが、当時はキャンプ前日に予習・復習しておくことが多すぎて、気が気じゃなかった……。こんなサービス、もっと早くに出会いたかったなと心底思います。

キャンプ民泊のいいところは、いろいろな道具を試すことができたり、分からないことはすぐに質問できたりする点もありますが、じつはキャンプ初心者にとって安心できることがもうひとつ。

「民家が近いというのはマイナス要素になるかもしれないと思っていたのですが、実際に利用された方が“最初は山のなかに泊まるより、人の気配がある方が安心する”と言ってくださり、そういった安心感もプラスに考えてもらえたら嬉しいです」(江梨子さん)

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キャンプ民泊NONIWAがあるのは、里山に囲まれたのどかな集落。とにかく、右も左も分からないエントリーユーザーにうれしい環境がそろっています。

構想のきっかけは、友人と出かけたキャンプだった

都内で暮らしながら、「いつか田舎に引っ越ししてふたりで何かお店をやりたいね」と、日ごろから移住について話し合っていたという達也さんと江梨子さん。友人と出かけたキャンプで、今へと続くキャンプ民泊NONIWAの構想がはじまったといいます。

構想のきっかけは、友人と出かけたキャンプだった|「キャンプ場でもグランピング施設でもない、“キャンプ民泊”をはじめた30代夫婦のプロローグ」の2枚目の画像

「ある日、キャンプ未経験だった大学時代の同級生とキャンプに行ったんです。そうしたら、自分たちにとってはすでに当たり前になっていた焚き火やキャンプ料理作りに対して、“超楽しい!”って感激してくれて。そのときに、わたしたちふたりで誰かを楽しませることができるんだ、ということに気が付いて嬉しくなりました。これが仕事になったらいいね、って」(江梨子さん)

このときすでにときがわ町とは出会っていたそうですが、自分たちが理想とする物件が見つからず、都内からいったん埼玉県川越市に居を移し、物件探しと並行してキャンプ民泊の構想を膨らませていったそう。

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そして物件探しから1年半後の2019年春、念願叶ってときがわ町へ移住し、キャンプ民泊NONIWAを始動。現在、江梨子さんはNONIWAの運営をメインに、これまで行っていたテレビディレクターとしても活動。達也さんは会社員として仕事を継続しながら、NONIWAに携わっています。

そんなおふたりのアウトドアの原体験はなんだったのでしょうか?

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「わたしがはじめてキャンプに行ったのは、小学生の頃。旅行の代わりにキャンプへ行くような家族だったので、年越しもキャンプに出かけていました。みんなで頑張らないとテントが立たないし、ご飯もできあがらない。キャンプは家族がひとつのチームになっている気がして、それがすごく楽しかったんです。幼いながらも、自分に仕事が与えられるのが嬉しくて。わたしも家族ができたら絶対にキャンプをしたいなと思っていたので、結婚を機に再びフィールドへ出かけるようになりました」(江梨子さん)

そんなキャンプ好きの妻の影響で、達也さんも野あそびに開眼。でも、はじめてのキャンプは大変な思いをしたんだとか。

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「ふたりでキャンプに行き出す前、まだ自分たちのキャンプ道具を持っていないときに、大学時代の友人といっしょに木崎湖のキャンプ場に行きました。9月末だったんですけど、夜は白い息が出るくらい冷え込んで……。防寒着もスリーピングマットもないなか、寝ている最中に結露でテントのシートが顔に張り付くし、寒いし、こんな辛い思いして寝る意味ある? なんでキャンプするの? みたいな心境でしたね(笑)」(達也さん)

しかし、みんなで囲んだ焚き火や木崎湖で体験したSUPによって、辛かった気持ちが薄れて楽しい思い出に。それがきっかけで、「キャンプをやるならちゃんとした道具を揃えよう!」と心に誓ったそう。

そんな実体験があったからこそ、「はじめてのキャンプを素敵な想い出にしてほしい」という想いがキャンプ民泊NONIWAの基盤になっているのかもしれません。

必要としている人に“キャンプ民泊”を届けたい

気に入った町に移住し、好きなことを仕事にしながら少しずつ歩みを進めているおふたり。「キャンプをやってみたいけどやり方が分からない人、生涯の趣味としてキャンプを愛してくれる人にNONIWAのサービスを利用してもらえたら嬉しい」と話します。

必要としている人に“キャンプ民泊”を届けたい|「キャンプ場でもグランピング施設でもない、“キャンプ民泊”をはじめた30代夫婦のプロローグ」の2枚目の画像

これまでキャンプ×ハンモック、キャンプ×タンドール、親子で楽しむ火育イベントなど開催してきたNONIWA。現在は紹介制で、ふたりが定期的に開催するイベントや、出展するアウトドアイベントに来てくれた方限定で利用可能になっています。

今後もキャンプ×○○を広げていきたいとのことなので、キャンプ民泊を体験してみたい方はぜひ一度イベントにご参加を。ふたりの想いとやさしさが詰まったキャンプ民泊NONIWAで、快適キャンプへの一歩を踏み出してみてください。きっとあなたの人生に新たな発見とシアワセをもたらしてくれるはずですよ。

必要としている人に“キャンプ民泊”を届けたい|「キャンプ場でもグランピング施設でもない、“キャンプ民泊”をはじめた30代夫婦のプロローグ」の4枚目の画像
必要としている人に“キャンプ民泊”を届けたい|「キャンプ場でもグランピング施設でもない、“キャンプ民泊”をはじめた30代夫婦のプロローグ」の5枚目の画像
キャンプ民泊『NONIWA』
<Address> 埼玉県ときがわ町
<Access> 東武東上線「小川町駅」から車で10分/坂戸西スマートIC から車で25分
<Website> https://noniwa.jp/
<Instagram> https://www.instagram.com/noasobi_fufu
<Facebook> https://www.facebook.com/noasobifufu



(写真・Hao Moda

山畑 理絵

春夏秋冬、日本の美しい山を求めて歩きまわっています。

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この記事を書いた人

山畑 理絵

音楽プロダクションの制作、アウトドアショップの販売員を経てライターになる。のんびり日帰りハイクからガッツリテント泊縦走、トレイルランニング、ボルダリング、スキーと四季を通してフィールド三昧。アウトドア媒体をメインにライター活動をする傍ら、アロマテラピーインストラクターとして「山とアロマ」をテーマに、神出鬼没なワークショップを展開中。

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