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  • 登山好きが贈る、登山の体験レポートです。日本、そして世界の山々にはたくさんの魅力にあふれています。春夏秋冬、その時々で異なる顔を見せてくれる素敵な山がたくさんあります。まさに百景。.HYAKKEIでは、そんな山に実際に登り、五感で楽しんだ自然体験記をお届けします。きっと山に登りたくなりますよ!

【総延長1697.2km】東海自然歩道を踏破せよ!|#17 牛妻〜油山〜足久保編

.HYAKKEIをご覧のみなさま、こんにちは。ライターの田中嘉人です。

前回は、静岡県の西里から安倍川沿いの牛妻(うしづま)というエリアまでのコースを歩きました。そう、まさかの弟と。

たった4歳差とはいえ、普段から部屋にこもって記事を書いているライターの兄とはスタミナが段違い。圧倒的な年齢の差を見せつけられる結果となりました。

ただ、ただですよ。話し相手がいるとやっぱり嬉しいんですよね。大人になってのんびり話す機会なんてなかなかないじゃないですか。ついつい積もる話に花を咲かせてしまい、思った以上に楽しかったわけです。そこで、再び弟に声をかけたところ……

「あ、予定あるわ(笑)」

と、軽く断られてしまうことに……というわけで今回は久々のソロハイクにチャレンジしたいと思います。テンションあげていくぞー!!

<今回のコース>
牛妻→油山峠→足久保

油山峠を目指して

今回のスタート地点は、前回の離脱ポイントである静岡市賎機(しずはた)都市山村交流センター「安部ごころ」。バス停「牛妻坂下」からすぐ。駐車場も広いです。

トイレや飲み物の自販機も完備しているので、しっかり準備をしておきましょう。

まずは車道を安倍川沿いに南下。すると、ほどなくして東海自然歩道との合流ポイントにたどり着きます。

交通標識に記された「足久保」「油山」方面へ向かいます。

安倍川にかかる曙橋に東海自然歩道の案内看板が。

今日のゴールである足久保エリアの「谷沢」のバス停までのコースがばっちり刻まれています。

そして、安倍川を渡り山の方へ。特に正面の山とかめっちゃ標高ありそうで、ついゲンナリしてしまいました。

安倍川は静岡市内を通って駿河湾まで流れていきます。

鷹のような鷲のような猛禽類が気持ちよさそうに旋回していました。

曙橋を渡りきると、そこには案内看板が。このままひたすら直進します。

THE民家の間を抜けて山を目指します。東海自然歩道にもこういうのどかなゾーンがあるんだなぁ。

畑ではレンゲが可憐な花を咲かせていました。東京にいるとなかなか見かけない風景。季節の移ろいを感じるだけではなく、どこかしらノスタルジックな気分になります。

つい「secret base 〜君がくれたもの〜」を口ずさみたくなってしまう。10年前の8月、ここで何か約束してなかったかな……?

「secret base 〜君がくれたもの〜」を口ずさみ、いるはずのない転校生との恋物語を妄想しながら直進。でも、10年前が26歳だったことに気づき、現実に戻る。

あれ?誰か畑で作業してる……?

かと思ったら、ムキムキすぎるカカシでした。夜中動き出したら怖すぎる!

川ぞいには紫陽花のような花が。調べてみたけどよくわからなかった。

そうこうしていたら、何も文字情報がない看板らしきものが。たぶん一本道なので間違ってはいないと思うけど、何も書かれていないと不安になる

でました茶畑。山間部を歩くと、静岡がお茶どころだと実感します。本当に茶畑だらけ。

すると、案内看板に「油山温泉」の文字が……!地元民だけど、このあたりに温泉があるなんて知らなかった……!

どうやら二軒の温泉宿があるみたい。日帰り入浴やってるのかな?

「温泉入れるかも」という期待を胸に、舗装路を歩いていきます。急に人の気配がなくなった。

人はいないけど、春は花が綺麗だし、

夏になればホタル鑑賞もできるのかな?夏にまた来てみたいかも!

すると目の前にはマイクロバスが!これはどこからどうみても温泉宿のバス!

うわ〜ひなびい(ひなびたの意)旅館が!!ただ、日帰り入浴できるかどうか外観からは判断できなかったため、スルー。あとから調べてみたら日帰り入浴は受け付けていないみたい。ざんね〜ん!

油山苑を越えると、舗装がなくなり、砂利道に。いよいよ今回のコースが正体を見せようとしています。

すると、再び巨大な案内看板が。よくよく見てみると……

中断のコース案内の箇所にこれからのルートがざっくりと記されていました。いよいよ山道に突入するみたい。やはり一筋縄にはいかないのが東海自然歩道だな。

途中、もうひとつの温泉宿が。こちらも調べて限りは日帰り入浴は受け付けていないっぽいです。詳細は施設に直接確認してみてください。

しばらくすると再び道が舗装されました。なかなか山道にまでたどり着けない……。

するとようやく沢のような川にかかる橋のところに案内看板が。いよいよ本格山道が始まります。

「やるぞ」という強い決意で望みます。だんだん日差しが強くなって暑くなってきた。

アスファルトの舗装どころか砂利もありません。これぞまさに東海自然歩道。

山道の眼下には滝が。東海自然歩道を歩いていると、名もなき滝をたくさん見ることができます。滝好きにはおすすめ。

山はどんどん深くなっていきます。

沢にかかる渋い橋で一枚。マイナスイオンというほどではないけど、心なしか気持ちが安らぐ感覚があります。

沢に沿って、ぐいぐい登っていきます。

それにしても話し相手がいないとさみしいな……。

弱気になった瞬間を東海自然歩道は見逃してくれません。どんどん傾斜がきつくなっていきます。

もっと楽勝のコースかと思ってたけど、想像を上回るしんどさ……。そして、安定の地味っぷり……。

しばらく進むとロープ場を発見。なになに、意外と激しめのコースなの……?

地味〜な登りがひたすら続く。

杉林を抜けると、一瞬視界が開けます。新緑がまぶしい〜!!

さらに歩いて行くと、農業用モノレールの基地らしき場所に行き当たります。あれ?どこかで間違えたか……?

と、思ったら小屋の向こう側にルートが続いてました。念のため「失礼しま〜す」と言いながら通過。

すると、再び森の入り口に。うわ〜……暗そう……。

さっきも通ったような道が待っていました。東海自然歩道あるある。

さっきも通ったような橋を越えて進んでいきます。

すると、一瞬「あれ?どっちいけばいいの?」と思ってしまう分岐点が。

ただ、左側のコースがロープで封鎖されているので、

右側のコースを選びましょう。ピンクやらブルーやらイエローやらのビニールテープが「こっちへおいで」と誘っているかのようです。

斜面沿いの道を越えて、

だんだん急になっていく傾斜に負けることなく歩けば……

頂上らしき場所が近づいてきました。

というわけで、油山峠に到着〜!

ベンチがあるので、のんびり休憩もできそうですね。

すっかりヘトヘトなので、ここで10分ほど休憩しました。

足久保を目指して

ここまで来たら、ゴールはもうすぐ。足久保を目指して山を下っていきます。

向かうはこちらのルート。日中だというのに薄暗くて少し怖いです。

と、思ったら薄暗いだけじゃない。足場の不安定なロープ場が続きます。

下って……

登る。一番精神にダメージが残るやつです(「なぜ下ったのにもう一度登らなきゃならないんだ!」と本気で思うようになります)。

そうかと思ったら足場は最悪。このあたりは本当に危険なコースです。

不安定な道続きでしたが、沢と合流すると落ち着きます。

歩きやすいコースとは決していえないけど、危険さはなくなりました。

そして、名もなき看板を信じて進んでいきます。あ、いや、信じていないわけではないんですけどね……。

最近沢ばかり見ているので、いつか沢の源流みたいな場所があれば行ってみたいな。水がコンコンと湧き出ているような。

気を取り直して、山道を下っていきます。すると……?

ようやく薄暗い森から抜け出せそう!この「森から抜ける瞬間」て、すごく安心するんです。

道は相変わらず悪いけど、明るいだけでも嬉しい。

しばらく歩くと何やら屋根のある建物が。なんだこれ?

屋根のある建物を越えると、急にこじゃれたペンション風の建物が。こちらは「リゾートホテル鈴桃(りんどう)」。静岡にリゾートなんて……と思いの方もいるかもしれませんが、この日も平日だというのに団体のお客様で賑わっていました。意外な人気……!!

ホテルの敷地ギリギリのところに案内看板を発見。足久保エリアはもうすぐです。

案内看板に従ってアスファルトの道を下っていきます。

でた〜!茶畑!本日2度目〜!!

ときどき民家もあります。意外と車の往来も多いのでびっくりしました。

左から来て、右へ向かうところに…

案内看板がありました。ありがとう!

先ほどまでとは打って変わって舗装路が続きます。

アスファルトの下り坂って地味に足の裏や足首にダメージを残すんですよね。僕も気がついたら足の裏にマメができていました。

心なしか毒々しい花を横目に、

舗装路をひたすらに歩くと……?

比較的大通りにつきあたりました。ここが足久保エリア。

清流・足久保川のせせらぎが心を洗ってくれるような気がします。

本日のゴール、谷沢はもうすぐです!

アスファルトの道を足久保川に沿ってまっすぐに北上し、

しばらくすると民家が見えてきました。

あ!!

というわけで、ゴール!!無事谷沢に到着しました。

谷沢はバスが通っているので、こちらで静岡駅まで帰ろうと思います。

ちなみに2019年4月時点での時刻表はこんな感じ。だいたいの到着時間から逆算して出発すれば無駄がなくていいかもしれません。

というわけで、いかがだったでしょうか?距離としては短いコースだったのですが、ソロハイクだったため思った以上に心細かったです。やはりこれは弟の力を借りるしかない……!次回はまた弟に声をかけて、チャレンジしてみたいと思います。

それでは最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

<今回のコース>

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