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  • 登山好きが贈る、登山の体験レポートです。日本、そして世界の山々にはたくさんの魅力にあふれています。春夏秋冬、その時々で異なる顔を見せてくれる素敵な山がたくさんあります。まさに百景。.HYAKKEIでは、そんな山に実際に登り、五感で楽しんだ自然体験記をお届けします。きっと山に登りたくなりますよ!

登山嫌いな僕でも、もう一度登りたい山|#14 新時代を涸沢カールでお祝いしよう

「登山嫌いな僕がもう一度登りたい山」をお伝えするコラム連載。第14回目は、大型連休だからこそ行ける山です。

登山嫌いの理由のひとつ「雪を踏みしめる音、感触が嫌い」

「ザクッザクッ」「キュッキュッ」、想像するだけで寒気が走ります。
寒いのも苦手ですが、じつは雪を踏みしめる音、感触が大嫌いで、雪山は避けています。
アウトドアを生業にしているものとして、失格かもしれません…
でも、嫌なものは嫌です!
それでも、何回でも行きたい場所があります。
それが、涸沢カールです。

初めての残雪涸沢カールは“仕事だから”と渋々、行きました。
しかし、そこには夏山シーズンとは別次元の絶景が広がっています。
一気に虜になるほどです。
いままでは穂高連峰の経由地としてテン場を使っていましたが、山頂に立つよりも、気分は最高です。
ここを山行の最終目的地としても達成感を味わえます。

また夏山に比べ、雪が積もっていることで、アップダウンが少なく、コースも短縮されます。
とはいえ、危険はいっぱいなので、十分にご注意してください。

ここでも、もちろんアイゼンなしで、残雪期の歩き方テクニックでなんとか到着できました。
テクニックとは
●ツボ足…雪に足を踏み込んで、壺状の足場を作る
●キックステップ…ストックを上手く使いながら、雪の斜面につま先を蹴り込み、足場を作る
また人通りが多い場所なので、踏み固められた雪道を歩けます。

涸沢カールのテン場には所狭しとテントが設営され、雪上に咲いた花のようです。
夏場にこれだけのテントがあるとガチャガチャしてしまいますが、雪があるだけでいつもの景色も違って見えてしまうから不思議です。

例年は鯉のぼりが飾られていますが、元号が変わり、今シーズンは果たして何が飾られるかも楽しみです。

寒さが苦手なこともあって、テントはいつも横尾に張り、涸沢カールには景色のみを見に行きます。
それだけでも山好きを魅了してしまうほどの大絶景を楽しむことができます。

世紀の大連休に日本が誇る秘境に行ってみてはいかがですか?
テント場は予約不要なので、まだ間に合います。

ルート
1日目
上高地バスターミナル~河童橋~明神館~徳沢~横尾(約3時間)
2日目
横尾~本谷橋~涸沢カール~本谷橋~横尾(約8時間)
3日目
横尾~徳沢~明神館~河童橋~上高地バスターミナル(約3時間)

アクセス
●マイカー
中央自動車道 松本ICから国道158号線を上高地方面へ約1時間。
※上高地バスターミナルにはマイカーで乗り入れができないので、沢渡駐車場からシャトルバスかタクシーに乗り換えます。
沢渡駐車場(有料)
●公共交通機関
松本電鉄上高地線「新島々」駅から路線バスで上高地まで約1時間

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