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アナタの町にそびえ立つフジヤマ!? 「郷土富士」に挑戦!
尾張富士は本家・富士山の親戚筋?
日本には各地域で「富士」と呼ばれる「郷土富士」があります。これらの山々は北海道から沖縄まで日本に約350~400か所あると言われています。なぜ富士の名がついたかと言えば、形が似ているというのが最大の理由です。また富士信仰という山岳信仰が地域に伝わったなど由来は様々。また高さも2千メートル級の山もあれば、高さを誇る場合もあれば、数十メートルというカワイイ郷土富士も存在します。
例えば秋田県、JR秋田駅から徒歩10~15分程度の場所に位置する明田富士。ここは高さ35メートルながら山頂に富士大権現が祭られており地元でとても大事にされています。また“日本一低い富士山”として日本山岳会に認定されていることでも有名です。
この通り、郷土富士は「高さ」は問わず地元で愛されているのです。
さて今回は、私の地元で親しまれている「尾張富士」をご紹介しましょう。
尾張富士(愛知県犬山市冨士山)は尾張三山(尾張冨士、白山、本宮山)の一つです。高さは275メートルですから大きな山ではありませんが、地元では尾張富士として古くから大切にされてきました。遠目で見ると確かに形状は本家、富士山に似ている気がします。
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しかし尾張富士の命名の由来は形だけでなくこんな言い伝えがあります。
江戸時代に発刊された「尾張名所図会」によるとその昔、神様が近江(滋賀県)の土を運んで、湖(浜名湖と考えられている)と富士山を作った時の一部で(尾張富士が)できたというのです。いわば本家・富士山と尾張富士は兄弟分のような間柄でした。
もう一つ尾張富士で有名なのは、毎年8月第一日曜日に開催される「石上げ祭」という奇祭です。もとは様が尾張冨士より隣の本宮山の方が高いことを嘆いたことから、地域の村人が石を積み上げ少しでも高くしようと始まった風習がお祭りになったのです。このため山道には無数の石が積み上げられています。
登山道に無数の石が積まれ不思議な光景に
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尾張富士の山道の入り口となるのはふもとにある大宮浅間神社。ここから頂上にある奥宮までの山道が続いています。時間にしたら30分もあれば登れる山ですが、しかし小さな山とは言ってもその山道はちょっと他の山にはない味わいがあります。
先述したように尾張富士には石を積み上げる風習があり、古くから地元の名士、企業などが競うように大きな石を積んできました。このため山道の両脇には無数の石碑が無造作に立っています。まるでイギリスのストーンヘンジ?なんだかおとぎ話チックな風景です。
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ただ注意すべきは山道が岩場に包まれていること。滑りやすく急なポイントもあるので足元にはご用心。
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そして頂上付近の急な石段を上がるとそこには大宮浅間神社奥宮が! 社殿の前には無数の石が積み上げられており、石上げという儀式の伝統と歴史を物語っていました。
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みなさんもぜひ地元にある「富士」に挑戦してみてください。意外な発見があるかもしれません。
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「自然を親しみながら歩く」をモットーにした記事作りをします!1973年生まれ。法政大学卒。ライター・雑文家。
趣味は登山、トレッキング、家庭菜園など。自然を慈しみ、自然と戯れます。