【自然ビト #11】釣れない悔しさが、より自然への好奇心を抱かせる/理容師・正田博さん
アウトドア好きな方の人生観やアウトドアライフに迫る「自然ビト」。今回は、川に立つと、魚の居場所がピンポイントで分かってしまうという、フライフィッシャーであり、理容師の正田博さんにお話しを伺ってきました。
正田博さん(43歳・美容師)
群馬県高崎市在住。幼少より釣りをはじめ、現在は理容師の傍ら、雑誌のライティング、釣りのインストラクターも行う。FaceBookでは主に釣りについて更新していて、常に大きな魚を釣り上げているその姿に魅了される人が続出中の注目アングラー。
■ありとあらゆる釣りをしたからこそ出会ったフライフィッシング。でも・・・
―まず、アウトドア(釣り)を始めたきっかけはなんですか?
それが、記憶にないんです!もう、物心ついたころには魚釣ってて(笑)。母親に聞いたら2歳ころはもう釣りをしてたみたいですけど。とにかく、父親や親戚の叔父さんとかが釣り好きでついて行って釣りを覚えたみたいです。
最初は釣り堀でエサ釣りからはじめました。でも、釣り堀に飽きて、「よし、今度は本当の川、自然のフィールドで釣りをしてみよう」と思い立って、小学校からは1人で川に行って、釣りをするようになりました。
―かなり、幼少の頃から釣りをされていたんですね。その後、フライフィッシングを始めたきっかけは?
小学校5年生くらいになった頃には、もう釣りという釣りは一通りやっていたんです。エサ釣りも、ルアー釣りも、テンカラ釣りも・・・。あとやったことがない釣りはフライだけだなって思って、思い切って当時15,000円くらいのセットのフライフィッシングキットを買いました(笑)
―小学生には高額過ぎるお買い物ですね・・・釣れましたか?
釣れるも何も、フライフィッシングって、おもりの無い糸をロッド(竿)を使って遠くに飛ばしていく釣りなんですけど、まずどうやって振ったらいいか分からなくて。まわりの大人たちもフライフィッシングをあまりやっていなかったので、しょうがなく独学でなんとか振れるくらいまで一生懸命練習しました。
振れるようになっても全然釣れなくて、それ以降フライフィッシングはやめちゃったんです。結局、中学校、高校はバス釣りを熱心にやっていました。
■難しいし釣れないからこそ、勉強した
―それでも、今はフライフィッシングをされていますよね?再開のきっかけはなんですか?
就職してからですね。大学を卒業してからヘアサロンに就職したんですけど、その就職先にたまたまフライフィッシングをやっているお客様がいたんです。それもけっこうベテランの方で。そのお客様に釣り方とかいろいろ教わりながら、友達と管理釣り場でフライフィッシングを始めたのが、再開のきっかけです。
それからはずっとフライフィッシングにハマって、現在に至ります。
―ほかの釣りもあると思いますが、なぜフライフィッシングにハマったんですか?
フライフィッシングってやっぱり難しい釣りだと思うんです。でも、だからこそ、釣れないからこそ、悔しくて何度も川に通うようになったんです。最初は仕事が休みの時に週一回くらいのペースで行ってたんですが、気が付けば、毎日、早朝仕事が始まる前に川に通うようになりました(笑)。
あと、川や、魚のこととか本を読んでたくさん勉強しましたね。自然の中で遊ぶからこそ、自然についてもっと知ろうとか、今の日本の河川の問題点とか、見えてくることがたくさんありました。そうしていくうちに、今ではこの川の状況だったら、たぶん魚はここに居るなとか、あと、何投目に魚がかかるだろうなとか、もうピンポイントで分かります(笑)。
―忙しいお仕事の合間にも時間を作っていたんですね?
そうですね。今も暇を見つけては、子供と釣りに行ったり、友達たちと釣りに行ったりしています。普段の仕事だと、みんなそうだと思うんですけど、頭で考えることが多いじゃないですか。仕事も理容師なんで、もう、頭の中と、手と体はフル回転みたいな(笑)。だからこそっていうわけではないですが、釣りをしている時は、無言だし、無心です!(笑)。自然の中に身を置いて無心で釣りをしていると、心がリフレッシュできるし、やっぱり気持ちいいですよね。僕は嫌なことがあったら、嫌なことがあった時こそ釣りをします!頭を無にしたい。やっている間は真剣になれるし、それこそ、魚がかかっている間ってその他のこと考えられないじゃないですか(笑)。それって、やっぱり他にはないことかなって思うんです。
■日本には美しい自然がたくさんある。その中で遊べるのはやっぱり最高!
―正田さんのFace Bookを見ていると、色々な川や湖でたくさんの魚を釣っていますよね。普段はどのあたりで釣りをされているんですか?
もう、ほんと家の近所とか隣県が多いです。あまり遠くまでは行きません。近くで十分楽しめるので。良く行くのは、利根川(群馬県)、犀川(長野県)、天竜川(長野県)が多いです。
この前は、6年ぶりに魚野川(新潟県)に釣りに行きました。中禅寺湖(栃木県)もたまに行きます。遠くでは九頭竜川(福井県)まで行くこともあります。
―どんな魚が釣れるんですか?
利根川、犀川、天竜川はやっぱりニジマス、ブラウントラウト、イワナなどがメインです。今年訪れた魚野川は、雪代イワナっていう、その名の通り雪代(雪がとけて、川に流れ込む水)が出始める頃から釣れるイワナを釣りに行きました。九頭竜川ではサクラマスっていう、ヤマメが海に行って産卵のために戻ってきた魚の釣りなんかもします。
―正田さんにとって、釣りの魅力ってなんですか?
やっぱり、自然と触れ合えることですかね。日本って素晴らしい自然がたくさんあるから、近所でもいいんで、是非いろんな人に行ってもらいたいです。別に釣りをしなくても、自然と触れ合うだけでもいいんで。こんな素晴らしいところがあるんだって思ってもらいたいです。夏場は山岳渓流なんかも行くんですけど、普通じゃなかなか目にすることのできない自然や景色が広がっているんですよね。山に登るだけじゃなく、釣り人だからこそ、見える景色もあります。ウェーダーを着て水辺に立って見る景色とか。それで、生きている魚の生命力を肌で感じられたり、綺麗な魚が見れるって最高じゃないですか?!
―正田さんの今後の釣りの目標は?
やっぱり、近くの河川で80センチオーバーの魚を釣り上げることです!こんな大きい魚がみんなの周りの自然の中にいるんだよって、知ってもらいたいし、自分も挑戦したいです。70センチオーバーは釣ったんで、今後の目標は迷わず80センチオーバーです!
―最後に!釣りをまだしたことがない、けどやってみたい!と思っている方も大勢いると思いますが、そのような方に向けてアドバイスをお願いしいます。
自然の中で遊ぶってやっぱり楽しいし、色んな発見があると思うんです!釣りだけとかに限らず、アウトドアのきっかけとして、軽い気持ちでいいんで釣りを始めてもらえると嬉しいですね。それで魚が釣れちゃったりしたら、もう絶対、僕みたいにハマっちゃうと思います(笑)
釣れなくて、釣れなくて、悔しいからこそ、釣りにのめり込んだ過去。その探求心の成果はFaceBookを見てみても、誰もが納得です。そんな、ストイックな一面もありながらも魚と映っている写真はいつも満面の笑みの正田さん。そんな笑顔をみて、自分もあんな魚を釣りたい、釣って見せる!と奮起する方も多いはずです。さあ、今度はあなたがフィールドに立つ番です!きっと素敵な出会いが待っているはず!
https://m.facebook.com/hiroshi.shoda.9
素敵な景色と共に釣りの楽しさを皆さまにお伝えしていきます!
客室乗務員を経てマナー講師業の傍ら国内から海外までのフィールドをフライフィッシングで釣り歩。2015年よりアウトドアフィールドでの経験を活かし、自身のブランド「ジュジュドゥペシュール」を立ち上げる。