1.自分のやりたいお遍路について考えてみる

お遍路をしてみたいけど、どんな準備をしたらいいのかわからない人も多いかもしれません。

お遍路にはいろんな歩き方、スタイルがあります。歩き方によってかかる費用、日数、準備するものも変わってきます。まずは自分がどんなお遍路をしたいのか?をじっくり考えてみました。

自分の場合、一番に「ロングトレイルとしてお遍路旅をしたい!」というのがありました。四国に根付いたお遍路の文化を体験しつつ、テントを担いで野宿をしながら、自分で作った保存食を持ち、山で身につけたテント泊や自炊のノウハウを駆使しながら1200キロのロングトレイルを踏破したい、という気持ちでした。それを前提に自分に合ったお遍路の歩き方を具体的に考えてみました。

① 通し打ちか区切り打ちか?

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88箇所の全行程を何回かに分けて歩くのが区切り打ちです。それに対して全行程を一気に歩き通すのが通し打ちです。私はロングトレイルとしてのお遍路を歩きたいので、1200キロを一気に歩く、通し打ちを選択しました。

② 順打ちか逆打ちか?

1番から88番まで順番にまわる順打ち、88番から逆順に歩くのが逆打ちです。一般的には閏年の年は逆打ちをするよいと言われます。私の場合は、初めてのお遍路でしたのでノーマルな順打ちで歩くことにしました。

③ 歩きのみか?それ以外の移動手段を使うか?

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高知の浦戸湾や四万十川は、歩きお遍路さんでも渡し船を使って渡るのが昔から一般的な方法だそうです。というのも昔は橋がかかっていなかったので、渡し船以外の方法がありませんでした。歩き遍路といっても必ずしも全行程を歩くことにこだわらなくてもいいのかもしれません。そこは自分が何にこだわるのか?自分の考え次第だと思います。私は歩きにこだわりたい!という気持ちが強かったので、渡し船は使わずに全行程を歩くことにしました。

④ どこに泊まるか?

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四国にはお遍路さんのため宿泊施設がたくさんあります。お遍路宿、宿坊、民宿、お寺の通夜堂、善根宿などいろんな選択肢があります。もちろんビジネスホテルに泊まってもいいわけですし、野宿も選択肢の1つです。宿坊というのはお寺の有料宿泊施設です。予約をすれば誰でも泊まることができます。通夜堂はお寺にあるお遍路さんのための無料簡易宿泊施設です。善根宿はお遍路さんのための無料または安い料金で泊まれる民間の宿です。

私の場合は野宿をしながらお遍路を歩くことが前提でしたので、基本はテントと寝袋を担いで野宿をし、電源確保のために1週間に1回程度は普通の宿や善根宿に泊まることにしました。

⑤ ご飯はどこで食べるの?

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お遍路といっても山に籠もるわけではなく、8~9割くらいは町歩きが中心になります。宿のごはんはもちろん、地元の食堂、レストランもあります。町にはコンビニ、スーパーが普通にあるのでお弁当やお惣菜、お菓子など手に入ります。ただし室戸岬や足摺岬の近くなどでは数十キロくらい全くお店がないような場所を歩くこともあります。そんなときは予め十分な食料を確保しておきましょう。

私の場合は、自家製の保存食と調味料を持ち歩き、現地で主食、新鮮な野菜を入手して自炊をするというスタイルにしました。

⑥ 予算はどのくらい?

宿に泊まる場合は20万~40万円くらいかかると聞きます。宿代次第といえます。野宿&自炊メインの私は、予算10万円(納経代を除く)としました。

⑦ お遍路はどのくらいの日数がかかるのか?

通し打ちの所要日数は40日前後と言われます。1日に歩ける距離は、その人の体力、背負う荷物の重さによっても変わってくると思いますが、1日30キロを歩けば40日で1200キロを歩ける計算になります。

私の場合は、ザックの重さは20キロ以上になります。お遍路を歩くときのザックの重さとしてはかなり重いです。体力に自信は全くありませんが、山でテント泊をするときは20キロのザックを背負って歩いているのだから、平地を歩く方がきっと楽だろう。期間は40日前後で大丈夫だろうと考えました。

⑧ お遍路に最適な季節はいつ?

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お遍路に向いている季節、向いていない季節があります。雨がたくさん降る梅雨の季節はお遍路には向いていません。なぜなら雨が降るだけでお遍路の難易度が3倍くらい上がるからです。四国でも冬は雪が降る場所あります。防寒のための荷物も増えるため、冬のお遍路も難易度が高いと言えるでしょう。真夏の炎天下の下、一日中歩き続けるというのも体力的に厳しいものがあります。

そう考えると春や秋がお遍路に適した季節と言えると思います。私の場合は3月下旬出発としました。

お遍路に必要な装備を揃えてパッキング

お遍路のスタイル、日程等が決まったら、次にお遍路に必要なものを揃えてパッキングをしました。

① 遍路地図、地図アプリを活用

お遍路の必須道具の一番は遍路地図だと思います。全行程の遍路道が記載された歩きお遍路用の地図です。ネットでも購入できるので、あらかじめ入手しておきます。

また遍路道のGPSルートファイル(GPXファイルなど)を入手しておくと、スマートフォンでYAMAP等の地図アプリ上で現在地GPSとルート表示を見ながら歩くことができます。GPSルートを表示しながら歩けば、道に迷うリスクを確実に下げることができるはずです。

② お遍路道具

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お遍路道具は絶対に必要と言うものではありませんが、お遍路をするからにはお遍路の格好をして歩いた方が、気持ちは高まります!形から入るというのも時には大事かもしれません。

私の場合は、金剛杖、菅笠、白衣、納経帳、納札、山谷袋などを現地に入ってから、1番札所霊山寺のすぐそばのお遍路用品店で揃えました。特に大事なのは納経帳です。八十八ヶ所すべてお寺では、お参りをした証として御朱印と言われる印をいただくことができます。御朱印を納経帳(御朱印帳とも言う)に押していただくことで、記念にもなります。御朱印を集めることだけを目的にしてお遍路を歩く人もおり、スタンプラリーなどと揶揄されることもありますが、これはこれで集めていく楽しさがあります。

もちろんこれらのお遍路道具を一切持たずに歩いてもいいわけです。そういうお遍路さんもときどき見かけました。歩き方、スタイルは人それぞれなので自由だと思います。

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③ 野宿に必要なもの

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野宿は大きく2つの方法があります。1つはテントを持たずに寝袋とマットだけで野宿する方法、もう1つは山でテント泊をするときと同じような装備を持って野宿する方法です。

遍路道は屋根のある野宿ポイントが意外と多いので、テントを持たずにお遍路をしている人もいますが、より難易度が高いと言えるでしょう。私の場合は寝袋だけで野宿できる自信はなかったので、テントも持ち歩いての野宿にしました。

<野宿道具>
・野宿道具をパッキングできるザック(60L前後)
・寝袋
・1人用テント
・テントマット、インナーシートなど

④ 自炊道具

山で使うようなコンパクトで必要最小限の自炊道具がいいと思います。お米をメイン食材に考えているのであれば、おすすめのクッカーはtrangiaメスティンです。私は内部をセラミック加工したメスティンを用意しました。これ1つでお米、パスタ、ラーメン、炒め物、なんでも調理可能です。

自炊道具の重要なポイントの1つは燃料の選択です。登山などでよく使われるOD缶タイプのガスはホームセンター等に行かないと入手できません。より入手しやすいのはコンビニにも置いてあるカセットタイプ(CB缶)のガス缶です。バーナーはCB缶が使えるSOTOのレビュレーターストーブにしました。

<自炊道具>
・クッカー
・ガスバーナー
・ガス缶
・風防
・ナイフ、まな板、食器類など

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⑤ 食材

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食材はソライロ遍路の一番のこだわりポイント、秘密兵器として自家製干し肉、干し野菜を用意しました。

これらの保存食は軽くて冷蔵庫に入れなくても長期保存ができます。長期の旅において、これほど便利な食材を活用しない手はありません。手間はかかりますが、あくまでも自家製にこだわりました。

少量の調味料というのは意外と入手しづらいと思い、必要な調味料を必要な分だけ持ち運びやすい容器に入れ替えて持ち歩くことにしました。

あとは現地にて米、パスタ、ラーメンなどの主食を用意すれば、いつでも手持ちの食材で料理ができるという状態を理想としました。お金をかけずにエネルギー補給ができ、栄養の偏りが少ない美味しい自炊が目標です。

<保存食>

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・豚ロースの干し肉
・ドライウインナー
・干し大根
・干しにんじん
・干しなす
・干しマッシュルーム
・干ししいたけ
・干しきゅうり
・干し大根葉
・ドライ大葉
・干しほうれん草
・干しきゃべつ
・ドライトマト

<調味料>

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・オリーブオイル
・めんつゆ
・みりん
・塩
・砂糖
・味噌
・黒胡椒
・鶏がらスープの素
・白ごま
・鷹の爪
・一味唐辛子
・自家製粉末生姜
・自家製にんにくチップ(みじん切り状)

⑥ 電子機器類

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電子機器を全く使わずにお遍路をするという人は、おそらく稀でしょう。今の時代、スマートフォンなどの電子機器はお遍路旅に必須の道具だと思います。非常時の連絡手段でもあり、情報収集、GPS、地図、SNSによる情報発信やコミュニケーション、カメラの代わりにもなります。

お遍路中にスマホを使う場合に一番気になるのは、電波状況とバッテリーでした。心配な方は複数のSIM回線を使い分けるのが一番いいかもしれません。私はdocomo系の格安SIMでしたが、山の中や人や建物が一切ない海岸線などのごく一部の場所で電波が入らなかったことはありましたが、それで困ったということはありませんでした。

またスマホと別にカメラやその他モバイル機器を持ち歩くのであれば、より多くの電源が必要になります。各バッテリー類をモバイルバッテリーからのUSB接続で充電できるように準備します。私はヘッドランプもUSB充電が可能なリチウムイオン電池のものを持っていきました。

大容量のモバイルバッテリーはAnkerの20,100mAhを2つ用意しました。

心配症の私は、もう1つ予備的な電源としてソーラー充電バッテリーを持ち歩きました。ゼロから電源を増やすことができるソーラー充電は、持っていれば安心感があります。ただしどんなに天気がよく効率的にソーラー充電ができたとしても、ソーラーだけで電源を賄うことは不可能なので、あくまで保険的な補助電源として考えました。

<電子機器類>
・スマートフォン
・スマートフォンの予備バッテリー2つ
・大容量モバイルバッテリー2個
・ソーラーバッテリー充電器2個
・リチウムイオン充電式ヘッドライト、予備ヘッドライト、予備電池
・USB充電器
・USBケーブル複数本
・腕時計
・モバイルwifiルーター
・格安SIMカード2枚
・SDカード、マイクロSDカード、SDカードアダプターなど

⑦ 靴

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1200キロのロングトレイルを踏破するときに最も活躍してもらわなけれならないのが
靴です。

私は山で履きなれているミドルカットの登山靴を選択しました。遍路道の90%は平坦なアスファルトですが、残りの10%は山道です。20キロのザックを背負って山を歩くならば、登山靴を履いていないと不安です。アスファルトの道も歩いていれば慣れてくるだろう、もしどうしても登山靴が歩きづらいようなら途中で運動靴などを購入すれば良いだろうと考えました。

⑧ その他必要なもの

防寒着、着替え、雨具、テーピング、ファーストエイドキット、ゴミ袋、ジップロック、財布、歯ブラシ、ボールペン、洗濯洗剤、トイレットペーパー、ウエットティッシュ、張り網予備などをパッキングしました。お遍路ならではグッズとして蛍光タスキがあります。これは遍路道にある歩道の狭い長いトンネルを歩くことを想定して用意しました。

ソライロノート

準備万端のつもりでも、いざお遍路に出発してみると想定通りに行かないことも多々あり、たくさんの失敗がありました。特に、アスファファルト歩きの多い遍路道では登山靴は重く、苦しめられました。また荷物が重いせいで1日に歩く距離が思っていた以上に伸びず、当初は40日で歩く予定が53日もかかってしまいました。

1200キロのロングトレイルを歩くのは自分、苦しい道のりを自分なりに楽しんで乗り越えられるような歩き方は自分でなければわかりません。先達の声に耳を貸しつつ、自分で考えてトライをし、うまくいかなかったらやり方を変えてみる。失敗しながら最後まで諦めずに自分に合った歩き方をみつけていくのが、お遍路の楽しさの1つなんだと思います。

これはあくまでソライロ遍路の歩き方ですが、皆様のお遍路の歩き方のご参考の一助になれば幸いです。

この記事を書いた人

ソライロパスタ

YoutubeやWebサイトにて山ごはん、山パスタの動画やレシピを公開中。フリーズドライやレトルトに頼らない山ごはんを目指しています。 Web:ソライロノヲト Youtube:ソライロパスタチャンネル

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