• インタビュー
  • キャンプや登山に関わる人々へのインタビュー記事一覧です。自然に魅せられたアウトドアフリーカー、自然と共に生きるアスリート、熱い信念を持つオーナー等、その想いやヒストリー、展望など、写真と共に丁寧にお伝えします。今後の人生の選択肢のひとつとなるヒントが、見つかるかもしれません。

【自然ビト #07】自然の中に身を置くことが何よりも贅沢だった

東京は遊びに行くところ。自然を求めて生まれ故郷の長野へ

——今は長野県にお住まいですが、地元も長野なんですか?

生まれも育ちも長野県ですよ。ただ大学は東京の大学に通っていました。

——長野といえばアウトドアを楽しむのにはもってこいだと思うんですが、小さい頃からアウトドア好きだったんでしょうか?

いえ、そんなことはなくて、家族もアウトドアをやる人はいなかったんです。私自身は成人してからですね。友達とBBQをする機会があったんですが、その時、青空の下で過ごすのがすごく贅沢に感じられたんです。外で遊ぶのってこんなにも気持ちいいのかって。今では家族がびっくりするくらいアクティブになりましたよ(笑)

——成人してからということは東京での経験だと思うんですけど、その後長野に戻ったのは何故なんでしょう?

う〜ん、東京も素敵なところなんですよね。面白いイベントとかオシャレなお店とかもいっぱいあるし。けど、私にとっては東京は「遊びに行く場所」だったんです。暮らすとなったら、自然がある方がいいなと思って長野に戻りました。もちろん東京も自然はあるんですけどね、どこか作られた感じがしてしまうし窮屈だなぁって感じます。

はじめての登山、そこで感じた「贅沢さ」

——アウトドアに興味を持って、初めて登った山はどこだったんですか?

山もずっと登りたいと思っていたんですが一人では始められなくて。ちょうど友人が登る人だったから一緒に連れて行ってもらったんです。それが涸沢でテント泊(笑)。周りからは初めてで涸沢?!ってびっくりされたんですけど、彼が初めての登山で山を好きになってもらうなら上高地だ!ってことで。

初登山となった涸沢。7月でも雪が残っており雪の上にテントを張った(提供:沙彩さん)

初登山となった涸沢。7月でも雪が残っており雪の上にテントを張った(提供:沙彩さん)

——初登山でテント泊ってすごいですね。体力的にも不安はなかったんですか?

ランニングは登山をする前から2日に1回やっていたのと、体幹トレーニングも毎日やっていたので、ベースの体力は初心者のわりにはあったんだと思います。仕事をするようになって室内にいる時間が多くなると汗をかくことをしたい、体を動かしたいという欲がすごく出るようになりました。

——初めての登山の感想はどうでしたか?

初日は雨で、それでもへこたれずにテント泊したんですけど、雨のことなんか吹き飛ばすくらいに達成感が上回りました。それに翌朝が快晴だったんですよね。外にいて過ごすってことがとにかく気持ち良くて。こんな贅沢なことってある?!って思いました。長野周辺は山がいっぱいあるので、それからたくさん登るようになったんです。

朝の涸沢。白と緑と青のコントラストが素晴らしい(提供:沙彩さん)

朝の涸沢。白と緑と青のコントラストが素晴らしい(提供:沙彩さん)

——初登山で雨の中テント泊・・・でも翌朝の快晴が良いギャップを生みましたね。そこからハマったということですが、登山の魅力って何だと考えていますか?

そうですね、山は日常からかけ離れたところにあるから、自分との戦い、自分と向き合う時間だと思っています。それでいて、美しい森や流れている川、山頂での絶景、何をとっても贅沢で、歩かないとわからない世界が広がっている。それがとても魅力的です。育った環境から離れた、ある意味不便な環境で過ごすことってとても大事だと思うんですよね。水の大切さなども感じ、自分って幸せなんだって気付かせてくれます。

そしてやっぱり山頂での達成感。壮大すぎる景色ですね。一番印象深かったのが常念岳で朝日を見にナイトハイクをしたんですが、あの時間を味わったら誰もが心奪われるのではないでしょうか?

常念岳山頂で朝日を捕まえた!(提供:沙彩さん)

常念岳山頂で朝日を捕まえた!(提供:沙彩さん)

——贅沢だという感覚、すごくわかります。山で見る景色はその一瞬一瞬がとても貴重ですよね。色々山を登るにあたって、自分なりの山の楽しみ方ってありますか?

料理がもともと好きなので、山飯にはこだわりがありますね。レトルト類は使わずに楽しむようにしてるんです、体もエネルギーを求めているからそこにいいものを入れたい。贅沢な環境で自分の好きなものを食べるって最高じゃないですか。

お気に入りの山飯。あたたかい鍋や〆のラーメンは欠かせないそう、麺も乾麺ではなく生麺を持っていくというこだわり(提供:沙彩さん)

お気に入りの山飯。あたたかい鍋や〆のラーメンは欠かせないそう、麺も乾麺ではなく生麺を持っていくというこだわり(提供:沙彩さん)

栄養士の仕事をされている沙彩さん。エナジーバー作りも研究中だそう

栄養士の仕事をされている沙彩さん。エナジーバー作りも研究中だそう

キャンプを通じて、日本の四季や景色を楽しむ

——登山も十分に満喫されていますが、加えてキャンプもかなりガッツリやられてますよね。

キャンプも山と共通している部分があって、綺麗な景色を見ながら自然の中で生活するっていうことが幸せなんです。キャンプは山に比べると環境は制限がないから自分次第でなんでもできるじゃないですか。だから自然の中で自分がいやすい環境・空間を作れる、それがとても贅沢に感じられますね。そうやって、自然の中でゆっくりしたいなぁって思った時にキャンプに行ってます。

キャンプにもこだわりは十分に表れている(提供:沙彩さん)

キャンプにもこだわりは十分に表れている(提供:沙彩さん)

それと、季節を大事にしたいからキャンプでそれを体感するっていうのもキャンプの魅力じゃないでしょうか。キャンプを通じていろいろな景色を見たいって思います。料理もあらかじめ作って持ってきたりはしません。現地の名産や旬のものを取り入れて食べたいので、その場で作るようにしているんです。

——キャンプを通じて日本の季節の豊かさや地域ごとの楽しみを味わっているんですね。

そうですね、日本の美しい景色を見ているのがすごく好きなんだと思います。景色で言えば、ふもとっぱらも好きですけど、野反湖キャンプ場はすごく良かったですね。オートサイトではないのでリアカーでサイトまでギアを運ぶ必要があるけどそれも楽しくて。あとは阿寺渓谷でのデイキャンプが印象深いです。エメラルドグリーンの渓谷での川遊びは最高でした!

紅葉美しい野反湖でのキャンプ(提供:沙彩さん)

紅葉美しい野反湖でのキャンプ(提供:沙彩さん)

また行きたいキャンプ地のひとつ、阿寺渓谷(提供:沙彩さん)

また行きたいキャンプ地のひとつ、阿寺渓谷(提供:沙彩さん)

——景色や季節以外にもギアも楽しまれているように思います。かなり自作が多いって聞いたんですけど。

そうです!彼が宮大工なので作ってもらったり色々と教わりながら作っています。あまり人とかぶりたくないですしね。

これらはすべて自作!宮大工の彼に教わりながらなので作りもしっかりしている

これらはすべて自作!宮大工の彼に教わりながらなので作りもしっかりしている

あとはヴィンテージものが好きで軍モノや1点ものを買い集めています。これなんか自慢なんですけど、おそらく他では手に入らないコールマンの2バーナーなんです。

緑や赤の2バーナーが主流のコールマンからは想像つかない年季の入ったブラックカラー

緑や赤の2バーナーが主流のコールマンからは想像つかない年季の入ったブラックカラー

日本のものにも興味があって、南部鉄器とか燕産のグラスとか集めています。とにかくアウトドア用かどうかっていうよりかは自分が居心地のいい空間を作るために、欲しい道具を揃えているって感じですね。

南部鉄器や木曽檜の道具

南部鉄器や木曽檜の道具

新潟県・燕産のグラス。集めるアイテムは枠にとらわれない自分流のものばかり

新潟県・燕産のグラス。集めるアイテムは枠にとらわれない自分流のものばかり

自分の足でしか見ることができない景色を見に行く

——色々な山やキャンプ場で日本の景色を楽しまれてきたと思うんですけど、一番好きな季節ってあるんですか?

今は夏ですね。もともと夏って大嫌いだったんですけど、アウトドアをするようになって夏の素晴らしさに気づきました。標高の高い山に登れば気持ちいいですし、キャンプ場でも開放的な気分を味わえますから。夏も受け入れられるようになって、日本の四季全てを楽しめるようになりました。

——夏も克服して、一年中楽しめるようになったわけですね。これからチャレンジしてみたいことってあるんですか?

実は周りの友達は海好きが多くて、海にも遊びに行くことがあるんです。毎年海の日はみんなで遊びに行くんですけど、私だけ山に行って怒られます(笑)。このへんで海っていうと新潟の日本海なんですが、今後はビーチキャンプもやってみたいって思っています。それと京都の春のビーチは人も少なくて白浜がすごく綺麗らしいんですよね、そこでもやってみたいなぁって思ってます。

山で言えばこれまでは県内の山が多いので、県外をもっと登ってみたいし北アルプスがすごく好きだからもっと登りたい。屋久島もずっといきたいと思っています。

——島旅はまだまだ未開拓なんですか?

直近の年末年始に八丈島で過ごして初日の出を八丈富士から拝んだんですよ。急に決めたことだったので当日までノープランで、登山口までの足を何も確保してなかったので自転車で頑張って登山口まで行きました(笑)。強風で大変だったんですけど頂上でお鉢巡りも。現地の周りの人には「行ってきたの?!」って驚かれましたけど。そこに行かないと見えない景色があるなら行きたくなっちゃうんです。

八丈富士でのお鉢巡りとご来光(提供:沙彩さん)

八丈富士でのお鉢巡りとご来光(提供:沙彩さん)

——好奇心旺盛というか、すごくストイックなんですね。

何でも挑戦したくなるタイプなんでしょうね、周りからは確かにストイックって言われます。それも、今まで自分の足を使って見た景色が本当に素晴らしかったからだと思うんです。


過酷な環境での登山デビューから一気に火がついて、今では登山にキャンプにアウトドアを楽しんでいる沙彩さん。自分なりにアウトドアの魅力を持ち、日本の自然や季節を楽しみながら自身を高めている姿がとても印象的でした。

沙彩さんのアウトドアライフは、instagram(@saayaai)で垣間見ることができますのでぜひご覧になってください!

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