これからのシーズンにピッタリなトレイルランニング。ジョギングブームもあって、ロードからトレイルに転向する人も多いと聞きます。新たなアクティビティとしてオススメです。

しかし前編でもお話したように、私は全く興味がなく、走ることが嫌いです。

でも、ただ否定はしたくないので、実際にチャレンジ。
そこで教わったことは、ハイカーとして、山に楽しませてもらっている存在として、非常に大きな学びでした。

不完全燃焼の先に見えたもの

結果は25キロ地点の関門でタイムオーバーのリタイアでした。
言い訳はしません。練習不足はもちろん、完全になめていました。

コースもほぼ歩いていました。
つくづく実感したのが、『走り続ける難しさ』です。

登山をしていると、疲れたら足を止め休憩します。その習慣が走ることを拒否してしまいます。息が上がると立ち止まり、また走り、立ち止まる。その繰り返しです。

不完全燃焼の先に見えたもの|「"山を楽しみ、感謝する"ハイカーもトレイルランナーも根本は同じ|『南アルプスマウンテンマラソン』(後編)」の3枚目の画像

走る

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歩く

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走る

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歩く

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飲む

不完全燃焼の先に見えたもの|「"山を楽しみ、感謝する"ハイカーもトレイルランナーも根本は同じ|『南アルプスマウンテンマラソン』(後編)」の13枚目の画像

を続けていたら、周りにランナーがいなくなりました。
いつのまにか、ランナーというよりもハイカー気分になってしまい、のどかな景色を満喫していました。

スタート前のあの緊張感、高揚感は、遠い昔の記憶にさえ思えます。

不完全燃焼の先に見えたもの|「"山を楽しみ、感謝する"ハイカーもトレイルランナーも根本は同じ|『南アルプスマウンテンマラソン』(後編)」の15枚目の画像

この時は、自分のゴールシーンを思い浮かべ、「トレランなんて、余裕でしょ」と心の中では思っていましたが…(笑)

不完全燃焼の先に見えたもの|「"山を楽しみ、感謝する"ハイカーもトレイルランナーも根本は同じ|『南アルプスマウンテンマラソン』(後編)」の17枚目の画像

リタイアしてゴール地点へ向かうと、ランナーが次々とゴールしてきます。
ランナーの喜び、ランナーへの声援を聞いていたら、嫉妬している自分がいます。
ちゃんと準備しリタイアせずに頑張れば、達成感や歓声を得られたはずです。

トレイルランナーは、この瞬間のために、日頃からトレーニングを積み、走り続けているんだと思います。忙しい日常のなかで、トレーニングのために時間を割くことが、いまの自分には考えられないです。

それに比べ、登山は登るために練習はしません。山に登ることが練習で、本番なのです。
どちらも山が舞台ですが、全く異なるスタイルです。

実際に走り終わり、どちらが良いとかでなく、どちらが自分に合っているのかだと思います。
やらずに否定するより、やってから意見を述べたいものです。

これまで気づかなかった、山の新たな楽しみ方

そのなかで、今回の「南アルプスマウンテンマラソン」をプロデュースしたトレイルランナーの望月将悟さんの言葉を思い出しました。

日本一過酷な『トランスジャパン アルプスレース』で4連覇中の望月さん。現在は静岡県の山岳警備隊員として活動し、山を走ること登ることに関しては山のスペシャリストです。

望月さん「山登りの専門の人でも、新たな発見があるコース設定にしていますから、きっと何かを感じますよ。あと確かにトレイルランナーとハイカーの問題はありますが、私はとにかく山を楽しんでほしいという気持ちだけです」

と前日の前夜祭で言われたことで、あることに気がつきました。

それは林道です。

登山では林道を歩くことほど、つまらないことはないです。
景色もないし、基本、ダラダラと歩くだけです。

これまで気づかなかった、山の新たな楽しみ方|「"山を楽しみ、感謝する"ハイカーもトレイルランナーも根本は同じ|『南アルプスマウンテンマラソン』(後編)」の4枚目の画像

しかし今回のコースのなかで、林道だけは初心者の私もストレスなく走ることができました。これを応用して、普段の山行でも走れば、コースタイムの短縮にも繋がるはずです。
山を知り尽くす望月さんならではの山の新たな楽しみ方を教えられた気がします。

主役はランナーでもハイカーでもなく、山とボランティア

トレラン大会の事情も分からず、前日入りすると、前夜祭と称し、餅つきやらメーカー販売が行われ、まさにお祭り状態です。

初体験のトレラン会場は華やかで、ランナーへの配慮が行き届いています。なかでもボランティアさんの存在は大きく、参加者をもてなしてくれました。

話しを聞いたところ、半年以上も前から準備していたとのことです。当日は、徹夜で駐車場の管理をする人やランナーの姿を一度も見ることなく、大会を終えるボランティアの方も多くいます。

レースで崩れたコースは後日、スタッフが改修しています。
トレランの大会は沢山の方々に支えられ、応援されているんだなと教えられました。

ハイカーもトレイルランナーも根本は同じ

ハイカーからのトレランのイメージとして「山が壊れる」という声がよく挙がっています。
しかし、大会運営に携わる方々はランナー以上に山に感謝し、「山に走らせてもらっている」という自然を大切にする気持ちが伝わってきます。

レース中も、すれ違うランナーはみんな笑顔で挨拶をしてくれ、ハイカーよりも元気に挨拶してくれたのは予想外です。

裏方がいることで成り立つトレラン大会、ハイカーよりもハイカーらしいランナーに触れ合えたことは良い経験になりました。

ハイカーもトレイルランナーも根本は同じ|「"山を楽しみ、感謝する"ハイカーもトレイルランナーも根本は同じ|『南アルプスマウンテンマラソン』(後編)」の2枚目の画像

むしろハイカーのほうが、マナーやモラルが足りないなと感じました。
トレイルランニングは山の世界では新参者なだけあって、謙虚な気持ちで山に入っているのかもしれません。

自然の素晴らしさを楽しむ気持ちはハイカーもランナーも同じはずです。「ハイカーだから」「ランナーだから」ではなく、まずは山を大切にして、楽しめればと思います。

ハイカーもトレイルランナーも根本は同じ|「"山を楽しみ、感謝する"ハイカーもトレイルランナーも根本は同じ|『南アルプスマウンテンマラソン』(後編)」の4枚目の画像

前編で紹介した写真のように、いつか日本でもハイカー、ランナー、バイカーが、笑顔ですれ違える日がくれば良いです。
 

しかし正直、いまのままでは厳しいと思います。

日本人は「受け入れることが苦手」で、まず「否定や批判から入ってしまう傾向」があります。私もそうですが、トレランに対してもっと理解し、受け入れ、どうすれば共存共栄できるかを提案し、発展させていかなくてはいけないはずです。

ハイカーもトレイルランナーも根本は同じ|「"山を楽しみ、感謝する"ハイカーもトレイルランナーも根本は同じ|『南アルプスマウンテンマラソン』(後編)」の6枚目の画像

個人でどうこうなる問題ではないですが、私はいままで以上に山でランナーやバイカーとすれ違うときに笑顔で「こんにちは」「お気をつけて」と挨拶をしっかりしていきます。それだけでも、少しずつ変わる気がします。

登山歴も10年ほどで、リタイアしましたが、実際にトレランを体感したからこそ、ここまで言わせてもらいました。


でも、もう一度、出ますか?と言われたら、


いまは、ノーです!!!!!

今年も開催!「南アルプスマウンテンマラソン」

プロデューサーに望月将悟さん、コースディレクターに小泉成行さんを迎え、今年は10月15日(日)に開催が決定!気になる方は公式ページや各SNSアカウントをチェックしてくださいね。

・公式ページ:http://ma-mm.com/

この記事を書いた人

猪野 正哉

アウトドアライター。千葉県にあるアウトドアスペース「たき火ヴィレッジ〈いの〉」も運営・管理する。現在はイベントや撮影場所提供のみ。一般開放できるよう、日々、開墾中。また焚き火マイスターとしても活動している。

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