今さら聞けないタープの張り方|アウトドア歴40年の達人に訊く!#02
もくじ
いざ実践!タープの張り方を教えます
いろいろなスタイルがありますが、今回は最近流行りのロースタイルで設営します。人数がいれば同時に作業を進められますが、今回は「一人でも設営できる」ということに力点を置いて、順を追ってポイントをご説明していきましょう。
まず広げて、全体絵を描く
タープは場所をとるものなので、急に設営をはじめずに、前述の考え方に基づきレイアウトを考え、まずは広げて全体絵を描きましょう。タープは広げるとかなりスペースを取るものなので、最初の段階でしっかり把握しておくことだ大事です。
必要な道具をあらかじめセットしておく
各作業の度に道具を出していては非効率なため、ポールを立てる位置にはポールを、ペグを打つ各点にはあらかじめペグを置いておき、順番が回ってきたらすぐに作業ができるようにします。
急な風で飛ばされないよう、1本ペグ打ちをする
意外とやらないのがこの作業。せっかくレイアウトを決めたので、風が吹いて飛ばされないように1本ペグ打ちをしておきましょう。この作業をせずに風にタープやテントが飛ばされ、追いかけたことで思わぬ事故になるケースもあります。
自在ローブはある程度緩めて調整シロを持たせる
次にロープを張ってペグを各点で打っていきます。今はタープを広げただけで平面ですが実際は立体的に立ち上げることになります。したがって平面の状態でピンとテンションが張った状態ではなく、ある程度調整シロを持たせるべく自在で緩めておきます。
ペグはタープのそれぞれの角と直線上に打つ
ペグはロープが届く場所であればどこに打っても良いわけではありません。タープのそれぞれの角に対して直線上になるように打っていきます。
ペグ打ちのポイントについても簡単に触れます。
タープは最終的にはポールを立ち上げるため、ロープは写真のように上向きになります。この上向きになったロープと打ち込んだペグの角度がちょうど90度になるイメージで打ち込むと、立ち上げた時にロープやペグが抜ける心配がありません。
また、打ち込む時にはハンマーを使いますが、打つ側ではなくペグを押さえている側の手は危なくないように手袋をしておくことをオススメします。打ち込みにくい地面の場合は力を入れて打ち込むことになるため、そうすると手元がブレて押さえている手を打ってしまうことが多いです。気をつけましょう。
メインポールを持ち上げて、タープを一気に立ち上げる
すべての角のペグを打ち終わったら、ロープのループをポールに通して立ち上げます。
この時のポイントは、ポールはタープに対してやや内側に向かって立ててあげること。これをまっすぐ立てるよりも安定感が増します。
対角線上のポールも立ち上げる
次に対角線上にあるポールも立ち上げます。要領はメインポールと同様です。
これで形としては成立していますが、足りないのは「張り」です。ここからロープのテンションをかけてピシっとしたタープに仕上げていきます。
テンションをかける順序は、メインポールのある中央→両サイド
シワの一切ないピンと張ったタープは、見た目はもちろん、雨などが降った際にたるみに雨がたまらず下に流れてくれるため、非常に重要です。しっかり張っていると撥水効果も活きてきます。
そのためにテンションをかけていくわけですが、順序としてはメインポールのある中央のライン、山で言うところの稜線部分をまずはしっかり張ります。ここがたるんでいると、両サイドをどんなに張ろうとしても美しいラインは出ません。
テンションはひとつの点で一気にかけず、ちょっとずつ様子を見ながら
ある1点だけ強くテンションを張るとバランスが崩れて、シワのない美しいタープにはなりません。ちょっと手間ですが、それぞれ少しずつテンションを張ってシワが減る様子を見ながらやっていきます。
これで役割を果たし、見た目も美しいタープの完成
これで完成、見た目も美しいことはもちろん、しっかりと日除けの役割を果たしているのも見て分かるとおもいます。
今回は後方のポールをかなり低くしたロースタイルでした。これをメインポールと同様の高さにすることで、より広いリビングスペースにすることもできますし、サイドにポールを追加することでより開放的、かつ強度が増します。また、大人数が出入りしやすいスペースを作ることができます。
タープを使って、より楽しく安全なキャンプライフ
今さら聞けないタープの張り方をご説明しました。
設営方法はご存知の方も多いかもしれませんが、その前段階のレイアウトで考慮すべきことや、そもそもの設営場所の留意点など、役割や安心・安全面まで加味して設営することが重要です。
是非、より楽しく安全なキャンプライフの参考にしてくださいね。
LIFE WITH NATURE!
コースタイムの1.5倍はかかる写真大好きハイカー。登山はカメラ3台、キャンプはミニマルに、自分らしい自由なアウトドアを楽しんでいます。フィルム登山部メンバー。.HYAKKEIファウンダー&初代編集長。