
アートプロジェクトチーム『WHITE CUBE PROJECT』と考える、自然とアート。
もくじ
WHITE CUBE PROJECTとは……

自然の中で、何泊もキャンプ生活をしながらキューブ体のキャンバスに目の前に広がる自然の絵を描き、インスタレーションを完成させる、それが彼らWHITE CUBE PROJECTの取り組みです。立ち上げて1年余ですが、既にファンも付いてきており、今までにない挑戦をしようとしているこのプロジェクト。9/14〜9/17では群馬県の嬬恋でプレキャンプを行うということで、このタイミングでお話をうかがいました。
br /メンバーはとても個性豊かなこの4名。

白いつなぎ姿で統一した4人。何か面白いことを企んでいる感満載です。
安齋 洋さん(写真右)
本プロジェクトの発起人。美術家であり、プロジェクト内の絵描き担当。
小林 拓矢さん(中央右)
ギタリスト、ロックバンドMotheMANで活動。プロジェクトでは主に現地調査や宣伝、現地の顔料作りを担当。安齋氏とは地元の後輩。
清水 大輔さん(中央左)
ロゴ、名刺、グッズ、キューブ制作などの活動に必要とされるデザインを担当。安齋氏とは高校時代の同級生。
山岸 良太さん(左)
フリーランスの不動産営業マン。プロジェクト内では動画撮影、情報発信、ウェブサイト運営、対外的な渉外を主に担当。安齋氏とは10年来の付き合い。
※以降、敬称略※
完成形だけではなく、プロセスを届けるアート
ー この度は取材にお応え頂き有り難う御座います。まずはじめに、今回のプロジェクトは安齋さんの呼びかけで始まったそうですが、何故このようなプロジェクトをやろうと思ったのでしょうか?
br /そんな中、ある機会があって、試しに自分のブログでキャンバスを作るところから絵が完成されるまでを、500枚くらいの写真にして投稿してみたんです。そしたらすごく反響があって。やはり、ストーリーや出来上がるまでのプロセスってなかなか見る機会がないので喜んで頂けたのかなと。

ー そのプロセスを見せたい、伝えたいという想いは美術家の多くの人が抱いているものだったりするんですか?
自然の中で五感を研ぎ澄まし吸収し、アートとして出力する
ー インスタレーションという表現手法は近年非常に流行っていると思いますが、今回「アウトドア」と掛け合わせて表現しようと焦点を当てたのは何故なんでしょうか?
br /したがって、アウトドアで絵を描くというのは、その吸収したものを同時に出力ができるってことなんですね。それもあって、絵を描くということと、アウトドアということを一緒にするとすごく面白いんじゃないかと思ったんです。
自然の中に身を置くと、人間本来の五感が研ぎ澄まされる、これはアウトドアが好きな方にとっては共通の感覚なのではないでしょうか。それとアートが融合された時の表現というのは確かに今までにないものになりそうです。
自然への礼讃、不備な中で生まれる表現を
ー アウトドア×アートをコンセプトに取り組まれている皆様にとって、昨今のアウトドアブームをどのように見ていますか?

br /また、WHITE CUBE PROJECTの取り組みの一つに、小林がリサーチャーとして、事前に現地の事を調べています。

屋外に身を置いて表現するということ、日本人の精神性
ー ここからは登山地図アプリYAMAPを提供する株式会社セフリの春山さんにも加わっていただき、お話を進めていけたらと思います。

ー 先ほど清水さんが仰っていた「不備の環境」というのに通じる部分がありますね。

もっと外へ。アウトドアを身近に。
br /一方で、自然やアウトドアに興味のない方々に対して、どう接点を持てばいいのか、どういう形でアウトドアの魅力をお伝えすればいいのか、悩むときがあります。その点はどのように考えていらっしゃいますか?
p>
br /実は、来週行うプレキャンプの一環として、WHITE CUBE PROJECTのfacebookページにいいね!して下さった方々に、プレキャンプで安齋が描いた絵のポストカードを無料でプレゼントしようと思っています。絵が好きな方であればコレクションになるし、絵が好きじゃない人も手に取ってプロジェクトの作品に触れてもらえる。「アートからアウトドアへ」「アウトドアからアートへ」、そうやって双方を繫げていけたらと思います。ある種の仕掛けを作っていくイメージですね、待っているのではなく引っ張って来ることが必要だと思っています。
p>

プロジェクトを通じてアートをもっと身近な存在に
ー 逆にこのような活動を通して、アートの世界に提言したいことっていうのはあったりするのでしょうか?
br /たとえば、美術館に行くと完成された作品に対して「この絵は素晴らしい」「いくら相当の価値がある」みたいなことが言われてたりするわけですが、何でそんな評価がされるのか、そんな価値があるのかって勉強しないと分からないんですよ。そしてとっつきにくい。そういうのが一般の方々にとってアートへのハードルにもなっていると思うので、このプロジェクトでは、その絵がどういうプロセスを辿ってでき上がったものなのかを見てもらうことによって、その絵の価値を判断してもらえるんじゃないかって思っています。
p>
まだまだ理想に向かっている段階で試行錯誤。目指すは海外も含めたあらゆる自然下での表現

目指しているのはキューブ体の内側に目の前に広がる自然を描くこと。ただし、まだそれをどのようにすれば最適かは模索段階だといいます。
br /展望としては、海外でもプロジェクトを実行していきたいと思っており、この取り組みによって、WHITE CUBE PROJECTを通じて、その場所の事を知るきっかけにもなり、また、海外の方には、日本人の持つ独特な考え方や、自然との関わり方などを知っていただける良い機会を作っていきたいと思っております。
自然への礼讃や自然という不確実性が伴い、不備な環境だからこそできることをプロジェクトで表現する。そしてそのプロセスをカスタマーに伝えることで、どこかとっつきにくかったアートをより身近なものにしていく。WHITE CUBE PROJECTの挑戦はまだ始まったばかりですが、彼らの取り組みがアウトドアもアートもより親しみやすいものにするきっかけを作ってくれそうです。
LIFE WITH NATURE!
コースタイムの1.5倍はかかる写真大好きハイカー。登山はカメラ3台、キャンプはミニマルに、自分らしい自由なアウトドアを楽しんでいます。フィルム登山部メンバー。.HYAKKEIファウンダー&初代編集長。