• インタビュー
  • キャンプや登山に関わる人々へのインタビュー記事一覧です。自然に魅せられたアウトドアフリーカー、自然と共に生きるアスリート、熱い信念を持つオーナー等、その想いやヒストリー、展望など、写真と共に丁寧にお伝えします。今後の人生の選択肢のひとつとなるヒントが、見つかるかもしれません。

アウトドアライフスケールブランドDorr#49 その優しい野望に迫る

パラシュートの帆をモチーフとしたワンピースに、モード感すら漂うファン付きのベストまで。「“Dörr#49(以下:ドアフォーナイン)の服はアウトドアでも使える服です」というと、多くの人が疑問をいただくかもしれません。しかし、細部のデザインや機能に至るまで、そのこだわりを知ると、感嘆の声に変わることが容易に想像がつきます。

今回は、ドアフォーナインのブランドディレクター 沼田さんに、お話を伺いました。

「目指したのは生活環境のアップデート。」

私がドアフォーナインを初めて見たのは、リリース直後のプレスリリース。そのときに受けたブランドの印象は「ファッショナブルなアウトドアウェアのブランド」でした。
今回の取材で、沼田さんから説明があったドアフォーナインというブランドは意外なものでした。

「ドアフォーナインはアウトドアブランドではありません。アウトドアをキーワードに据え、家の中の生活環境をアウトドアのテイストで表現していくライフスケールブランドです。」

沼田さんが言っていた意味はドアフォーナインのプレスルームで合点がいきました。

プレスルームの一角には、プレスリリースに掲載されていた以上の服の数々に、ファニチャー類までがずらりと並んでいました。

「本当はこの家具類も販売する予定だったんですが、コロナのこの状況なので販売を延期することになったんです。アパレルの数も大きく減らしました。」

本来は東京のとある場所に店舗も構えて大々的にスタートする予定だったのが、オンラインとポップアップストアからのリリースとなったそうです。

おおよそアパレルブランドとは思えないラインナップを揃えたプレスルームを見ていると、沼田さんがこれからの展望をどのように考えているのか、興味がそそられました。

ガジェット好きの好奇心をくすぐる細かな仕掛けの数々

「60年代のスウェーデン軍のバイク部隊が着ていた、ジャケットのボタンの配置やディティールを参考にしているんです」

そう言って紹介されたのは ”モーターサイクルベスト” と名づけられたアイテム。胸のところに配置されたアシンメトリーなポケットが特徴的なウェアは、見れば見るほど、沼田さんによって仕掛けられたユーザー視点のディティールに驚かされます。

胸の部分の大きなポケットは「iPad mini」が入るサイズに設計されており、同じサイズの内ポケットもついています。背面にもボタンフックになった大きな収納スペースとなっており、キャンプシーンで置き場に困ってしまう道具たちもどんどん収納できてしまう収納性の高さが特徴のアイテム。

実際に商品について話を伺う中で、モーターサイクルベスト以外のすべての服の細かいデザインや仕様においても、沼田さんから、デザインの意図についての話がどんどん出てくるのが驚きでした。その意図については一貫性があり「いかにユーザーが使いやすいか」という一点に集約されています。

ちなみに沼田さんはデジタル機器の扱いにも造詣が深い。

「最新のテクノロジーを活用した機器は、かなり試します。最近のベストバイはApplewatch。これで電子決済も電車通勤も劇的に変わりました」

「音声デバイスはまだまだと思います。聴音の機能が弱いのかうまく指示を拾ってくれなくて」

そんなデジタル機器を導入した生活習慣のアップデートに余念がないデジタルネイティブともいえる沼田さんが作る服だからこそ、現代をサバイブする都市生活者が「使いやすい服」となっています。

機能美に”愛着”を持たせる。それにはユーロミリタリーのディティールが必要だった。

そんな現代のワークウェアとも言えるドアフォーナインの服は、機能性とは裏腹に無機質なものにまとまってしまっていない。それは、そのデザインのモチーフがユーロミリタリーを参考に作られたことに起因しているからではないでしょうか。

「デザインは物への”愛着”を持たせる意味で重要。ウェアにおける機能美という意味でミリタリーウェアは参考にしたいと思っていたが、機能への偏りが大きいUSミリタリーではなく、そのデザインにどこか愛着のもてるユーロミリタリーを参考にした」と沼田さんは語ります。

アパレルラインのモチーフを探しに古着屋を回っているときの写真。ここでユーロミリタリーと出会ったそう。
アパレルラインのモチーフを探しに古着屋を回っているときの写真。ここでユーロミリタリーと出会ったそう。  

沼田さんは、ドアフォーナインのラインナップを考える際に、自ら古着を扱う業者を訪れ、実際に服を見て回ったという。ドアフォーナインの服は、「自分自身が使ってみたいと思えるか?」という沼田さんの自問自答の上に成り立つのかもしれません。

服に心地よさを求める時代に生まれた、ファッションを楽しむブランド

「ファッションの役割が時代とともに変わってきた。昔は着る楽しさ、デザインの楽しさで夢をみさせることが服の役割だったが、今はいかに快適に過ごせるか、着心地の良さに比重がおかれている。自然環境の中で心地よく過ごすことを求められてきたアウトドアウェアの機能やディティールが、今求められる服のヒントになっている」

たしかに昨今のヨガウェアやワークウェアブームの流れをみると、その服が持つ機能性や意味的価値の重要性が増してきているように思います。

「ただ売上をもとめて、機能性の高い服を作って売ればいいのか?」

そんな問いに対して、沼田さんから出た1つの解こそが、ドアフォーナインという、パッと見でもわかるファッションの楽しさに機能性が付与されているブランドなのではないでしょうか。

ではその解はどこからきたのか?沼田さんにそのバックボーンを伺ってみました。

「若い頃は、それこそDCブランドから古着までジャンルレスに服を着ていました。キャンプを始めたのも20代の頃からです。」

ファッションの奥深さや、それが人々にもたらす価値について自身が体験してきた沼田さん。そんな彼がつくる心地よい服に、ファッションが人々にもたらす ”楽しさ” が宿るのは当然なのかもしれません。

究極的には”豊かになりたい”という人々の願望を実現したい

ドアフォーナインは現在アパレル展開のみですが、沼田さんの話から垣間見えたのは、時代を見据えた広い世界観でした。

笑顔で語る沼田さん  

「日本は古来から自然災害が多く、防災の必要性は長い間、いわれ続けています。また今年あった世界的なパンデミックもあり、生きる力が問われている時代なんだと思います。そんな生きる力を、子どもたちには遊びながら身に着けてほしい。そういう環境を作ることで、人々の”豊かになりたい”という願望を実現することが出来たらと思っています。」

沼田さんの話には、未来を見据えた”優しい野望”がありました。若いころからファッションやアウトドアとフラットな視点で楽しみながら生きる力を養ってきた沼田さん。そんな彼から、これからの世代に対しての想いこそがドアフォーナインというライフスケールブランドなのかもしれません。

ドアフォーナインのポップアップが2020年10月2日(金)~10月31日(土)で開催されます。
今回、記事の中でピックアップした商品以外にも、ラインナップが並ぶ予定ですので、是非実物をお試しください!

Dörr#49(ドアフォーナイン)期間限定ポップアップストア
Dörr#49 OUTDOOR MIND STORE
場所:玉川タカシマヤS・C 南館1F (10/17と10/24の土曜日は南館屋上にてテントや焚火台の展示販売イベント実施)
日程:2020/10/2(金)〜11/1(日)
営業時間:10:00~20:00

Dörr#49(ドアフォーナイン)公式通販サイト

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