山遊びのハイライトは登頂!だけど…

山遊びのハイライトは登頂!だけど…|「登頂だけが山遊びじゃない!海外から学ぶ様々な山遊びのカタチ」の1枚目の画像

誰よりも高く、遥か彼方まで見通す、圧倒的な到達感。山の頂を踏むことは山遊びの中で最大のハイライトです。一番眺めの良い場所で冷涼な風に吹かれれば、苦しかった道のりも忘れて次の山行計画を立ててしまうことでしょう。僕もそんな瞬間が大好きで山にハマったクチで、日本のみならず海外登山も数多く行ってきました。

山遊びのハイライトは登頂!だけど…|「登頂だけが山遊びじゃない!海外から学ぶ様々な山遊びのカタチ」の3枚目の画像

山の表情も様々です。急峻な山々は島国・日本の特徴ですが、大陸の山々は何よりスケールが大きい!標高が高いのももちろんですが、山に至るアプローチに何日もかかったり、フィールドそのものが広大です。そんな環境では登頂を目的とする登山だけではなく、必ずしも登頂を目的としない山遊びがありました。

アメリカには色々なトレイルがいっぱい

アメリカには色々なトレイルがいっぱい|「登頂だけが山遊びじゃない!海外から学ぶ様々な山遊びのカタチ」の1枚目の画像

中でもアメリカは自然好きにとって垂涎の地です。国中に色々な顔を持った国立公園や州立公園があり、レベルに応じたトレイルがいくつも設けられています。また、アメリカを南北に縦断するような超ロングトレイルも整備され、スルーハイカーと呼ばれる人たちが野をこえ山こえ谷こえて歩き通すのです。とても過酷に聞こえるかもしれませんが、僕が出会ったスルーハイカー達はみんな充実感に満ちた表情をしていたのが印象的でした。

登山を英語で見つめ直してみると…

登山を英語で見つめ直してみると…|「登頂だけが山遊びじゃない!海外から学ぶ様々な山遊びのカタチ」の1枚目の画像

彼らのようにバックパックに衣食住を詰め込み、数日から数ヶ月をかけて歩くスタイルを英語でBack Packingと呼びます。あるいは定義はありませんが、日帰りを含めた比較的短めのものをTrekkingとも言い、これらをまとめてHikingと総称します。最近では軽量化された装備でより遠く、より軽快な行動を目指したFast Packing、マウンテンバイクに装備を組み込んで野山を駆けるBike Packingも人気が出てきました。いずれも登頂そのものを目的としたものではなくて、いかにそのフィールドを楽しむかに主眼が置かれています。いわば自然と調和や共生のアクティビティなのです。

登山を英語で見つめ直してみると…|「登頂だけが山遊びじゃない!海外から学ぶ様々な山遊びのカタチ」の3枚目の画像

対して登頂という結果に比重を置いた登山をMountaineering、登攀道具を用いた登山をMountain Climbingと言いますが、これらは「登り切ること」を目的としたアクティビティです。山や自然を手中に収めるといった性格が強く、言葉に込められている思想はずいぶん異なっているのが分かります。

外来語を除いた日本語では登山か軽登山ぐらいしか見当たらず、時には一緒くたにされることもある山遊びですが、違う言語で見つめ直してみると浮かんでくる大きな違いがあるのでした。

登りだけじゃなく、下りも楽しめる!

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登頂を目的としない山遊びなら自由度がぐっと広がります。例えば南米パタゴニア地方の名峰フィッツロイはあまりにも峻険な山のため、登る人間を選びますが、足元に広がる湖までなら多くの人に門戸が開かれます。日帰りするもよし、一泊二日でテントを張ってじっくりとその素晴らしい山容を眺めるもよしです。

登頂に拘らなければ、人それぞれの自由な楽しみ方ができるのです。それに、山の頂上からの眺望は素晴らしいかもしれませんが、惜しむらくは山自身の姿を眺めることができないのですから。

登りだけじゃなく、下りも楽しめる!|「登頂だけが山遊びじゃない!海外から学ぶ様々な山遊びのカタチ」の3枚目の画像

また、登頂後の下山は時に億劫なものになりがちですが、フィールドそのものを楽しむという視点に意識を変えれば、登りも下りも退屈しません。チリのパイネ国立公園には全長130kmの周遊トレイル・パイネサーキットがあり、山や谷をこえる度に氷河湖や荒原へと景色が変化します。


「この先にはどんな風景が待っているのかな」


そんな期待を込めて下る足取りはきっと軽やかなことでしょう。ただし、転倒には十分気をつけてくださいね。

もっと楽しい山遊びを

もっと楽しい山遊びを|「登頂だけが山遊びじゃない!海外から学ぶ様々な山遊びのカタチ」の1枚目の画像

もちろん山遊びや山との関わり方にはその土地の自然環境や風土も大きく影響してきます。険しい山岳国家の日本では、長大なスケールの自然は稀少のため、結果として登頂を目的とした短期登山スタイルが定着したのでしょう。日本の近代登山史がヨーロッパ的なアルパインスタイルの影響を受けていることもあります。

けれど登頂に拘りを持ち過ぎると、いつのまにか山の魅力を忘れて、行き詰まりを感じてしまうようなこともあるかもしれません。

さまざまな視点を持ち、山というフィールドそのものの楽しみ方を知れば、今までとはまた違った山の魅力が見えてくることでしょう。「もっと高く」ではない、「もっと楽しい」山遊びを目指してみませんか?

この記事を書いた人

伊藤 篤史

1984年福島県生まれ。パンク修理も分からないまま飛び出した学生時代のアメリカ横断自転車旅行で旅の面白さにどっぷりハマり、その後4年半をかけて自転車世界一周旅行をする。 < 自分の五感で感じたものが自分にとっての真実>をモットーに地球に刻んだ轍は地球二周分80000km以上。各地を自転車で巡りながら、登山やトレッキングも楽しんでいる。世界で一番好きな場所はキルギスのソンクル湖。

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