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アクシデントを楽しめるか?慣れない海外登山だからこそ気をつけたい6つのこと

世界一周の旅に出発して約2年。もともと登山に興味がなかったぼくですが、はじめて本格的に登ったベネズエラのロライマ山の絶景に魅了され、それを皮切りに世界中の色々な山に登ってきました。

ベネズエラ・ロライマ山
ベネズエラ・ロライマ山

今回は慣れない海外登山だからこそ気をつけたいこと、日本とは勝手が違うことに焦点をあてて、ぼくが海外登山の経験から感じたことを紹介します。

1. ガイドの要否を慎重に検討する

登山道がきちんと整備されていなかったり、ルートが無数にあったりすることもある海外の山。言葉も違う環境で未経験の山にチャレンジするのは不安もあるでしょう。

そんなときに役に立つのが現地のガイド。ルートだけでなく、動物や植物に関する知識・地元ならではの山にまつわる逸話など、貴重な話を聞くことができる頼もしい存在です。

マラウィ・ムランジェ山のガイド(手にぶら下げているのは夕食用の生きた鶏
マラウィ・ムランジェ山のガイド(手にぶら下げているのは夕食用の生きた鶏

1年ほど前にパキスタン北部・フンザにあるウルタル氷河まで単独で日帰りトレッキングに行った際に道に迷ってしまったことがありました。

崖をよじ登ったり、片側が崖で幅が30cmほどしかない場所を通ったり、一歩間違えれば大怪我をしてしまいそうなエリアを彷徨うこと2時間。

パキスタン・フンザ。道に迷ったときに撮影
パキスタン・フンザ。道に迷ったときに撮影

最終的に、たまたま遊んでいた現地のこどもたちに道を教えてもらってなんとか宿まで戻ることができました。

「1人で行ったのか!?ベリーデンジャラスだ」

宿のオーナーに怒られたのを覚えています。
慣れない海外の山。ガイドの要否は慎重に検討しましょう。

パキスタン・フンザ。道に迷ったときに助けてくれたこどもたち
パキスタン・フンザ。道に迷ったときに助けてくれたこどもたち

2. 天候の違いに注意する

季節ごとの気候が比較的安定した日本とは異なり、海外には日中と夜間の温度差が激しい場所がたくさんあります。特に高いピークを目指す場合には温度差がより一層大きいので注意が必要です。
天気が良くてもダウンジャケットなどあたたかい服を必ず用意していきましょう。

海外の乾季は、雨が全く降らないようなところもざらにあります。とはいえ山は別。街で雨がまったく降らなような気候でも、レインジャケットなどの雨対策は必須です。

ペルー・ワラス。夏にもかかわらず山頂付近では雪が舞っていた
ペルー・ワラス。夏にもかかわらず山頂付近では雪が舞っていた

3. リサーチを怠らない

慣れない海外の山だからこそ事前にしっかり情報収集して万全の体制で臨みたいところ。具体的には下記の点を調べておくと良いでしょう。

・アクセス
・登山ルート、難易度、所要日数
・気候と持ち物
・ガイド・ツアー参加の要否
・(ツアー参加の場合)ツアー会社、費用に含まれているもの・いないもの、ポーター・シェフなどスタッフの人数、チップの相場

パキスタン・フェアリーメドウ。ここでの単独トレッキングは禁止。銃を持った警察官が同行した
パキスタン・フェアリーメドウ。ここでの単独トレッキングは禁止。銃を持った警察官が同行した

リサーチするときのポイント:実際に行った人に聞くのが一番!

口コミに勝る情報源は他にありません。まずは身近に同じ場所に行ったひとがいないか探してみましょう。

もしツアーに参加する場合にはツアー会社を探す必要があります。安いツアー会社にはそれなりの理由があります。ガイドの質、食事の内容、レンタル品の質、すべてが費用に反映されるものと考えましょう。

値段にとらわれすぎず、とにかく信用できるところを探すことが重要です。ぼくが海外登山を計画する際に主に行っているリサーチ方法は以下のとおりです。

・旅ブログ:

昨今は旅ブログが情報量と質の両面でとても充実しています。 「世界一周 ◯◯(国名、地名、山の名前)ブログ」などの検索ワードを入れるとヒットしやすいです。

・ロンリープラネット:

欧米人御用達のガイドブック・ロンリープラネット。街の情報だけでなく、地域によっては人気の登山ルートや費用の相場など、情報量が非常に多いのでオススメ。

4. 緊急時に備えておく

言葉も医療環境も異なる海外で、登山中にもしトラブルに見舞われたら慌ててしまうことでしょう。

山の近隣の大きな病院と連絡先を調べておくと、緊急時も冷静に対応することができます。

標高が高い山に登る場合には高山病対策の薬、食事や水の違いでお腹の調子が悪くなることもよくあるため、胃薬・整腸剤・下痢止め・解熱剤などの薬も持っておくと安心です。

アルゼンチン・フィッツロイ
アルゼンチン・フィッツロイ

5. 現地語を少しでも覚えていく

海外登山でのガイドとのやりとりは基本的に英語ですが、「こんにちは」「ありがとう」くらいの最低限の挨拶は現地語で覚えていきましょう。

ぼくの経験上、現地語で挨拶するだけで、道中すれ違う現地人や山小屋の管理人とのコミュニケーションが格段に良くなります。

パキスタン・フェアリーメドウ。現地語で話しかけて仲良くなったこども
パキスタン・フェアリーメドウ。現地語で話しかけて仲良くなったこども

日本の山で外国人から「こんにちは!」って声をかけられたら嬉しいですよね?

6. アクシデントを楽しむ余裕を持つ

今回紹介する中で、アクシデントを楽しむ余裕を持つことが一番大事だと考えています。日本なら激怒してクレームもののアクシデントが海外では頻繁に起こります。

・評判の良かったガイドを予約したら「用事ができてしまったから別のガイドを行かせる」と前日に言われた。当日やってきた来たのはガイドの弟。英語もしゃべることができず、ガイド経験もないのでただの道案内になってしまった。

・ツアーのドライバーが飲酒運転してきて、国立公園内に入ることができなかった。仕方がないので自分たちで車を運転することに。酔っ払った運転手は後部座席で寝ていた。

これらは極端な例ですが、小さなトラブルは必ずと言ってもいいほど起こります。

それらの多くは、現地では仕方のないものとして認識されています。つまり、丁寧な謝罪・対応など全くと言ってもいいほど期待できません。

不誠実な対応に怒ってしまうところですが、せっかく海外まで来て登山しているのにイライラしても楽しくないですよね?

ここは海外。日本の常識が通じるとは限らない。ひどいトラブルに遭っても、日本に帰ってからネタ話にしよう。

そんな心構えでいると、何かあってもその状況を前向きにとらえることができます。

以上、海外登山で気をつけたいこと6つでした。

敷居が高いように感じるかもしれませんが、海外とはいえ山は山。日本で登山経験がなかったぼくでも楽しめています。

日本にはない絶景を求めて、一歩踏み出してみませんか?

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