飽きのこないシンプルデザインTrangia(トランギア)のメスティン|目から鱗の『一石山鳥』な道具 #02
仙台のインドア&アウトドア雑貨店、ENstyleの川村峻介による、『一石山鳥』な道具シリーズ!第2回はTrangia(トランギア)のメスティンを三つの視点からその魅力をお届けします。
もくじ
Trangia(トランギア)のメスティン
1925年にスウェーデンで創業したTrangia(トランギア)は、合理主義を追求したシンプルなデザインが特長です。
その中でも「メスティン」を愛用している人も多いのではないでしょうか?
飽きのこないシンプルなデザインと機能性が兼ね備わっているのが、いかにも北欧らしい。
本国のTrangiaのホームページを見てみるとスウェーデン語では「matlådor(お弁当箱)」と紹介されている通り、見た目はお弁当箱。
英語でも紹介されていて、そちらでは「messtins(携帯食器)」。
日本では、このmesstins(メスティン)という呼び名が主流になっています。
携帯食器という意味ですが、ミリタリーな携帯食器兼調理道具のようなものを指すことが多いみたいです。
しかも、メスティンという言葉は一般名称なのですが、メスティンといえばトランギアを思い浮かべてしまいます。
さて、このメスティンはどのように一石山鳥なのか?
アウトドア:炊きたてご飯を頬張る喜び
煮炊きができる万能鍋として。
アルミ無垢なのでフッ素加工の鍋より焦げやすいですが、そこはご愛嬌。
山で使う他の鍋と比べた時に、本体と蓋の締まり具合が特に良いので炊飯に適しています。
炊きたてのご飯は美味しい。それが外だったらより美味しく感じてしまいます。
炊けたかどうかの確認は、いつもドキドキワクワク。
蓋の締まりは良いものの、やはり沸騰のボコボコで蓋が開くこともあります。
蓋も熱くなっているので、その熱を利用できるものを重石にしてあげると一石二鳥。
蓋の上に水を入れた鍋を置けば、お湯を作ることも出来るので固形スープを溶かして飲むこともできます。
缶詰めを温めるのにも使えます。
炊きたてご飯に缶詰カレーをかけて食べる。
美味い!
ちなみに取っ手の無い鍋などに使えるハンドルを利用すれば、蓋をフライパンのようにして使えるのが嬉しい。その際は、エバニューのハンドルがガッチリと蓋を掴むことができるのでお勧めです。
ただし、ハンドルを付けたまま加熱しているとハンドルが熱くなるのでタオルを巻いて使う、もしくは移動する時だけハンドルを使うなどの注意は必要です。
あとは、メスティンを買った際に「バリ取り」という荒れたフチを紙やすりやナイロンたわしで整えてあげる作業をしてあげると、その後の使いやすさが良くなります。
怪我も少なくなりますし、なにより道具を手入れすることで愛着が湧きます。
普段使い:うちパーティーでドドーンと!
米を炊くなら炊飯器があります。
だけど、友達と自宅パーティーをする時に、炊きたての炊き込みご飯をメスティンごとドドーンとテーブルに置いたらインパクトがあって盛り上がります。
トマトとサバのチーズリゾット風。
丸ごとトマトを崩して全体を混ぜる。トマトの水分とご飯とチーズがよい感じに絡まってリゾット風になります。
オリーブオイル漬けの鯖缶も合う。
パエリアも鍋ごと出されるからインパクトがあるのだと思います。
そして気になるのが「 失敗したら?」ということ。
水分が少なくて芯が残ってしまったら水と和風だしを入れて加熱すれば雑炊っぽくなります。
他には牛乳を入れて加熱し、芯が無くなったらチーズを入れてリゾット風にしても美味しいですよ。
水分が多すぎたのなら、蓋を外して様子を見ながら加熱。
蓋がないと水分が蒸発しやすくて水分をとばしやすいです。
こういった挽回のしやすさもメスティンの魅力と言えます。
さらに通常サイズとラージサイズを使って湯煎をすればチョコフォンデュも簡単にできます。
山でチョコフォンデュをした時に、メスティンくらいの大きさがあっても良かったなと感じてからは普段でもメスティンを使ってフォンデュしています。
イザという時:電気がなくても作って食べる
電気が使えない。そうなれば炊飯器が使えない。
「炊飯器でしか米を炊いたことがない」と「火を使って米を炊いたことがある」は大きな違いです。
メスティンで米を炊く経験を得ることで、電気が使えない環境に陥ってもカセットコンロで、炭火で、焚き火で米を炊くことができるかもしれない。
炊飯器じゃないもので米を炊く経験。
炊飯に向いているメスティンをアウトドアや普段から使うことで、イザという時にご飯を食べることができるのは心にゆとりが持てます。
食事はとても大切な時間。
ご飯は美味いし、なんでかホッとする。
そしてメスティンのラージサイズは、Wildo(ウィルドー)というメーカーのボックスがぴったり収まります。
Wildoもスウェーデンのメーカー。
やはり同じ国の道具を意識してサイズを決めたのでしょうか?
気になります。
こういった偶然の「ぴったり」を「シンデレラフィット」と呼びます。
ガラスの靴がぴったりはまるかの如くです。
調理と味付けセットを用意しておけば、アウトドアはもちろんイザという時にも役立ちます。
最後に
普段の調理の中で、米を炊くことだけが電気にだいぶ頼っているように感じます。
炒める、焼く、煮る、蒸す、揚げる。
IHや電気オーブンなどもあるけれど、それらの調理方法は火を使うことでできます。
日本で一番身近な主食のご飯も火を使うことで作れる。
その経験がきっと役立つ時があります。
炊飯器はとても便利な道具です。
だけど、たまには火で炊いたおコゲ付きのご飯を頬張ってみるのも良いと思います。
きっとご飯と一緒に小さな幸せも噛み締めることができます。
お米、好きっす。
一石山鳥とは
アウトドア、普段使い、イザという時。この三つのシーンから見た一石三鳥な道具を、仙台にあるインドア&アウトドア雑貨店ENstyleの川村峻介が紹介する連載コーナー。
アウトドアを絡めて紹介していくので、一石三鳥の三を山としました。
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