R1フリース史上最高の保温性を誇る「R1サーマル」がこの秋登場 パタゴニア / R1 サーマル・ジャケット|町田直哉のGEAR REVIEW Vol.002
ハイカーの町田が山道具を使ってレポートする連載。その機能やフィールドでの使用感を確認し、その特徴を余すことなくレポートします。今回はパタゴニアの「R1 サーマル・ジャケット」を紹介します。
10月に入っても半袖で過ごせる日が続いていますが、今年も秋は忘れ去られてしまったのでしょうか?それでも山に出かけて標高を上げていくと季節の移り変わりを感じることができます。また10年もすれば違った感想を抱くのでしょうが、それはまたのお楽しみに。今回は、京都の裏山ハイクで使用した パタゴニアのR1 サーマル・ジャケットのレビューです。
その着心地は?
R1に関わらず、アクティブインサレーションやインサレーションなるものを毎シーズンためさせてもらっています。ここ最近はアクティブインサレーションの動きが活発で、POLARTECのアルファダイレクト・帝人OCTA・プリマロフトアクティブがメインどころといえるでしょうか。大きな機能性に違いはなくとも、細かな使用感によって、好みが分かれてくるような印象です。パタゴニアのR1シリーズは風抜けという意味でいうと前述の3素材と比べるとやや劣りますが、その魅力は耐久性と用途の広さ着心地の良さにあると思います。
少し話が逸れるのですが、パタゴニアのR1・2フリースとは何かご存じでしょうか?
Rはレギュレーター・フリースの略称です。レギュレーターというのは調整という意味があり、アウトドアアクティビティ下における体温調節や湿度調整において適した状態に“調節”するためのフリースという意味が込められている。つまり、Rを関するフリースは「保温性」と「通気性」が付帯されています。
R1・2というのは保温性のグレードと思ってもらって相違がないかと思います。
1が最も保温性が低く2が最も保温性が高いものになります。
また同じR1の中でも「R1」「R1エア」「R1テックフェイス」に分かれます。
R1がベーシックなものだとすると「R1エア」は通気性に優れる行動着。「R1テックフェイス」は耐摩耗性、耐風性に優れるテクニカルウェア。
そんな中、今回紹介する「R1サーマル」が今回新登場した保温性に優れるインサレーションです。
グリッドフリースは裏起毛で肌触りの良さもありながら、フリースの嵩が従来のモノに比べると高く保温性に優れています。
より気温が下がる積雪期の登山や、小屋・テント泊時の保温着として活躍してくれそうなアイテムです。
今回は、そこまで冷え込んだ日でもなかったのですが、京都は比叡山のハイクで使用してみました。
いざフィールドへ
この日の比叡山の気温は最低:6℃ 最高16℃ とここ2週間だと比較的冷え込んだ日でした。
私自身、かなり代謝が高く汗っかきなので、普段からこれくらいの気温であれば撥水ベースレイヤーに速乾系のロンT、薄手のアクティブインサレーションで登るのですが、この日はアクティブインサレーションの代わりにR1サーマルを着用。
ただこの暖冬を予感させるような秋のハイクだとR1サーマルのスペックはオーバーかもしれないと思いました。蒸れるほどではなかったのですが、「少し寒いくらい」のウェアでハイクに臨む私は汗が拭く出してくる前に、チャックを開けて通気性を確保しました。
ハイクを開始して1時間。しばらくして驚いたのは、蒸れにくさです。
これまで使用していたフリースであれば、前開きにしていても袖の部分が蒸れてきてすぐ脱いでしまっていたのですが、R1サーマルはそこまで気になりません。
特に風にあおられると、その通気性を感じることができます。
また動きを妨げないのも、R1サーマルの魅力でしょう。
ウェアのパターンというより、素材自体の伸縮性が優れているためツッパリ感は全くないです。
ハイクやトレランを普段からしている私だとそこまで動きの可動性を必要としないのですが、アンバサダーの中でもクライマーのインサレーションとして高い支持を集めていたという前評判は理解できました。
また今回のハイク以外にも普段着や犬の散歩、東北出張時の仕事着として20日ほど着用しましたが、20度前後の気温にでもならない限り脱ぎ着した覚えはありません。また毛玉や生地の傷なども気になるところもありませんでした。
これから始まる冬に向けて本格稼働になるわけですが、どんな変化がみられるか楽しみです。
これからが本番のR1サーマル
前述のとおり、秋のシーズンだと3000m級の高所登山や日本海側の積雪がある地域でもない限り現状まだオーバースペック感が否めないですが、11月に差し掛かり冷え込んできた時こそメンズ・R1 サーマル・フルジップ・フーディの主戦場になると思います。特にその通気性の良さはぜひこの記事を読んでくれた方にも感じてほしいです。
.HYAKKEIを運営する会社の代表
.HYAKKEIではディレクター兼フロントを担当。仕事中心の生活で、煮詰まった時に行くソロ登山が趣味。
ストレス度合いに応じて登るコースの難易度が変化し、日帰りの丹沢ハイクから、厳冬期のエベレスト街道まで経験。