• キャンプや登山に関わる人々へのインタビュー記事一覧です。自然に魅せられたアウトドアフリーカー、自然と共に生きるアスリート、熱い信念を持つオーナー等、その想いやヒストリー、展望など、写真と共に丁寧にお伝えします。今後の人生の選択肢のひとつとなるヒントが、見つかるかもしれません。
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キャンプ場という枠を超える。スウィートグラスが提案する自然に従う暮らし

キャンプブームと言われている昨今。関東にお住まいでキャンプをしている方でしたら「北軽井沢スウィートグラス」というキャンプ場はご存知ではないでしょうか。

”日本一のキャンプ場”とも言われているスウィートグラスが表現したいことや目指しているもの、最近のキャンプブームについてどう考えているのか。

統括マネージャーの梶野さん、現場からサブマネージャーの山崎さん、武田さんに話を伺ってきました。

キャンプ人口は増え続けている。

——山崎陽平さん、よろしくお願いします。まずは山崎さんの仕事内容について教えて下さい。

私はキャンプ場の運営全般に関わりつつ、年間を通してキャンプ場で行われるイベント運営などの業務を担当しております。

——キャンプ場の”現場”にいる山崎さんからみて、最近のキャンプブームについてどうお考えですか?そもそもキャンパーって増えていますか?

すごく増えてますね。元々夏場が一番お客様が増える時期でサイトが埋まりますが、最近は春と秋も増えてきていますし、今年は特に冬も増えてます。年間を通して来客は平準化しつつありますね。

3月中旬にもかかわらずこの雪の量。

3月中旬にもかかわらずこの雪の量。

——冬のキャンプってどんな客層なんですか?

冬に関しては、若い人が多くなってます。もともと冬の期間、平日はキャンプサイトを閉めてたんですけど、お客様から要望があって1月後半からは平日もキャンプサイトを利用できるようにしたくらいに、お客様が冬キャンプを楽しみにしてくださってますね。

——そうなんですね。やっぱりブームというか、全体的にキャンプ人口が増えているみたいですね。スウィートグラスでは、このブームに関して何か課題点や考えなどはありますか?

道具の扱い方やマナーなど、まだしっかりと把握されていない方へのアプローチが課題点だと思います。我々スウィートグラスのコテージの全てに薪ストーブが設置されていますが、換気不足や室内で炭火を使用すると一酸化炭素中毒になる危険性があります。それは昨今の冬キャンプでも同じことが言えると思います。

薪ストーブがすべてのコテージに設置されています。

薪ストーブがすべてのコテージに設置されています。

トントゥの庭は室内でハンモックが楽しめます。

トントゥの庭は室内でハンモックが楽しめます。

——そうですよね。アウトドア、自然がフィールドだからこそ、キャンプ場といえどもやはり危険は伴いますよね。

そうなんです。我々は「場」を提供していて、フィールドという場に対しての責任を負っています。しかし、相手は自然のため、その全てに責任が負えるのかいうとそうではないです。
もちろん「相手が自然だから」と放り投げるわけではないので、お客様の安全を最大限考えたうえで、おもいっきり楽しんでもらえる場をつくるというのは難しくもあり、やりがいでもありますね。

人気イベント「超宴」の打ち合わせをする山崎さん。

人気イベント「超宴」の打ち合わせをする山崎さん。

——ありがとうございます。話は変わりまして、スウィートグラスとして、キャンプというもの、アウトドアというものにこれからどういった形でアプローチしていこうとお考えですか?

私の中ではアプローチの対象は「大人」にではなくて、「子供」にすべきだと思っています。今の子供達って火を見たことが無いとか、現代ならではの現象が起きてます。
しかし、実はそれは何も子供だけに言えることではなくて、大人にも言えることでもあるんです。

例えば、子供達だけで火をおこすイベントを行っていますが、子供達が一生懸命やっている横で、お父さん達の方が必死に火熾ししていることもあるんですよ。

大人たちが最初から火熾しにやっきになるというよりも、子供達が興味を持ったことに大人も自然と興味を持ち始めて、という瞬間でもありましたね。

——それは面白いですね。

そうなんですよ。子どもたちって自分が興味を持ったことは、すごく主体的に取り組むじゃないですか。だから、例えば都会の若い人や大人へのアプローチも無理にスウィートグラスとして集客をするつもりはないんです。

それよりも、この北軽井沢という四季が美しい土地にいて、キャンプ場としての場をしっかりと整えておいて「いつでもおいで!」といえるようにしておくことが大切だと思ってますね。

——なるほど。積極的な”待ち”の姿勢といいますか。

はい。先ほどの子供たちの話じゃないですけど、自分から欲して、調べて、感じるからこそ物事は続くのだと思うんです。

ですから、我々はこの土地の良さ、過ごし方、生き方を自分たちのブログなどで「見える化」して、それにお客様のアンテナが引っかかった時に「場を準備してお待ちしてますよ!」というスタンスです。そして、実際に来てくださったお客様にはそれ以上の感動を持って帰ってもらう。これを繰り返すだけですね。

——たしかに。スウィートグラスに来ると、ここに来るだけで感動することもありますからね。山崎さん、どうもありがとうございました!

女性も安心してこれるキャンプ場がスウィートグラス

——続きまして、女性スタッフの武田つぐみさんにお話を伺います。早速ですが、キャンプ場で女性スタッフって珍しいと思いますが、女性目線でみるこのキャンプ場の良さってどこだと思いますか?

まず、ありきたりかもしれませんが、トイレが綺麗で暖かいというところでしょうか。暖房がついているため、綺麗なだけでなく暖かいのがいいというお客様もたくさんいらっしゃいます。

——冬でも開いているキャンプ場ならではの話かもしれませんね。他にもありますか?

他にも「炊事場でお湯が出る」ですとか、お客様アンケートでは「キャンプ場や清掃スタッフの方々が子供の相手もしてくれていて、おかげで少し目を話しても大丈夫という安心感がある」という声を頂くこともあります。

キャンプ場全体として子供好きというか、子供と一緒になって「わーっ」と遊ぶことが当たり前のような空気感があります。そうやって子供を常に気にかけて動けるスタッフがいるという点でもお母さんに優しいキャンプ場だと思いますね。

炊事場、トイレは暖房付きで冬は暖かい。

炊事場、トイレは暖房付きで冬は暖かい。

——武田さんが思う、スウィートグラスの好きなところ、良いところってどこですか?

キャンプ場のいいところは「自然」だと思います。朝起きて、浅間山がとても雄大に感じて。鳥もたくさんいて、歩いて行ける森がある。言葉にするとごくごく普通のことのように感じますが、ここに住んでそれが日常になり、なおさらこの魅力に惹かれています。

女性スタッフも男性スタッフと一緒に雪かきを。

女性スタッフも男性スタッフと一緒に雪かきを。

——武田さんはブログを担当されていて、鳥や森の動物に関して発信されてますよね。

そうなんです。ブログの中でこの北軽井沢の自然や鳥の写真を載せています。
キャンプ場に来るお客様は都会の人が多くて、鳥や自然の見方がわからない方がたくさんいらっしゃるんだなーと感じています。そういったお客様にこの土地の良さを知ってもらえればいいなっと思って情報発信をしてますね。

——施設が非常に綺麗だけど、それだけじゃくて自然もある。それが北軽井沢スウィートグラスということですね。武田さん、ありがとうございました!

キャンプ場という枠を超えた存在に。

——最後に、統括マネージャーの梶野さんにお話を伺います。今更ですが、スウィートグラスって創業して何年目ですか?

1994年に創業をして今年で23年目になりますね。おかげ様で23年連続でお客様が増え続けている状況です。

——え!23年連続ですか!すごいですね。北軽井沢という土地でそれは本当にすごいことですよね。

ありがとうございます。その「北軽井沢という土地で」ていうのが我々の大きなキーポイントですね。

言ってしまえば、都会から遠いこの辺鄙(へんぴ)な土地で小さな中小企業がここまで皆様に支持を頂いているというのは、一般的に考えて難しいことです。ここ北軽井沢は、浅間山を始めとした、山、木、水、雪、森、緑、紅葉など、本当に自然が豊かでここの魅力を最大限に活かすことで我々きたもっく(スウィートグラスの運営会社)は大きくなってきました。

四季の美しい北軽井沢。紅葉の時期もとても綺麗です。

四季の美しい北軽井沢。紅葉の時期もとても綺麗です。

——私も何度も来てますが、いつ来ても浅間山に圧倒されますね。梶野さんが考える、スウィートグラスの魅力や目指しているものって何ですか?

スウィートグラス単体というよりも、きたもっくという会社全体での話になりますが、きたもっくという会社はスウィートグラスというキャンプ場をメインにして事業展開をしています。

しかし、キャンプ場にただ単に人を呼びこむだけじゃなくて、北軽井沢というこの場所、地域を活かして、それをライフスタイルや生き方にまでつなげてお客様と共有していきたいと思ってます。

そこには「ルオム」という思想があって、それは「自然に従う生き方」という意味なのですが、それを伝える場がスウィートグラスという位置づけです。ある意味、キャンプ場という概念を壊したい、その枠の中に収まりたくないんです。

ここでの暮らし、自分たちの生き方っていうのがとても大事で、それがキャンプ場の建物にも反映されてますし、それが更にライフスタイルにも影響をしてきます。

例えば、浅間ストーブという薪ストーブの販売も事業展開していますが、キャンプ場のすべてのコテージに薪ストーブが入っていて、それもその一つ。北軽井沢にある物(薪)を燃料にして暖をとります。とても理にかなっていて、合理的なんです。それをお客様に共有していきたい、それがまさに自分たちの暮らしなんですよね。

その土地に根付いた暮らしをするということを大事だと考えていて、それをデザインしてシーンを見せる。そして、キャンプ場に来てくれたお客様とそれらを共有していきたい。取ってつけたようなものではなくて。

薪事業では浅間高原の薪を地産地消。

薪事業では浅間高原の薪を地産地消。

——「自然に従う生き方」素敵な言葉ですね。この考えをもっと都会の人に味わってほしいというような思いはありますか?

正直あまりそういうのは考えてないですね。なんだかおこがましいといいますか。
ここに来て「自然に触れて!」とか「自然を感じろ!」というのではなく、「こういう自然がありますよ。こういうライフスタイルがありますよ」というように、都会にない価値観がここにはあるんだっていうのを、感じてくれたらいいなって思っています。それが自然と都会の人にまで伝わっていければそれでいいですね。

スウィートグラスで見る星空は圧巻の一言。

スウィートグラスで見る星空は圧巻の一言。

——積極的には呼びかけないんですね。

お金をかけて広告宣伝を打つというわけではなくて、例えばお客様の口コミであるとか、スタッフが書いているブログなどで知ってもらえるのがいいと思っています。ブログも実際にスタッフがこの場で生活をしていて感じたことや体験したことを表現して、読んだ人に「あ、こういうの良いな。行ってみたいな」と思ってもらえたらそれでいいです。

だから我々は、そういうことを感じることができる【場】と【シーン】を作ることをやっているだけで、それをお客様が共感して来てくれる。お客様が感じて、持ち帰って、それだけで良いんです。

自分たちがすることは、お客様がこのスウィートグラスという場所で素敵な体験ができる、そういう場をしっかり作っていくことだし、それができていれば自然と口コミで広がっていくと思ってます。

——ブログいつも読んでいて、すごく説得力があると思ってました。それはその土地に住んでいるからなんでしょうね。梶野さん、お忙しいところありがとうございました!

日本一のキャンプ場と言われている北軽井沢スウィートグラス。その理由は徹底的なまでのリアルな北軽井沢の暮らしを表現しているからなのかもしれません。

自然に従う生き方、ぜひ週末に感じてみませんか?

*北軽井沢スウィートグラス
雄大な浅間山の麓にあり、「自然に従う生き方」を提案するオートキャンプ場。
sweetgrass.jp
問合せ・予約先:0279-84-2512

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