【登山記Vol.22 飯豊山】東北のアルプス!?3つの県にまたがる秘境「飯豊山」を実際にレポート!/バン旅百名山
バンライフを送りながら、1年以内に日本百名山制覇を目指す大学生2人組の企画。今回の登山先は東北のアルプスとも言われている「飯豊山」。山頂までの道のりが長いため、1泊2日のコースが一般的ですが、飯豊山の日帰り登山コースの実際の登山レポートなどもご紹介していきます!
もくじ
東北のアルプスとも言われる「飯豊山」の特徴は?
標高2105mの飯豊山は山形県・新潟県・福島県の県境にあり、標高差が1500mと山行距離も長いため、技術と体力が求められる中・上級者向けの山です。一般的には1泊2日のコースで山行を計画する人が多く、自分の経験に見合った登山計画を作成することをおすすめします。また飯豊山周辺は豪雪地帯のため7月上旬まで雪が残っていたり、冬季は通行止めなどの交通規制がされていたりするため、山の雪状態だけでなく交通事情なども事前に確認しておきましょう。
飯豊山の全体地図はこちら!
山頂までの道のりが遠い2つのレベル別コースを紹介!
1泊2日で飯豊山山頂を目指すロングコース!_大日杉コース
こちらは、大日杉小屋から始まり本山小屋で1泊してから山頂に向かう一般的なコースです。登山道からすぐの場所にある鎖場「ザンゲ坂」で一気に急登し、高度を上げていきます。また、山頂までの道のりにかけては鎖場やガレ場が2時間ほど続き、山頂小屋からは美しい稜線を望みながら緩やかな道を歩きます。登山道には水場も複数ヵ所あるので、美味しいお水をゲットするのもおすすめです!
日帰りで挑戦できる健脚者向けコース_御沢登山口コース
こちらは1日の往復距離が20kmを超え、アップダウンの激しい山行が続くため上級者向けのコースです。日帰りで帰るためには、早朝に出発しなければなりません。体力に自信がある方におすすめです。山行は長いですが、三国岳までのガレ場では遠くに見える飯豊山山頂や、美しい稜線歩きを楽しむことができます。また途中で冷たい湧き水が流れる水場を通るなど、水分補給にもおすすめのスポットもあります。
体力に自信がない方は、本山小屋で宿泊することを視野に入れておきましょう!
20km超えを日帰りで!飯豊山登山を実際にレポート!
ここからは実際にイケダとコスギの山行を写真とともにお届けします。飯豊山はコースタイムが長いため1泊2日の縦走で山頂を目指すのが一般的ですが、今回はそんな飯豊山を日帰りでレポートします。
御沢登山口から登山開始。長い林道を経て地蔵山下分岐へ
御沢野営場駐車場から登山口までは砂利道を500mほど歩きます。駐車場には電波が通っていないため、地図のダウンロードなどは駐車場に到着する前に済ましておきましょう。
登山口に到着です。ここから地蔵山下分岐まで約2時間30分、急登の多い林道を歩きます。
林道区間にはこのように約500mおきに標識があるので、自分の現在地がわかりやすくなっています。
勾配のきつい林道を登っていくと、左側にこれから登る三国岳の姿が。美しい稜線が疲れた身体を癒してくれます。
林道も終盤のところには湧水もあり、長い林道区間で乾いた喉を潤すこともできます。
登山開始から約2時間で林道区間の終点である地蔵山下分岐に到着です。この分岐を左にいき、中間地点である三国岳を目指します。
大迫力の稜線を歩き中間地点の三国岳へ
地蔵山下分岐から三国岳までは視界が開け、大迫力の稜線歩きを楽しむことができます。
時折、ほぼ垂直の岩場を登るところもあるので、ロープや鎖を使いながら慎重に登ります。振り返ると、これまで通ってきた美しい稜線を見ることができます。
地蔵山下分岐から約40分で中間地点である三国岳避難小屋に到着です。こちらの避難小屋は夏の期間は宿泊も可能。夏以外は無人解放しています。三国岳からは飯豊山本山や飯豊連峰の最高地点大日岳を望めることができる絶景スポットの一つです。
アップダウンの連続!宿泊もできる切合小屋へ
三国岳避難小屋から切合小屋までは激しいアップダウンが続きます。自分たちのペースでゆっくりと進んでいきます。また、ハシゴ場や鎖場なども点在するためスリル満点!
三国岳避難小屋から約50分のところにある種蒔の標識からは視界が開け、飯豊山を望むことができます。6月下旬でも雪渓が点在しているため軽アイゼンを持参しておくと安心です。
切合小屋まで約5分のところに本日のベストスポットが!飯豊連峰の最高地点である大日岳が稜線に白い雪を被りそびえ立っています。まさにここは東北のアルプス!
三国岳避難小屋から約1時間で切合小屋に到着です。夏の期間は2食付きの宿泊やテント泊が可能。
切り立ったナイフリッジも。山頂間近の本山小屋へ
切合小屋からほどなくして雪渓歩きが始まります。比較的緩やかな斜面を登っていき、夏道へ戻ります。私たちは軽アイゼンを付けずに登りましたが、雪の状況は毎日変化するので軽アイゼンの持参は必須です。
本山小屋直下にある御前坂の手前には写真のような岩場があり、人一人分の幅しかないナイフリッジを通ります。日常では味わえないスリルがここに!
飯豊山への登山も終盤です。写真前方にある最後の坂「御前坂」を登ります。実際に見ると果てしない登りのように感じますが、景色を楽しみながら登っていると案外ケロッと登れてしまいます。この御前坂を登り切れば本山小屋に到着です。
切合小屋から約1時間20分で山頂目前の本山小屋に到着です。建物の隣には飯豊山神社もあります。夏の最盛期には連日満員になるため事前に予約しておくと良いでしょう。
いよいよ飯豊山山頂へ。息をのむ大絶景が!
本山小屋から飯豊山までは平坦な道が続きます。左右に雄大な山々の稜線を見ながら山頂を目指すこの道は、まさしくビクトリーロード!
登山開始から約4時間50分、ついに飯豊山に到着です。飯豊山はコースタイムも長く、標高差1500mの超重量級の山ですが、その分達成感を感じることができました。余裕のある方は山頂から飯豊山の最高地点である大日岳を目指してみるのもありですね。
山頂からは息をのむ絶景が。飯豊連峰の雄大な稜線や、朝日岳、運が良ければ日本海までも見渡すことのできる超絶景スポットです。
イケダ・コスギ的ベストスポット&ピクチャー
本日は切合小屋手前にある、大日岳を眺めることができる絶景スポットではしゃぐコスギを選出。まさに東北のアルプスと呼ばれるのも頷けます。
本日のスケジュール
コースタイムには個人差があるため、参考程度にご覧ください。
御沢登山口(5:10)
三国岳(7:10)
切合小屋(8:50)
飯豊山山頂(10:00)
切合小屋(11:15)
三国岳(12:05)
御沢登山口(14:06)
最後のトイレはここだ!
【大日杉コースを利用する方】
1. 大日杉小屋
2. 切合小屋
3. 本山小屋
【御沢登山口コースを利用する方】
1. 御沢野営場駐車場
2. 切合小屋
3. 本山小屋
避難小屋の利用料金はいくら?
≪大日杉小屋≫
宿泊(素泊まり):大人1500円、中学生以下750円
休憩:1日300円、半日150円
≪切合小屋≫
1泊2食+協力金:8000円
協力金(素泊):3000円
テントサイト料:1000円/人
≪本山小屋(飯豊山避難小屋)≫
協力金:2500円
テントサイト料:1000円/人
まとめ
いかがだったでしょうか。飯豊山は山頂までの距離が20kmを超え、今回は日帰りで登頂できたものの、下山後は足への疲労を痛感しました。距離は長いとはいえ、急勾配な道が続く頻度は少なく、じわじわと足に疲労が溜まっていきます。そんな中でも、御沢登山口コースの途中にある水場のお水はとても冷たく、美味しい水をゲットすることができるので本当におすすめのスポットです!
以上、「飯豊山」からでした!
次回予告!次なる山は「西吾妻山」
次なる山は山形県と福島県にまたがる火山群の主峰「西吾妻山」。新緑の美しい林道は登山者の心を癒してくれること間違いなし!吾妻山火山群周辺には名湯や秘湯があり、登山帰りに立ち寄るものありですね。東北編もあと少し!次回もお楽しみに!
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現在絶賛休学中のおんせん県大分の大学に通う大学生。
学生初、バンライフをしながら一年以内に日本百名山全山登頂を目指して奮闘中。
二人とも関西出身で、アウトドアや登山が大好き!