飛行機なしで世界一周を完遂。滋賀の個性派店主が想うアウトドアなこだわり
日本一の湖、琵琶湖。その西側にまるで琵琶湖を見下ろすように連なる比良山地。
「TOPPIN OUTDOOR&TRAVEL」は、そんな琵琶湖と比良山地に挟まれた自然豊かな滋賀の地にあります。色づく木立のなかに静かに佇む店内には登山、キャンプ、ロッククライミングに関わる品がずらりと勢揃い。
ロッククライミングクラブも主宰しているという店主の加倉大輔さんは、なんと飛行機を使わないで世界一周をしたという経験の持ち主です。
もくじ
なんでも相談できる、自然のなかの遊びの指南役
お店に入ると目に飛び込んでくる商品の多さにまず圧倒されます。
「なんでもあるというのが、うちの特徴です。登山、キャンプ、ロッククライミングに関するものはこだわりなくそろえるというのがこだわり」と話す加倉さん。
取材日は平日でしたが、アウトドア用品を求める方が次々と来店。加倉さんや奥さんの佳子さんは「えっと、あれはどこだったかな……」と言いながら、訪れたお客さんの相談に丁寧にのっていました。
お店がある滋賀県の湖西地方は整備された登山道やキャンプ場が点在しています。四季折々にレジャーを楽しめるところだけあって、キャンプの途中で足らないものを買いに来る家族づれや、登山用品を買いに来たついでに山の情報を仕入れるハイカーも多いのだとか。
「このあたりでオススメの山はありますか?」と聞くと、最近オープンした「比良比叡トレイル」を教えてくれました。
比叡山から比良山地の尾根を歩いて、2泊3日で朽木まで至るトレイルで、最近オープンしたばかりだそう。眼下に琵琶湖を眺めつつ、山歩きができる贅沢なコースです。
年に数回は遠征も。ロッククライミングクラブを主宰
また、加倉さんは、お店からほど近くにある比良げんき村でロッククライミングクラブを主宰。お客様向けのクラブで、毎週日曜日に壁を登る練習をしています。年に数回はメンバーと日本各地の岩山を登りに行くのだそうです。
直近では岐阜県の錫杖岳に行かれたとか。写真は毎年恒例で行かれるという小豆島の拇指岩です。遠くに海が見える絶景と参加者の笑顔が素敵ですね。
簡単ではないことに挑戦したいという思い
福岡県出身の加倉大輔さんは、元プログラマー。飛行機を使わずに世界一周を果たした経験があります。
博多から韓国へ渡り、そして中国からユーラシア大陸を横断し、アフリカを南下。喜望峰まで到着したら、貨客船で南米大陸へ。その後、北上。シアトルから貨客船に乗り、一旦日本を通過して韓国へ行き、帰国されました。旅行期間は、なんと6年。
世界一周をしたことがある人は数あれど、飛行機を使わずに陸路で世界一周した人はあまり聞いたことはありません。その理由について、加倉さんはこう話します。「旅にしても、ロッククライミングにしても、人とは少し違う、簡単にはできないことに挑戦してみたいという思いがあるんです」。
自然の近くで暮らしたくて滋賀に移住
壮大な旅の後、旅するときに便利なものを売るというコンセプトから始めたのが「TOPPIN OUTDOOR &TRAVEL」。
最初はインターネット販売だけだったのですが、2012年に滋賀県大津市の比良山地の麓に移り住み、お店をオープン。お店をはじめてもうすぐ10年になります。
憧れは旅で出会った辺境で暮らす人々
自然の近くで暮らせることに満足しているという加倉さん。自然とともに暮らしたいのはどうしてか聞いてみると、こう答えてくれました。
「旅をしていてわかったんですが、人間ってどんな辺境の地にも暮らしているんです。電気も水道も、もちろん病院へのアクセスもないところでね。例えば、チベットの草原なんかで、代々、羊を飼って食べながら暮らしている人をみて、『すごいな』と思いました。そういう暮らしへの憧れが今もあると思います。だから将来的にはもっと山奥に暮らしてもいいかなって考えています。そこでキャンプ場とかできたらいいですね。老後の楽しみですけど」
旅と自然を愛し、山の楽しみや自然のなかでの遊び方を共有してくれる加倉大輔さん。今日もお店をきりもりしながら、比良の自然のなかでの暮らしを楽しんでいるに違いありません。
TOPPIN OUTDOOR&TRAVEL
住所:滋賀県大津市北比良985-88
営業時間:11:00 ~ 17:00 火・水・木曜日定休
TEL:077-535-6415
HP:http://toppin.jp/
旅と自然を愛する関西人です。
20代はバックパッカー、30代は親子キャンプにはまりました。
これからは一人で山歩きやサイクリングを楽しんでいきたいと思っています。
ライターと外国人に日本語を教える日本語教師もしています。