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【ツェルト編】登山を最大限に楽しむためにセルフレスキューを学ぼう

木がない場所では、登山用のポールや木の枝などを支柱にして設置することもできます。

「日帰りだから問題ない」「自分だけは大丈夫」という考えは捨てる

初心者からベテランまで幅広く楽しむことができる登山ですが、山においては「絶対の安全」はありません。「日帰りだから大丈夫」「自分だけは遭難しないだろう」という意識は捨てることが大切です。
山は普段の生活圏と違って、天候が変わりやすいものです。天気予報では晴れであっても、登る前に山頂を見上げて晴れていたとしても、突然雨や風などで悪天候になることもよくあります。

非常時、休憩にも使えるツェルトの万能性

ツェルトとは、非常時や雨風が強い時に、体温低下などから体を守る簡易テントのことです。2~3人用のツェルトは缶ビール1本ほどの大きさであり、とても軽いです。日帰りや登山の難易度に関わらず、常にザックに入れておくことが望ましいでしょう。
具体的には休憩時の風よけ、突然の雨、想定外のビバーク、骨折した時のギブスなどさまざまなシーンで活用できます。雨にぬれたり、寒くてガタガタ震えだしたりしてからでは遅いです!そうなる前にツェルトを使えるように、意識しておきましょう。

ツェルトの設置方法

1.設営に必要なロープとカラビナ

ツェルトはキャンプで使う一般的なテントと違って、自立式ではありません。ポールや木を軸や支えにしてロープで結びます。もちろん、そんな余裕がない時はかぶるだけでもOK。

2.設置場所を考える

必ず落石のリスクがないか、傾斜は大丈夫かなどを確認します。木があればそこにロープが設置できるので、なるべく風などを防げる木があるエリアを見つけます。ツェルトは基本的には、風上に背中を向けるように張ります。

基本のロープワーク「プルージック・ノット」を覚えよう

基本的にロープは取れなければ良いのですが、ツェルトに固定する時に便利な「プルージック・ノット」というロープの結び方を覚えていると取り外しも簡単でスムーズです。

①支柱となる太いメインロープにスリングを3回巻きつける

①支柱となる太いメインロープにスリングを3回巻きつける

②外側にある輪を真ん中の小さい輪に通し、引っ張ると固定される

②外側にある輪を真ん中の小さい輪に通し、引っ張ると固定される

この結び方は結んだまま支点をずらしたり固定したりできるので、ツェルトを張った後に少しずらして調整することができます。

この結び方は結んだまま支点をずらしたり固定したりできるので、ツェルトを張った後に少しずらして調整することができます。

このように、どんなに引っ張ってもずれません。風が強くても外れないので安心ですね。

このように、どんなに引っ張ってもずれません。風が強くても外れないので安心ですね。

逆に、結び目を持って引っ張れば簡単に支点をずらすことができます。ツェルト張りだけでなく、登山では基本のロープワークなのでぜひ覚えてみてください。

③カラビナでツェルトとつなぐ

③カラビナでツェルトとつなぐ

最後はカラビナでツェルトとスリングをつなげば設置完了です。ペグで固定しなくても、十分なスペースを確保できます。ちなみに、ツェルトはキャンプのテントと違って土足でそのまま入ります!

ツェルトの応用

ツェルトの基本的な張り方をご紹介しましたが、木がない場所では、登山用のポールや木の枝を支柱にして設置することもできます。そのような余裕もない時は、とりあえずかぶるだけでもOK。びしょ濡れになる前にかぶって、中で傘を広げたりして空間を作る使い方も良いでしょう。
このように、ツェルトにはさまざまな使い道があり、上手く活用すれば雨風を防ぎ、体力消耗も避けることができます。

すぐ張れるように練習をしておく

ツェルトを使うべき時は、吹雪や雨、風などで体温や体力を奪われる緊急の一歩手前の段階です。いざその瞬間がきても、使ったことがなかったり、設置にモタモタしていたりすると、命取りになりかねません。前もってツェルトを素早く張れるように、練習しておくことがとても大切です。
登山中には、「雲行きが怪しくなってきた」「次の休憩でツェルトを使おう」といったことを意識し、設置場所を選びながら歩き、すぐに張れるように頭で準備しておきましょう。

まとめ

1年を通して、セルフレスキューのギアとして持っていたいツェルト。せっかく山頂でご飯を食べていても、雨が降ってきてしまったり、風が強かったりして休憩が思わぬ疲労につながってしまうことも多々あります。また、日帰りの予定なのに万が一山で一夜を過ごさなくてはいけなくなっても、ツェルトがあれば低体温症の予防にもなります。工夫次第で色々なシーンで応用できるので、ひとつは必ず持っておきたいギアですね!

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