虫嫌いも1分で治る!森林セラピーガイドに学ぶ、自然と深く繋がる方法
「自然のなかへ、もっともっと深くアクセスしていきたい」
ひとたびアウトドアに魅入られた人ならば、快感をさらに深く追求したくなるものです。
今回は、誰でも簡単に真似できる、“自然とアクセス全開に繋がる方法”をご紹介!
教えて頂けるのは、癒しの森の世界と人を繋げる“奥多摩町第1号認定森林セラピーガイド”として、奥多摩を拠点に活躍中の土屋一昭さん。人呼んで、東京最後の野生児“ツッチー”!
今、“森林セラピー”を味わえるスポットは全国に広がっており、「森林セラピー基地」「森林セラピーロード」は全国に48ヵ所(※2015年時点)あるそう。各所では、ガイドによる森林セラピーツアーが行われています。
今回のツアーの舞台は、広島県初の森林セラピー基地として認定された『安芸太田町(あきおおたまち)』。フランスの格付誌「ブルーノート」で最高ランク3を獲得した、名勝“三段峡(さんだんきょう)”の二段滝を目指し、ツッチーさんとともにセラピーロードを歩きました!
もくじ
まずはストレス度チェック!
参加者は全員、東京女子!
開始前に、安芸太田町森林セラピー基地のスタッフによる簡易的な唾液検査でストレス度チェックを行うと、森林セラピーの癒し効果を具体的に知ることができます。筆者はストレス度45。参加した女子の平均が15〜20あたりだったので、割と高いほう…。
【ステップ1】森を歩く前に、身体を全開にひらこう!
森に入る前に、まずはストレッチ。日頃のストレスを森に浄化してもらうつもりで、大きく、そして深く深呼吸します。
試しにまっすぐ腕を上げてみると、肩が上がらない人が続出! そこで、肩をほぐすために、腕を身体と平行になるようにまっすぐ引き上げ、肩の筋肉をグーンと伸ばしましょう。
このように、普段動かさない身体の筋肉を、深く呼吸をしながらゆっくりほぐしていきます。
なかでも特に固まりがちなのが、首と肩の接続部あたり。首うしろや、耳の裏のリンパあたりを、両手の指でよく揉みほぐしましょう。頭から肩にかけての血流が良くなってくると、心臓の動きが活発になり、すぐに全身が温まってきます。
【ステップ2】目を閉じて自然に触れてみる
ではさっそく、森の世界へ! まずは五感を使って、自然に触れてみましょう。まず、試しに目をつむって葉っぱに触ります。
手の感触に集中することで、実は見た目よりもざらざらしていたり、つるつるしていたりすることが分かります。そもそも葉っぱの感触なんて、きちんと感じたこともなかった…!
【ステップ3】視点を変えて、見てみよう
岩を覆っている苔に対して、視点をぐっとさげて覗き込むように観察します。ツッチーさんの「何が見えますか?」という問いに、答えを探す大人たち…。
同行した主催の“いいね!JAPAN“の編集長も、真剣なまなざしです。
よく見ると、苔に芽が生えていますね! ただ歩いているばかりでは、気づけない小さないのち。か細いのにも関わらず、強い生命力を感じます。
…しばらく歩いていると、「あ! やだクモがいる!」と参加者の叫び声。すかさずツッチーさんが解説!
【ステップ4】虫を好きになること
「これは“やまじい”ですね! クモではなく、“ザトウ虫”という目が退化した虫なんです。かわいいでしょう。森の案内人と言われていて、人に危害を加えないし、おとなしいんですよ」
ツッチーさんが何度も「かわいい」と繰り返すからか、だんだん虫に抵抗がなくなってくる一行。自然とふれあう以前に私たちは、捨てるべき先入観が多いのかも。
例えば、親が虫を「怖い」と騒ぐと、子どもに先入観を植え付けてしまうのだとか。逆に、親が一緒に観察しながら「かわいいね」と言ってあげると、子どもは虫を好きになるそうです。
【ステップ5】疲れないように坂道を歩くコツ
セラピーロードは勾配も少なく、お散歩気分で歩ける道。それでも時折坂道に遭遇すると、ちょっと疲れてきます。坂道を楽に歩くには、「上下に弾むように、ポン、ポン、とリズミカルに進む」のがコツ。
みんなで真似して歩くと楽しくなってきて、なんだか心も弾むようです。
【ステップ6】ただ、ぼーっとしてみる
自然の音だけを感じて、心も身体もまっさらになる。これって、実は一番の贅沢なのかもしれません。特に沢の流れる音に耳を傾けていると、ほんの数分でも全身が溶けていくような快感を味わいました。
いよいよ、三段峡・二段滝へ!
いよいよ、渡し船に乗り込み、二段滝を目指します。かつて「猿の群れが飛んで渡っていた」ことから、この岸壁は猿渡と呼ばれているそう。
さらに奥へと進むと、幅の広い二段滝が登場。この距離でも水しぶきが飛んでくるほどの迫力!
マイナスイオンが身体を覆ってくれて、なんだか悪いもの全部取り払ってくれるような、禊の感覚。
自然からもらったパワーでフル充電! 参加者も思わず飛び上がるほど(!)元気いっぱいになりました。
再びストレス度チェックをすると、筆者はなんと45度→7度に激減! ちょっとしたコツをつかんで自然を楽しめば、こんなにもストレスが抜けてしまうものなんですね。
ぜひツッチーさん直伝のコツを試して、自然のパワーを今以上に取り込んでみてください!
今回のイベント
【主催】
いいね!JAPAN:http://iinejapan.jp/
もりみんの森 森林セラピー 安芸太田町:http://morimin.jp/
麓の神社で参拝してから、山頂を目指すのが好きです☆
ライター。アウトドア誌、評論誌等で執筆。北アルプスの山小屋に勤務、のち3ヶ月かけて屋久島中のトレイルを練り歩く。最近は島登山にハマっています。