【謎の岩を目指して】いま、外国人に超絶人気!神秘の山「弥山」へ
広島県の宮島といえば、“海に浮かぶ鳥居”の厳島神社でおなじみの景勝地。実は “外国人に人気の日本の観光スポットランキング2015(※)”で3位にランクインしているほどの人気ぶり。
さらに神社奥にそびえる島の主峰「弥山(みせん)」(535m)は、806年に弘法大師によって開山され、平清盛や伊藤博文らからも深い信仰を集めてきました。実はこの弥山、宮島人気に伴い、日本人よりも圧倒的多数の外国人に登られており、先述のランキングでも20位にランクイン。山では富士山に次ぐ人気なのです!
もくじ
今回のルート:厳島神社〜大聖院〜弥山山頂〜紅葉谷〜厳島神社
所要時間目安は、約3時間半〜4時間。標高は低いですが、島の山ならではの標高差にご注意を!
本日のウエアリング
秋の弥山は海風が冷たいので、ウインドシェルは必須。モンベルのサマーラップショーツは、腰回りを温めてくれるのでオールシーズンで使えて便利です。
見どころポイント
①潮の厳島神社・大鳥居
朝7時の厳島神社・大鳥居は干潮によって歩けるようになっていました。ここから神社に参拝。まだ人もまばらで、街並みも静か。
②朝の支度がはじまる大聖院
続いて、宮島の総本坊・大聖院へお参り。すぐわきの川沿いを歩きます。石畳が敷かれた小道を進むと、かわいらしいおじぞうさんたちがお出迎え。
③白糸の滝
ここからしばらく、沢の音に耳を傾けながらの山歩き。すでに濃ゆ〜い霊気をたっぷり感じられます。
④天然記念物に指定された「瀰山(みせん)原始林」
うっそうと生い茂る豊かな森は、太古のままの姿。ツガやモミ、アカマツなど、針葉樹林から常緑広葉林まで植相も幅広く、世界遺産に指定された手つかずの自然です。
⑤巨大な奇岩の連続!
ピーっとするどい切れ目の入った、巨大な一枚岩を発見。長さ150mほどもあるそうで、なかなかの迫力です。奇岩だらけで、岩マニアにはたまらないかも。
⑥仁王門
尾根をこえ、やっと分岐にたどり着くと、堂々と構える仁王門がお出迎え。2004年の台風で壊れてしまった仁王門は、2012年にピカピカに一新されました。
⑦弥山本堂付近
弥山本堂のある一帯には、弥山の守護神が祀られる「三鬼堂」や、弘法大師が修行したときから絶えず燃え続けているという「霊火堂の消えずの火」など、見どころ満載!
お堂から眺める海は格別…。
⑧くぐり岩
山頂まであと少し。こんな自然の神秘を目の当たりにすると、推古天皇の時代にはすでに根付いていたとされる、弥山の自然崇拝のかたちが見えてくるようですね。
⑨弥山山頂
いったいどうして、あんな形の岩が山頂に出現したのか?
誰もがふしぎに感じて、じっと佇ずみ、シャッターを切っていました。そして山頂には、本当に外国人がいっぱい! フランス人、ポルドガル人、台湾人などさまざま。
改装された休憩所からは、瀬戸内海と広島が見えるパノラマビューを一望できます。
⑩宮島といえば、あなごめし!
地元の人も絶賛するという、JR宮島口駅すぐの老舗あなご料理屋「うえの」のあなごめし弁当で腹ごしらえ。ふたをあけると木箱の匂いがふんわり香り、やわらかなあなごの風味が口いっぱいに広がります!
前日のうちに予約しておいたので、並ばずに入手できました。
⑪紅葉谷へ下山
奇岩の続く参詣道を進み、満ち潮になると岩穴から水が溢れ出すという「干満岩」や画像の「舟岩」、大日堂など、まだまだ見どころいっぱいの参詣道を経て紅葉谷へ。シーズンは過ぎたけど、前日の雨にまるで漬けられたようなもみじが足もとを彩ります。
外国人が弥山を登る理由と、魅力まとめ
・ 手つかずの原始林、古来より続く信仰、そばにある人々の暮らし。これらを一度に目で見て味わえるのが、外国人にとっての弥山一帯の魅力のようです。
・ とにかく見どころ満載! 歴史深い神社仏閣の数々、巨岩群に圧倒されます。
今回は外国人観光客の“めがね”を頼りに弥山をご紹介しましたが、日本人が登れば、信仰と人の暮らしが融合した、日本の自然の魅力に改めて気づかされます。その神髄を味わうなら、早朝の参拝から登りはじめるのがおすすめです!
アクセス情報
・JR宮島口駅、または広電宮島口よりフェリーで約10分
・おすすめプラン:島内で前泊し、早朝参拝ののちに登山口へ。下山後は厳島神社表参道で食べ歩きしながら、おしゃれな町家カフェでゆっくりするのも◎。
(※)ランキング出典 トリップアドバイザー
http://tg.tripadvisor.jp/news/ranking/inboundattraction_2015/
麓の神社で参拝してから、山頂を目指すのが好きです☆
ライター。アウトドア誌、評論誌等で執筆。北アルプスの山小屋に勤務、のち3ヶ月かけて屋久島中のトレイルを練り歩く。最近は島登山にハマっています。