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  • キャンプに関するハウツー記事一覧です。タープやテントの建て方、ロープの結び方、焚き火の起こし方、ギアの使い方といったキャンプで役に立つアウトドア基本情報から、チルなキャンプ時間を過ごすヒントまで、初心者の方から上級者の方向けに丁寧にご紹介します。

焚き火歴30年以上!野外活動の達人に学ぶ自然に溶け込むキャンプ術

野外活動の魅力を“達人”に聞いてみる

無駄なものは持っていかない。
火を熾し、その火で調理した食べ物を味わう。

日々の喧騒や仕事の忙しさから離れ、自然の中で自分だけのとっておきの時間を楽しむ……そんな贅沢を味わいたいと思っているあなたにおすすめなのが、野外活動創造集団“週末冒険会”が主催するスマートキャンプ。自分たちで火を起こし、料理をつくり、寝床を確保する。そんなシンプルな活動の中に、自然を楽しむヒントがたくさん詰まっています。

そこで今回は、「大人が楽しむ少年の夏休み」をコンセプトにしたアウトドアイベントを企画運営する“週末冒険会”代表の伊澤 直人さんに、初心者が楽しめる「野外キャンプ術」を聞いてきました。

まずはテント張りから……!

キャンプをするなら、やっぱりテントに泊まりたい! そう思っていても、どんなテントを購入すれば良いのかわからないし、いざテントを購入しても、どうやって組み立てれば良いのか不安な方も多いと思います。キャンプ場についてから説明書を開いて……なんてしていると、遊ぶ時間も少なくなってしまいます。

“週末冒険会”では、テントを組み立てて片付けるまでを、インストラクターがわかりやすくレクチャーしてくれるため初心者でも安心です!

例えば、場所の選び方(緩やかな傾斜があるところを選ぶと、雨が降っても水たまりができない)や、杭の打ち方(斜めに傾けて、土に隠れるまで打つ)、メンテナンスの仕方などを学びます。ほかにも、1枚のシートや布を、その日の気温、天候に合わせて自由に組み上げ、個人のセンスと知恵が光る”シェルター作り”なども教えてくれますよ。

1回基本を学べば、今度は自分でテントを組み立てたい欲が湧いてくるはず!

焚き火は野外活動の基本

秋・冬のキャンプや野外活動に欠かせないもののひとつ……焚き火。暖をとるのはもちろん、ゆらゆら揺れる炎を眺めているだけでも楽しいのですが、焚き火にはほかにも魅力がたくさん詰まっていました!

ちなみに……話しを伺った伊澤さんは中学生の頃から焚き火をはじめ、過去通算500〜600回以上の経験があるそうです。

野外活動に置ける「焚き火」の役割とは……?

1.暖をとる
野外活動を楽しむには、寒さ対策は必須です。

2.調理
ダッチオーブンや飯盒を使ったり、串焼きからBBQまで幅広い料理を作ったりできます。

3.照明
オレンジの炎の明かりだけが周りを照らしだす、極力電気を排除した”アンプラグド”スタイルのキャンピングを楽しめます。

4.癒し
パチパチと静かに燃える炎の脇で、お好きな飲み物を片手にじっと火を見つめてみるのは、特別な時間です。

覚えておきたい「焚き火」の手順

1.場所の確保
火を扱うため、焚き火ができる場所はどこでも良いわけではありません。キャンプ場によっても、河原や土の上で直に火を起こして大丈夫な所とNGな所があります。キャンプ場のHPに記載がなければ、事前に電話で確認してみてください。

2.焚き火台の準備
地面に直火できない場所では、焚き火台が必要になります。価格・重量・調理のしやすさなど、それぞれ特徴があるので、野外活動のスタイルに合わせて購入してみましょう。また、地面に直火ができる場合は、石などでかまどを作ると、料理をする際に輻射熱を利用できたり、風向きをコントロールしたり、調理器具を置くのに便利です。

3.薪の準備
キャンプ場によっては薪を販売していたり、その周辺にも薪を置いていたりする売店があることも多いため、事前に購入しましょう。もしくは、自然の中にあるキャンプ場なら、森や林に薪となる小枝がたくさん落ちていることもあるため、みんなで薪集めをするのも楽しいですよ。
※泊まりがけのキャンプの場合は、明るいうちは焚き火から遠いところの薪を集め、万が一、夜中に薪を集めなければならなくなった場合に、テント周辺で探せるようにしましょう。

拾ってきた薪は細い順に並べて、燃えやすい枝から組んでいきます。大きな薪を割る場合は斧が必要ですが、そのまま振り下ろすとケガをする場合があるため、斧の刃を薪に当てて、刃の上を太い薪で叩けば割れます。

4.着火
新聞紙などに火を付けますが、その際、写真のようにぐるっと巻くと、すぐに燃え尽きません。マッチを使用する場合は直ぐに火が消えぬよう、マッチの軸の部分にしっかり燃え移ってから新聞に着火しましょう。

5.火を大きくする
小枝を追加する場合は、上にふんわり高く積み上げましょう。また、うちわ等で空気を送る場合は、風上から風を送るようにすると効率が良く、また灰が舞い上がらずに済みます。

その他.火の始末
片付けができてこそ1人前。キャンプが終わる2時間前には新しい薪を入れないようにし、薪を全部燃やし焚き火の痕跡を残さないのがマナーです。

美味しい楽しい野外料理

野外で食べる料理はなぜかとても美味しいですよね。みんなで料理を作れば、楽しいし、心もお腹も満たされる時間になります。

野外料理のレシピ例

※今回のイベントのアウトドアクッキングをご紹介します。もちろん、地元の食材や旬の食材によって色々とメニューは考えられるため、ぜひシチュエーションに合わせて工夫してみましょう。

・空き缶ご飯
飲み終わったビールの缶を使用し、お米を炊きましょう!作り方は簡単。お米一合弱とお水を缶の中に流し込み、銀紙で蓋をして、後は火の中に入れるだけ。できあがったらナイフで缶の横を空ければ、おいしいご飯が炊けています。

・魚は串を刺して豪快に
今回は秋刀魚を使用。もちろん、川や海のシチュエーションに合わせて、魚を選んでも構いません。塩を振りかけて、焚き火で豪快に焼きましょう。
中はふっくらでジューシーな焼き魚を召し上がれ。※秋刀魚にはかぼすをかけるとさらに美味しさアップ!

・夜は芋煮をメインメニューに。朝はカレーうどんに変身!
みんなで下ごしらえをした食材をダッチオーブンに入れて、火の上に乗せるだけ!灰汁を取りながら、味噌等で味付けしましょう。
夕食で全てを食べず、朝食はカレー粉とうどんを入れれば、身体の芯から温まるカレーうどんのできあがり!

まとめ

最後に、伊澤さんに野外活動の魅力を改めて聞いてみました。

「モノを買って一時的に満足するよりも、実際に体験をして感性を喜ばせることが求められている時代だと思います。だからこそ、私自身も子どもの頃から好きだったことを、今こうして自然の中でできることに喜びを感じています。

例えば、焚き火ひとつとっても小さい時から経験していますが、何回やっても飽きないことが魅力ですね。気温や場所、使う材料など、自然の中では一度としてまったく同じ条件はありません。だからこそ、いまだに『火が付かなかったらどうしよう……』と不安になることもあるんですけど(笑)
それでも、やっぱり火のゆらぎを見ているだけでも飽きませんね。まったく。

本格的な登山や長期間の冒険旅は、興味はあってもなかなかハードルが高くて普通の社会人生活をされている方が挑戦するのは難しいのが現実かもしれません。「週末冒険会」は、そんな方でも気軽に野外活動を体験できるイベントを開催しています。

あなたも、野山で無邪気に遊んだ少年の頃の楽しさや感動を、もう一度味わってみませんか?」

週末冒険会:http://backcountry-boys.net/

文・写真 / 松田 然

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