アウトドアの食事で使いたい!自然木の『木のスプーン』をDIY!
フィールドに落ちている木の枝を削って、自分だけのマイスプーンを作ってみましょう。
ナイフや彫刻刀など、身近な道具で簡単に作ることができます。自然の風合いにあふれたスプーンが、いつもの野外料理をワンランクアップさせ、特別なものにしてくれますよ!
もくじ
材料はフィールドで見つけよう!
材料には太さが5〜10cmほどの木の枝を使います。コナラ、ミズナラ、クヌギ、ヤマザクラなど、雑木林に生えている広葉樹が向いています。スギやヒノキなどの針葉樹でもかまいません。今回はクリの枝(①)を使いました。そして、仕上げに塗るのがクルミの油です(②)。
道具は以下の7点。刃物はよく切れるものを使ってください。
③ウエス
④ノコギリ
⑤ナタ
⑥彫刻刀
⑦クラフトナイフ
⑧鉛筆
⑨サンドペーパー(#80、#120、#240、#400)
材料を大ざっぱに切り出して、スプーンの輪郭を描く
まずは、木の枝をナタとノコギリで大ざっぱに切り出します。
ナタの刃を軽く木口に当てて、背を薪などでたたくと、木の枝は繊維に沿って簡単に割れます。この時点で、厚さ3cmくらいに切り出せるといいのですが、難しい場合は少し厚めでもかまいません。
白い木肌が露わになったら、そこに製作するスプーンの上から見た形を鉛筆で描きます。オリジナリティあふれる、自分の好きな形にトライしてみましょう。
クラフトナイフと彫刻刀で、木を丁寧に削っていく
次に鉛筆で描いた輪郭をクラフトナイフで削り出していきます。ある程度削れたら、先ほどと同じように、今度はスプーンを横から見たラインを材料に描いて、同じように削っていきます。曲面を出すには角をこまめに削っていくのがコツです。
何となくスプーンの形になったら、彫刻刀を使ってくぼみ部分を掘ります。深く掘りすぎると穴が開いてしまうので気をつけてください。ちょっとずつ掘り進めるようにしましょう。さらにもう一度、全体をクラフトナイフで削って形を整えます。
仕上げはサンドペーパーで磨き上げる!
クラフトナイフや彫刻刀による削り出しが終わったら、最後はサンドペーパーで仕上げます。まずは目の粗いものを使って表面のデコボコを落としていきます。
最初は#80を使い、#120、#240、#400と、目の粗いものから細かいものへ、順番にサンドペーパーをかけ、表面をなめらかにしていきましょう。
仕上げに塗るのは、クルミの油
仕上げに塗るのは、クルミの油。作り方は、クルミ1〜2コをウエスに包んで木の枝などでつぶします。その油がにじみ出てきたらスプーン全体にまんべんなく塗ってください。市販のクルミ油やエゴマ油でもかまいません。油を塗ることで水分が染みこみにくくなります。
ちなみに一般的なオリーブ油でもかまわないのですが、クルミ油やエゴマ油が空気に触れると乾きやすい乾性の油なのに対し、オリーブ油は不乾性の油なのでべたつきが残ってしまいます。サラダ油も同様ですので、ご注意ください。
味わい深い木のスプーンが完成!
これで完成です!
木のスプーンは口当たりが優しいためか、いつもの野外料理が、よりぬくもりにあふれたものに感じられます。使っていくほどに味わい深くなり、愛着がわいてくるのもいいところ。
キャンプに行くたびに、そこで見つけた木を使ってスプーンやフォーク、箸などをいろいろ作ってみるのも面白そうです。きっと手作りしたひとつひとつのカトラリーに、キャンプの思い出が刻まれるでしょう。
旅とアウトドアの楽しみをお伝えいたします。
フリーライター。主に、旅、アウトドア、自転車、DIY、田舎暮らしなどのジャンルで記事を執筆。これまで延べ3年3カ月をかけてオートバイで世界一周したほか、自転車ではアラスカやフィリピンを野宿ツーリング。現在は、茨城県筑波山麓の古い民家で田舎暮らし。DIYによる自宅修復や野菜づくりなど、できることは何でも手づくりの生活を実践中。
著書に「キャンプの基本がすべてわかる本」(枻出版社)、「ニワトリと暮らす」(地球丸)など。
http://www.wadayoshi.com/