海を汚しているのは、目に見えるプラスチックだけじゃない。

最近、よく耳にするようになった「海のプラスチック汚染」。ウミガメの顔にプラスチックストローが突き刺さっていたり、海鳥のお腹から大量のプラスチック片が出てきたり……。そんな悲しい光景をネットやテレビで目にした人も多いでしょう。

これらの多くは私たちの生活から出たプラスチックゴミ 。ポイ捨てはもちろん、きちんと分別して捨てたつもりのゴミも、風にあおられて散乱したり、カラスなどがいたずらして荒らしたり、予期せぬ形で川に流れ込んでいるものも多いのだとか。

現在、陸から海へ流入するプラスチックは年間800万トンとも言われていて、2050年には海に漂うプラスチックゴミ の質量が世界の魚の質量を上回るという予測も出されているそう(*世界経済フォーラム2016)。

そんななか、パタゴニアで販売しているのがパートナーである非営利団体の「STOP! MICRO WASTE」が製造する〈GUPPYFRIEND Washing Bag〉。なんとも可愛らしいネーミングの洗濯ネットですが、実はこれスゴイ代物で、化繊の衣類を洗濯したときに抜け落ちる極小のプラスチック・ファイバーをキャッチしてくれるんです。

そもそも洗濯することで海や川にプラスチックを流しているなんて知らなかった!

プラスチックゴミ =ペットボトルとかレジ袋、ストローのような目に見えるものだとばかり思っていた自分の浅はかさをまず反省……。

とくに化繊のウェアをよく着るアウトドア遊び。ネットに入れるだけで環境へのインパクトを抑えられるなら、使わない手はありません。というわけで今回は、海を守る洗濯ネットをインプレッションしていきたいと思います!

山口
山口岳
.HYAKKEI編集長。日本山岳ガイド協会登山ガイドステージⅡ。アルパイン、フリー、沢登りと元はドMな山屋。今はマイルドに人と自然を繋ぐのが生きがい。

小林
小林百合子
フリー編集者。山岳専門雑誌や自然科学図書の編集を多く手がける。アラスカの大学に留学していたこともあり、アメリカのロングトレイルを歩くのが好き。

相馬
相馬ミナ
フリーカメラマン。旅関係の雑誌や書籍が主戦場。昨年、ネパールのエベレストトレイルを歩いてから山の虜に。これから日本の山にも登りたいと思っている。

海を汚しているのは、目に見えるプラスチックだけじゃない。|「マイクロファイバー汚染から川や海を守る洗濯ネット GUPPYFRIEND Washing Bag | ローインパクトなお買い物。#02」の5枚目の画像

小林
ちょっと、ちょっと、みんなこの洗濯ネット知ってました?

山口
噂では聞いてたけど、まだ使ったことないなあ。というか男子って普段の洗濯にネットとか使わないから……。

相馬
私はめちゃくちゃたくさん洗濯ネット持っててよく使うんだけど、洋服のダメージを抑えたいっていう目的だから、このプラスチック・ファイバーの流出を抑えるためっていう使い方にまずびっくりした!

小林
見た目は真っ白の洗濯ネットで、シンプルでかっこいいよね。100均の洗濯ネットってジッパー部分がピンクだったりデザイン的にも残念なものが多いじゃない?

相馬
わかる! なんであえてピンクにすんねんって思うよね(笑)。

山口「STOP! MICRO WASTE」って書いたタグがついてるけど、デザイン的にもスタイリッシュだし、強いメッセージ性があっていいなあ。最近の風潮にフィットしてるような気がする。何より、問題に気がついたとき、すぐに他者と協力して解決しようとするパタゴニアの企業姿勢を如実に表してて、素敵なアイテムだね。

小林
少し前までは環境問題ってどこかお説教臭かったりダサかったりっていうイメージがあったけど、最近はおしゃれにポジティブにっていう風潮が強まってきたもんね。そういう意味ではデザインの力ってすごいなあと思う。

相馬
しかもブランドロゴや商品名じゃなくて、メッセージをプリントしてるところがいいよね〜。よし私もマイクロ・ウェイスト減らすぞ!って気持ちになるもん。

山口
男性としてもこのデザイン、佇まいなら欲しいなと思う。今まで洗濯ネットなんて面倒だし使うことはないと思ってたけど、使ってみたくなるよね。

小林
形から入るって、ときには大事だよね。

相馬
「かっこいい!」から入って、その先にある環境問題とか暮らしの変化につながればいいよね。とくに若い世代に訴えるにはデザインの力は欠かせないと思う。

海を汚しているのは、目に見えるプラスチックだけじゃない。|「マイクロファイバー汚染から川や海を守る洗濯ネット GUPPYFRIEND Washing Bag | ローインパクトなお買い物。#02」の17枚目の画像

小林
じゃあ実際に使ってみましょう。今日は私の愛用のフリースを洗ってみますね。

山口
おお、ネットの開閉部分にもメッセージロゴが! これもめちゃくちゃかっこいい!

相馬
タイポグラフィ萌えとしてはたまらんですね、これは……。

小林
とにかくサイズが大きくて、厚手のフリースもストレスなく入れられるのがいい! 開閉部も大きく開くし、ファスナーじゃなくてベルクロで閉じるタイプなのもストレスなくていいわ〜。

相馬
微妙なサイズ感のネットに押し込むの、大変やもんな。洋服も傷みそうやし。あとファスナータイプだと引き手をちゃんと収納しないと一緒に洗う洋服にひっかかったりしてダメージ与えるし。イライラがなくて最高!

山口
さすが、普段から洗濯ネット使っている女性陣のコメントは地に足がついてますね(笑)

小林
さらにこのネット、素材のキメがすごく細かくて滑らか。説明書によると入れた衣類だけでなく、一緒に洗う服との摩擦も抑えてくれるんだって!

相馬
なんやて〜っ!!

山口
摩擦が少なくなる分、一緒に洗う衣類の繊維の抜け落ちも少なくなるらしい。

小林
たしかに、洗った後に洗濯槽についているフィルターを見たけど、はほとんど繊維クズが残ってない! これはありがたいですね。

相馬
海や川の環境を守れて、さらにネットに入れた衣類も一緒に洗う衣類にもやさしいなんて、どこまで思いやりあるんですか! ほんまに素晴らしいアイテムだね。

山口
個人的には商品と同封されている説明書にきちんとマイクロ・プラスチック汚染の問題が何なのか、それをどうやって解決していくのかということが書かれてあって、それには感銘を受けたな。

小林
しかもイラストがかわいい!

山口
この商品を使うことで自分も問題解決に参加できているっていう意識が芽生える。小さなことだけど、毎日使うアイテムをきちんと選ぶことで社会参加につながるって、すごくいいことだと思う。

海を汚しているのは、目に見えるプラスチックだけじゃない。|「マイクロファイバー汚染から川や海を守る洗濯ネット GUPPYFRIEND Washing Bag | ローインパクトなお買い物。#02」の32枚目の画像

相馬
ところで洗濯後のネットはどんな感じ?

小林
え〜とですね……、ありました、ありました!1ミリに満たないような極小の繊維クズがいくつかついてます!

山口
ちっちゃ!

相馬
これがウミガメとか魚を苦しめてるやつか!これだけ見ると「ちっちゃいし、大したことないやん」って思うけど、これが何百万トンも海に漂っていると思うとゾッとするね。

小林
このネット、水は通しても直径50マイクロメートル以上の繊維やごみや外に出さないんだって。50マイクロメートルってことは……0.05ミリメートル。

相馬
すごいキャッチ力やなあ〜。

山口
マイクロプラスチックの定義は直径5ミリメートル以下のプラスチックごみだから、これもれっきとしたマイクロ・プラスチックだね。これまではペットボトルやストローなんかが海に流れて、長い時間かけて粉々になったものだと思ってたけど、フリースからも出ていたんだね……。

小林
ふだんは深く考えてないけど、アウトドアウェアの中にも石油由来の合成繊維で作られてるものも多いもんね。まさにフリースなんてほとんどがそうでしょ。

相馬
こういう現実を突きつけられると、ウェア選びにも慎重になるね。値段は張ってもできるだけ天然素材のものを選ぼうって気持ちになる。

山口
ところで、このネットでキャッチしたマイクロ・プラスチックはどう処理したらいいんだろう? プラごみとして廃棄すればいいのかな?

小林
うん、そうみたい

相馬
ねえねえ、思いついたんだけど、洗濯槽についてるフィルターをこの素材にしたらいいんじゃないの!?

山口
おおお、それはブレイクスルーですね(笑)。今、調べてたら、それも実現に向けて動いてるみたいですよ。一企業のこうした取り組みが小さな気づきをたくさん与えて、それが大きな流れになったら最高だよね。

小林
うん、実際私たちも今回色々なことを学べたし、日々悪気なくやっていることが少しずつ環境にインパクトを与えてるってことを知ったし。パタゴニアさん、いい商品を扱ってくれて、ありがとう!

グッピーフレンド・ウォッシング・バッグ
patagonia公式OnlineShop
https://www.patagonia.jp/guppyfriends-washing-bag/GP001.html
サイズ:50×70cm 4070円(税込)
問い合わせ先:パタゴニア日本支社
https://www.patagonia.jp/contact/


Patagoniaのマイクロファイバー対策についてさらに深く知りたい方はこちら
https://www.patagonia.jp/blog/tag/マイクロファイバー/


(写真:相馬ミナ

小林百合子

編集者。登山出版ユニット「ホシガラス山岳会」主宰。

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この記事を書いた人

小林百合子

編集者。山岳専門出版社に勤務後、独立。登山や旅、野生動物にまつわる雑誌や書籍を多く手がける。女性クリエーター8人からなる登山出版ユニット「ホシガラス山岳会」主宰。著書に『山と山小屋』(平凡社)、『山小屋の灯』『いきもの動物相談室』(ともに山と溪谷社)など。

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