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登山初心者必見!『失敗しない登山ギア選び』のポイントを好日山荘に聞いてきた

お話を伺ったのは好日山荘池袋西口店の飯沼店長

今回お話をうかがったのは、登山といえば言わずと知れた有名店の登山・アウトドア専門店の好日山荘さん。中でもバリエーション豊かに初心者に適したラインアップも揃えている、池袋西口店の飯沼ストアマネージャーに色々と聞いてきました。

広々とした店内と飯沼店長。とても親切丁寧に教えていただきました。
広々とした店内と飯沼店長。とても親切丁寧に教えていただきました。

登山初心者をはじめ皆様へ『大前提、自分で決めるなかれ』

まずはじめに、初心者がやってしまいがちなのが「自分で調べて自分でギアを買う」ということ。「店員に聞いたら押し売りされるんじゃないか」という懸念が浮かぶのはとても理解できますが、自身が登山に精通していて、ギアについても知識が豊富な店員に相談することが一番失敗しない方法なのです。飯沼さん自身も、初めてギアを買った時は自身で選んだそうですが、3か月で後悔、買い替えることにしたんだそうです。また、メンズモデルとウィメンズモデルを間違うこともありがちな失敗です。

どの山に登る予定なのかを伝えよう!

ギアを買いに来るということは近日中に登山をする予定があるということだと思います。その予定している山を伝えましょう。山によって必要なギアであったり、必要な機能が変わってきますので、最適なものを選ぶことができます。

目標があればそれも伝えよう!

直近で登る山とは別に、先々どんな目標を描いているかを伝えるとなお良しです。ハイキングを楽しんでいきたいのか、本格的に標高何千メートルもの山を登っていきたいのか。はたまた、普段着としてファッション性の高いものを使っていきたいのか。そういったことを店員に伝えることで、それを見越したギアを提案してもらうことが可能です。

スターターパックはない、そしてオーバースペックはないことを理解しよう!

初心者向きのスターターパックというものがあるようで無いのが登山ギア。それは前述の通りどんな山を登るか、どんな目標を定めているかで変わってくるからです。また、登山ギアにおいて「オーバースペック」という考え方はありません。スペックが高過ぎるということはなく、より安心感が増すといってもいいでしょう。「備えあれば憂い無し」とよく言いますが、自分の身は自分で守る登山においても同様なのです。

登山初心者必見!登山3種の神器別、選び方のポイント

靴、ザック、レインウェア。これが登山における3種の神器と言われています。ここからはそれぞれに対して選び方のポイントをお伝えします。

靴はメーカーではなく足で選ぶ

靴も豊富に用意されていますが、デザインではなく最重視するのは「フィット感」
靴も豊富に用意されていますが、デザインではなく最重視するのは「フィット感」

初心者でやりがちなのが、デザインやメーカーで靴を選んでしまうことです。形から入ってしまう気持ちも分かりますが、靴は長時間使う足を支える非常に重要なもの。靴やメーカーによって微妙に形やサイズが違ったりすることは、登山靴に限らず普段履いている靴でもよくあることだと思います。登山においては、その微妙なズレが命取り。靴擦れを起こしてしまってはその日の登山を続けるのは大変です。
br />b>また、サイズの合わない靴を履き続けると疲労が余計に蓄積される原因にもなります。したがって、靴はデザインではなくフィット感で選ぶことを忘れないでください。なお、サイズを伝える際にインチは国よって同インチでもサイズが異なるためご注意くださいね。
br /靴の高さも重要です。ローカット・ミドルカット・ハイカットとありますが、ハイカットの方が足首を固定してくれるため捻挫も少なく、ソールも固く疲れにくいためおすすめです。登山においてはハイカットを買って「ローカットにすれば良かった」と後悔するシーンはほぼないでしょう。

右手前からロー・ミドル・ハイカット。足首のカバー具合は一目瞭然。
右手前からロー・ミドル・ハイカット。足首のカバー具合は一目瞭然。

ザックは背面長で選ぶ

ザックが身体にフィットしているかどうかは下半身への負担に多分な影響を与えることになります。そこで重視するのが「背面長」。自身の背中とザックの背面長がどれだけ合うかで選ぶことです。最近では背面長が可動式の優れものもメーカーから出ていますので微調整が可能。自身の身体に合ったものを店員と相談、しっかりフィッティングした上でチョイスしてくださいね。

左からS・M・Lサイズ。MとLは容量サイズは同一ですが背面長が違うのです。こういう差は意外と自分だけでは気付きづらいポイントです。
左からS・M・Lサイズ。MとLは容量サイズは同一ですが背面長が違うのです。こういう差は意外と自分だけでは気付きづらいポイントです。
背面長が調節可能なザックも登場。写真では分かりづらいですが、こちらはスライドして調整が可能です。マジックテープで調整できるものもあります。
背面長が調節可能なザックも登場。写真では分かりづらいですが、こちらはスライドして調整が可能です。マジックテープで調整できるものもあります。

レインウェアで登山初心者でも間違いないのはGORE-TEX

なんと言っても重要なのが「防水透湿素材」の使用の有無です。登山で一番大事なのは「身体を濡らさないこと」。GORE-TEXとは最も有名な防水透湿素材で、長年広く使われているレインウェアにおける代表格です。突然の雨や強い風によって体温が下がることを防いだり、自身の汗による湿気を外に出すことで汗冷えや不快感をやわらげてくれるので、初心者の方は体力が奪われることのないようにGORE-TEXなどの防水透湿素材を使用したレインウェアを選ぶと安心です。
br /防水透湿性素材にもいろいろあるので、店員に聞きながら肌触りや着心地など、店頭で試してみましょう。

GORE-TEXはもっとも有名な防水透湿性素材です。
GORE-TEXはもっとも有名な防水透湿性素材です。

靴とレインウェアには撥水処理を

防水透湿性素材が使われている靴とレインウェアは、その効果を新品時のままできるだけ維持するために撥水処理をしておくと効果的です。靴は特に汚れやすく、透湿機能があるにもかかわらず表面が汚れで詰まるとその効果は薄れてしまいます。そのまま履いていると、靴の中の湿気で皮膚がふやけ、くつづれの原因になってしまうので、撥水処理は買った直後にやっておきましょう。ついた汚れも落ちやすくなる効果もありますよ。好日山荘では撥水剤や防水スプレーも豊富に揃っています。

インナーウェアで気をつけるべきこと

3種の神器をしっかり対応できたら、インナーウェアにも気を配りましょう。登山で大事なのは身体を濡らさないこと、とお伝えしましたがそれはインナーウェア選びにも関わってきます。登山初心者の方だと、インナーウェアは着なくなった普段着で代用していることが多いです。しかし、普段着のTシャツがコットン100%の場合は注意が必要。素材的に乾きにくく、上に登って気温が下がった時に乾かず残った汗によって身体を冷やしてしまう恐れがあるためです。
br /したがって、登山時はコットン100%ではなく、吸汗速乾性のある、化学繊維やウール素材などのインナーウェアを選びましょう。飯沼さんはさらにどんなに暑くてもファイントラックのドライレイヤーに代表される、アンダーウェアと呼ばれるメッシュのような肌着をTシャツの下に着るようにしているそうですよ。近年、アンダーウェアを着用する人も増えてきました。店頭などで一度お試しください。

タグに書かれている素材をしっかり確認しましょう。
タグに書かれている素材をしっかり確認しましょう。

当初予算はいくらくらい?気になる費用感は?

最後に、登山初心者にとっては「初期投資はどのくらいかかるのだろう」という心配があると思います。これまで挙げたポイントを満たし、初心者でも安心して登山を楽しむギアを揃えると大まかに以下くらいの費用を想定しておきましょう。

靴・・・2万円〜3万円
(ウェアやその他ギア含め合計)10万円

こちらを踏まえて、手持ちのウェアなどで代用できるものなのか、どこで削減できるのかを店員に相談してみましょう。その際は冒頭でお伝えした通り「どこに登るのか」「目標は」を店員に伝えるとベストな提案をもらえるはずです。

まとめ

いかがでしたか?
登山は安心安全のための対策をしっかり備えて臨むのがベストです。
見た目ももちろん良いですが、自身が向き合う山や目標に対して、どんな機能が必要かをしっかり店員と相談してギア選びをしましょう。

■基本的なギアは揃った!さらに備えておきたい安心・安全の『いざギア』はこちら↓
【連載02】登山でいざという時に役立つ『いざギア!』を好日山荘に聞いてきた

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