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  • 登山好きが贈る、登山の体験レポートです。日本、そして世界の山々にはたくさんの魅力にあふれています。春夏秋冬、その時々で異なる顔を見せてくれる素敵な山がたくさんあります。まさに百景。.HYAKKEIでは、そんな山に実際に登り、五感で楽しんだ自然体験記をお届けします。きっと山に登りたくなりますよ!

登山嫌いな僕でも、もう一度登りたい山|#13 最後の最後に待ち受ける急登、笠取山

登山嫌いの理由のひとつ「急登」

「そんなことを言うなら山登りをするな!」と聞こえてきそうですが…。
急登は大嫌いです。
日本三大急登のひとつ、ブナ立尾根(北アルプスの烏帽子岳を高瀬ダムから向かうルート)を降りたこと(笑)はありますが、そのエリアはどこも急登で「胸突き八丁」よりも過酷な「鼻突き八丁」は経験済です。
そういう嫌なルートを知ってしまうとなるべくラクをして山頂に立ちたいと思ってしまいます。
そこで今回、ご紹介する山は、最後の急登のおかげで妙な達成感を感じてしまう笠取山です。

ルート上には多摩川の源流・一ノ瀬川が流れ、山頂手前には高原のような山肌が広がり、のんびりした空間になっています。

山用語で嫌いな単語は「直登」「急登」!

目を疑ってしまうほどの直登の急登が最後に待ち構えています。
残念ながら迂回路もなく、ひたすら足を進めるしかありません。まるで富士山をまっすぐ登る感じです。

山の高低差を撮影するのは難しいとされていますが、ここならバッチリ、わかります。
また誰もが振り返ってしまうほどの勾配です。
景色を見るふりをして、しっかり休まないと山頂までは辿り着けません。

心折れずに登ってきた達成感と山頂からの眺望はハイカーだけの特権です。
天気が良く、ガスっていなければ、大菩薩嶺越しの富士山も見えます。

山頂が二つ!?

急登を登った先にあるのが山梨県側の山頂標識で、なぜかもう一つあります。
※現在、山頂道標や道標は新しくなっているようです

こちらが埼玉県側にある山頂標識です。
環境省の文字があるので、こちらが正式なのかもしれませんが、いちハイカーとしては山頂標識は一つにしてほしいです…。

登るってことは、この急登を下りなくてはいけません。
積雪時や雨上がりなど注意しないと一気に転がり落ちるので、慎重に。

北アルプスなどにチャレンジしたい人は、この急登を試しに経験しておくと良いかもしれません。
登山道も整備さ、自然豊かななかを鹿がのんびり歩いてもいますので初心者にもオススメです。

ルート
作場平駐車場~ヤブ沢峠~笠取小屋~小さな分水嶺~笠取山山頂(山梨側)~笠取山山頂(埼玉側)のピストンルート
コースタイム:約5時間

アクセス
●マイカー
中央自動車道 勝沼ICから国道411号線を約37キロ北上。
作場平駐車場(無料、約20台)
●公共交通機関
バスがないためJR中央本線塩山駅からタクシーで約1時間

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