外遊びは足元から|#06 悪路もガシガシ走れる! コロンビア モントレイルのトレイルランシューズ「トランスアルプス F.K.T.II」
もくじ
専業ブランドとして培われた信頼感。
今回はコロンビア モントレイルのトレイルランシューズを取り上げます。まずはブランドについて簡単に紹介を。コロンビア モントレイルは、以前は「モントレイル」という名前で、トレイルランニング界で確固たる地位を築いてきたシューズ専業ブランドでした。それが2017年春に「コロンビア モントレイル」としてリブランディングされ、アパレルやアクセサリーも扱うトレイルランニングの総合ブランドとして新たなスタートを切りました。
足場の悪い山岳トレイルを走るために。
さすがはもともとシューズ専業ブランドだっただけあって、シューズの種類はものすごく豊富。ビギナー向けからトップアスリート向けまで幅広いラインアップを取り揃えています。そのなかでも今回取り上げる「トランスアルプス F.K.T.II」は、足場の悪い山岳系のトレイルを走るために開発されたモデル。ヨーロッパアルプスの山々を舞台に開催される世界最高峰のトレイルランレース「UTMB」のために開発されたシューズでもあります。
グリーンを基調とした配色が印象的。トレイルランシューズにはなかなかない色合いです。
全面ラバーのアウトソール。溝は6mmと深めの設定。
アッパー側面にはブランドロゴが大胆に配されています。
ミッドソールの素材は「フリューイッドフォーム」。通常のEVAよりも柔軟性、クッション性、サポート性に優れた、コロンビア モントレイル独自のテクノロジーです。厚さはつま先側が10mm、かかと側が18mmと厚め。ドロップ(前後の高低差)は8mmです。
つま先やかかとには保護パーツがあしらわれ、プロテクション性を確保。アッパーはメッシュ素材にサポートパーツを溶着することで、軽量化を果たしています。
アーチサポート効果のあるインソール。足の形にあわせて選べるサポートインソールも別売で用意されています。
シュータンは履き口の部分が薄め。甲の部分にはクッションが入っています。
剛性が高く、硬めの路面と好相性!
さて、この「トランスアルプス F.K.T.II」を履いて、実際にトレイルを走ってみましょう。
うん、とても走りやすいです、このシューズ。特に強く感じたのが「足が守られている」という感覚。アッパーのプロテクション性が高いので砂利の林道や岩場でもガシガシ走れて、クッション性があるうえにソールの剛性も高く、路面からの突き上げをあまり感じません。
薄手ながらクッションが入ったシュータンは足当たりが良く、アッパーのフィット感も良好。シューズ自体の重さは319g(27cm・片足)とめちゃくちゃ軽いわけというではないですが、足さばきはすこぶる軽快。体感としては数字以上に軽く感じました。
ちなみに、ミッドソールに使われている「フリューイッドフォーム」という素材は、クッション性や柔軟性に優れているだけでなく、耐久性が高くへたりにくいという特性があるとか。すなわち、普通のトレイルランシューズよりも長く履くことができるわけで、コストパフォーマンスに優れていると言えます。
ヨーロッパアルプスでも履いてみた。
さて、冒頭でこのシューズがUTMBというトレイルランレースのために開発されたものであると述べましたが、自分も2018年8月に開催されたUTMBの種目のひとつ「CCC(101km)」に参戦した際、このシューズを着用しました。
レース中は終始絶景の連続。モンブランをはじめとするヨーロッパアルプスのスケールのデカさに圧倒されました。そして実際にUTMBのコースを走ってみてわかったのは、路面がとにかく硬いということ。柔らかい土や落ち葉などでふかふかのトレイルが多い日本とはまるで様子が違います。コロンビア モントレイルの「トランスアルプス F.K.T.II」は、そんな硬い路面と実に相性がよく、レース中の足元は終始快適。結果は残念ながら55km地点でリタイアとなりましたが、このシューズの実力を存分に感じることができました。そして、このシチュエーションを日本国内に置き換えると、アルプスや八ヶ岳の森林限界を超えた山岳トレイルや岩稜エリアなどでポテンシャルを発揮してくれそうな気がします。
・デザイン ☆☆☆☆
・フィット感 ☆☆☆☆
・軽さ ☆☆☆☆
・クッション性 ☆☆☆☆☆
・悪路走破性 ☆☆☆☆☆
・コスパ ☆☆☆☆☆
Run for Beer, Beer for Run.
1976年生まれ。フリーランスのエディター、ライター。スニーカー専門誌『SHOES MASTER』編集長、ランニング専門誌『Runners Pulse』副編集長、フイナム ランニング クラブ♡部長。