【総延長1697.2km】東海自然歩道を踏破せよ!|#13 上佐野〜井出編
.HYAKKEIをご覧のみなさま、こんにちは。ライターの田中嘉人です。
夏が過ぎ、ようやく山歩きに最適な気候になってきましたね。冬は冬で日が暮れるのが早いので、今のうちに距離を稼がなきゃなぁ……と思っております。
さて、前回は田貫湖を出て山梨と静岡の県境にある上佐野という集落まで来ました。今回は、JR身延線の内船駅から上佐野へ向かい、東海自然歩道に合流。そこから佐野峠、思親山を経て、JR身延線の井出駅まで下るルートに挑戦したいと思います。
……が、当日の天気は午前から雨の予報が。空模様も気になりますが、果たして無事に井出駅にたどり着くことができるのでしょうか。ぜひ最後までお付き合いくださいませ!
<今回のコース>
上佐野→佐野峠→思親山→井出
佐野峠を目指して
今回のスタート地点である上佐野ですが、かなりの山間部にあります。
前回はたまたま上佐野でお仕事をされている方のクルマに乗せていただき楽々下山できました。
今回は町営バスでアクセス!ちなみに上佐野へ向かう佐野線は6:00、12:57、16:07の1日3本。必然的に6:00の便に乗ることになります。
内船駅で待っていたら町営バスがやってきました。
当然乗客は僕ひとり。運転手さんに話しかけてみるとお客さんがいるときもあればいないときもあるとのこと。
山沿いの道をグングン進んでいきます。途中で運転手さんが「あれ?こんなところに岩なんてなかったけどなぁ」と言っていました。落石注意!
眼下に湖が。天子湖というダム湖みたい。運転手さんに「ダムカレーとかありますか?」って聞いたら「は?」と言われました。
内船駅からおよそ40分ほどで上佐野に到着しました。運転手さんに「佐野峠に登りたい」と言ったらバス停じゃないところなのに特別に降ろしてもらいました。人情!
心なしか山が色づいてきているような……。
あ、佐野峠への入り口が見えました。
茶畑のなかをずんずん進んでいきます。それにしても、こんなところに民家があるなんてすごすぎじゃない……?
というわけでいよいよ山道が始まります。3時起きで眠いけど、がんばるぞ!
舗装された道はすぐに山道に。東海自然歩道はこうでなきゃ!
さようなら、上佐野。たぶんもう来ることはないんだろうなぁ。
山道に入るといきなり見たことのないキノコが。前日も雨が降っていたからかなぁ?
前日の雨で杉の枝葉が落ちてしまったのか、行先に敷き詰められています。
素敵な沢がありました。水がキレイだ!
だんだん傾斜が急になってきましたね。眠いけど気合い!!
ようやく「東海自然歩道」の6文字が。間違えていませんでしたね。よしよし。
しばらく歩くと抜けた先が明るくなっています。
なんだここ!すごい景色!!伐採地っていうんですか??
伐採地の脇を再び森のなかへ。
伐採地のなかにコースが見えますね。
……と、思ったらこんな注意書きが。「批判するなら代案を出せ」じゃないけど、せめて迂回ルートを教えてくれれば……僕は先へ向かいます。
と思ったらおわかりいただけますか……?やけに急な階段が見えます……たぶん、アレ登るんだろうな……。
森のなかをひたすらに進みます。着実に先ほどの階段に近づいている……。
あ、たどり着いた。
全然ゴールが見えない……。でも、ここを登るしかないわけで。
ヒイヒイ言いながら5分ぐらい登りました。振り返るこんな感じ。
さらに5分ほど登るとゴール。意外とすんなり終わった。少しずつフィジカル強くなってる?
左折すると広葉樹林が。葉っぱの緑がキレイですね。
広葉樹林を抜けると再び伐採地に。……と思ったら行き先に注意書きらしいものが。もしや行き止まり……?
「開けたらちゃんと閉めてくださいね」というメッセージでした。
それにしても見たことないキノコがバンバン生えてる。
目線を上にやるとガードレールらしいものが。たぶんあそこまで行くんですよ。経験上「うえー!あんなところになんかある!」ってときは、だいたい後ほどそこまで行くことになるんです。何言ってるかよくわからないかもしれないけど、そういうものなんです。
再び扉が見えてきました。あの扉を越えたら佐野峠かな?
こちらこそ、ありがとうございました!
扉を抜けると足場の不安定な階段が。
そんなこんなで気がついたらガードレールが目と鼻の先に。やっぱり来た。
振り返ると遠くに上佐野の集落が。思えば遠くへ来たもんだ。
上佐野の展望台。駐車場もあり、上佐野や内船駅からクルマでアクセスもできるみたい。
トイレもありました(そんなにキレイじゃないけど)。
そういえば富士山は見えないな。
駐車場の脇にはこのエリアのコースを紹介する看板が。
今から向かう思親山からはこんなに美しい富士山が見えるみたい。果たして見えるのか……?
思親山を目指して
15分ほど休憩して、思親山へ向かいます!
来た道から駐車場を挟んで逆方面に、思親山への登山口があります。
45分ほどで到着するみたい。ちょうどいい距離!
入り口すぐに山梨コースを紹介する看板が。田代峠が静岡との県境。38.5kmか……。
これまでと比べて比較的登山道らしい道が始まりました。気持ちよく歩けそう。
木製階段もあるけど、かわいいレベル。
思親山コースに入った途端に植物案内が始まりました。僕はあんまり興味ないけど嬉しい人はいると思う!
バリエーションも幅広い。
ヤマアジサイは生えていなかった。
おだやかな山道が続きます。
しばらくするとまたしても木製階段が。心なしか美しいな……。
階段を登り切ると案内看板が。もうすぐ、かな?
杉林を抜けた先が明るくなっています。この先が山頂かな。
……と、思ったら明らかに野生動物が何かした痕跡が……。クマかなぁ……?
またしても案内看板が。「思親山林道終点」という聞いたことのない言葉が突然出てきました。紛らわしいけど関係ないので、左折せずにまっすぐ進みます。
杉林を抜けると、再び目の前には伐採地が。
伐採地を左手に見ながら進んでいきます。
階段を登り切ると……?
というわけで、思親山到着〜!!富士山は……?
全然見えない。知ってた。
井出駅を目指して
天気が心配なので、休憩もそこそこに井出駅へ向かいます。
ここからは下山するのみ!
野生の栗が落ちていました。クマとかイノシシとかがコレを食べるのかなぁ。
緩やかな下り坂が続きます。
「ムラサキシキブ」なんて植物があるんですね。
杉の間から南部町の街並みが。
ちっちゃい看板が見えてきた。
井出駅はこっちで合っているみたい。どんどん下っていこう!
道がちょっとわかりにくくなるけど、そこまでわかりにくくもないので大丈夫だと思います!
しばらくすると案内看板が。なにやら分岐?
右に行くと内船駅への離脱ができるみたい。でも廃道なのでよほどのことがない限り攻めるのはやめたほうがいいかもしれませんね。
というわけで、僕はもちろん左へ。
緩やかな道が続いています。
ベンチもあるけど、天気が心配なので無視して進みます。
そうこうしていたら、雨が本格的に降り始めてきました。
森のなかにいるのでかろうじて濡れずにいられますが、このまま降り続けるとすぐにびしょ濡れになりそう。
急いで下ります。
写真だとわかりにくいけど、結構降ってました。
八木沢方面へ向かいます。このあたりでウィンドブレーカーを着用しました。
こういう看板をみると心が苦しい。
尾根っぽい道をひたすらに下っていきます。
再び休憩ベンチが。天気がよければすごくいいコースな気がする……。
根こそぎやられている木がありました。なんでこうなる?
比較的深い森が続くため雨には濡れない。そういう意味では不幸中の幸いなのかも。
またしても休憩ベンチを発見。逆方面から思親山を攻める人にとっては登りが続くことになるので、休憩ベンチが多いのは嬉しいのかも。
方角を教えてくれるのはありがたいけど、欲を言えば所要時間も知りたい……。
あきらかに雷が落ちたとおぼしき一本が……自然の脅威……!
しばらくすると林道に出ました。林道を横切って東海自然歩道は続きます。
林道を横目に進みます。気がついたら雨が本降りになってきました。
雨がやばかったので、とりあえず看板を撮影しました。
再び林道を渡り、下り坂へ。
今度は林道の脇に出てきました。くねくねした林道に対し、東海自然歩道はまっすぐ貫いているみたいですね。
そうこう言っていたら林道に合流。山道のほうが雨よけになってよかったのに……。
……めっちゃ降ってきた。
またしても山道ゾーンへ。茂っていて、絶対ビショビショになるやつ……。
似たような道が続きます。
急に杉林になるのですが、杉の木では雨を避けられないほど降ってきました。
そうこうしていたら杉林を抜けました。
大きな栗の木の下で雨宿りしてみたけど、あんまり意味がなかったです。
案内看板に傘が……拝借してしまいそうになりましたが、耐えました。人として当然です。
民家がちらほら。このあたりが八木沢の集落みたいですね。
だんだん寒くなってきました。風邪引く前に早くゴールしなきゃ。
どうやらこのあたりは朝バスで通った道みたいです。
進行方向から右折してまっすぐ進めば朝バスに乗った内船駅ということですね。
でも、僕は直進するしかないのです。
林道をひたすらに進んでいきます。
しばらく進むと案内看板がありました。
あとはここを下るだけ!
下るだけ!
下るだけ……。だけど、意外と長い……。
ようやく富士川が見えてきました。ゴールはもうすぐ!
あっ!!
到着〜〜〜!!!
次回はここから徳間方面を目指します。
JR身延線の井出駅。無人駅ですね。ビショビショになってしまったので駅舎で着替えようと思ったら……
まさかの1時間に1本の電車が来ちゃいました!急いで乗らなきゃ!!
……というわけで今回はここまで!
いかがだったでしょうか?全体的におだやかなコースでしたが、上佐野までのアクセスが超不便なことと着替えたら足首が5箇所ほどヒルにヤられてたことだけはお伝えしたいと思います。最近このエリアにもヒルがよく出没しているみたいなので、雨が降った翌日に入山する場合などはヒル対策を忘れないようにしましょう。
では、また次回!
一緒に歩いてくれる人、募集中。
1983年生まれ。静岡県出身。静岡文化芸術大学大学院修了後、2008年にエン・ジャパンへ入社。求人広告のコピーライターとしてキャリアをスタートする。その後、Webメディア編集チームへ異動。CAREER HACKをはじめとするWebメディアの編集・執筆に関わる。2017年5月1日、ライター編集者として独立。