SNSで繋がる時代はもう終わり?!リアルで繋がるから素晴らしい、キャンプフェス『caravan』の極上体験
もくじ
この2日間、フェスの概念を良い意味で覆された
『なんだ、この空間。ユルい』
このフェスに身を置いて、感じた印象です。
編集部もこれまで多くのフェスに参加してきましたが、この独特な空気感は他のフェスとの『違い』を自然と感じるものでした。
フェスというくらいですから、用意されているものは勿論あります。
音楽、フード、ワークショップ、アクティビティ・・・集まっているものは他のフェスと大差はないのに、感じる差。
今年初開催がゆえに情報が全く出回っていないこのフェスを実際に体験した身として、『ユルさから生まれた、この差』について読者の皆さんにお伝えしていきたいと思います。
コンセプトが明確がゆえに、用意された企画が空間を作り、つながりはじめる
冒頭に伝えた通り、集まっている企画のジャンルは他と大差が無いんです。ただ、多くのフェスはそれらが独立したものになっているのに対し、このcaravanではそれらがフェスの空間作り、空気作りを助けているように思えました。
『つなぐ、つむぐ、みんなのフェス』
これがcaravanのコンセプト。
忙しいタイムテーブルに縛られない、参加者同士で創り上げるフェスにしたい、というオーガナイザーの想いは現実のものになりました。チルアウト・・・「仲間とくつろいで時間を過ごす」「一息入れる」といった意味がありますが、まさにそんな空間。
自由に、伸び伸びと過ごすことが許された空間
ユルく作られた空間は、人々の心も広く穏やかにするのでしょう。
たとえば会場のど真ん中でフリスビーをしたりしても全く気になりません。それぞれが楽しんでいる姿を見て、また楽しむ人たち。そんな光景がありました。
そして、一歩奥へ踏み入れば、そこは幻想的な森の中。
マイナスイオンを感じながら、静かに自然の音を感じたくなったら自由に身を置けば良いのです。
出店しているお店では、立場関係なく人が集まる
たとえばオーガニックな身体に優しい料理を提供してくれた『197 KITCHEN』さん。
予め用意された感ではなく、その場でメニューや価格を考えている様子は参加者にも親近感を覚えさせてくれます。編集部も、取材の合間、ちょっと休憩がてら足を運び店員の皆さんと日常会話を楽しませてもらったりしました(もちろん、料理は言わずもがな絶品です!!)
昼も夜も賑わっていたカレー屋の『USUDA CURRY』さんでは、店員さんと参加者が仲良く会話していたり、お店の前で参加者が椅子に座り隔たりの無い時間が流れていました。
その場に集まった人たちで一緒に楽しむ空間
会場の中央に用意されたラウンジでは、人々が集まり、互いに同じ時間を過ごす憩いの場に。1人ではできないゲームが用意されていたり、テントの中ではワークションが行われたりと「つなぐ、つむぐ」を生み出す仕掛けが随所に用意されていました。
DJが流す音楽もまさにチルアウト
フェスでは主役である音楽ステージは、会場の中央奥に設置。昼間の間はDJを中心に、空間作りを手伝う散るアウトなサウンドが。それは決して主役ではなく、BGMとして働き、caravanという空間をより1つにしていました。
そこにいる者たちが、ユルく、繋がりはじめる。
確かなコンセプトで作られたその空間を楽しんだ後、caravanが新しい顔を見せ始めます。
このフェス最大の魅力にして他にはない夜が、互いの時間をつむぐ
会場である昭和の森フォレストヴィレッジの一角のフィールド。
日が落ちると各テントでも明かりが灯り、ひとつの集落とも言える姿が森の中に浮かび上がりました。その集落の中でつむがれた時間が、このcaravanというフェスの真骨頂だったと言えるでしょう。
砂漠のオアシスのように、華やかな極上ラウンジが登場!
この美しい空間は、8月にグランピングイベントを開催し各メディアでも話題をさらい、”東京の森に世界で一番美しいアウトドアフィールドをつくる”をコンセプトに活動をしている、CIRCUS OUTDOORによるもの。編集部ではかねてからその活動に注目し密着してきましたが、今回はcaravanに極上のラウンジを展開、その名はチルアウトラウンジ『Nutty Camel』。
その様相は、広くて長い砂漠の旅に疲れた商人たちが集まる、砂漠のオアシスのよう。ここで参加者たちは、心地良い音楽を聞きながら、美味しい食事やお酒を楽しみ、チルアウトすることになります。
いかがですか?世の中に数多くのフェスはあれど、このように皆で靴を脱ぎ、一列となって食事やお酒を楽しむ空間は見たことがありません。
こうして、昼間のうちにどこかつながりはじめた参加者たちは、ここで同じ時間をつむぎ、新たな出会いや発見を楽しんでいきます。
極上の音を奏でるアーティストと共に、どっぷりと夜に浸かる
昼間はDJ中心だった音楽も、夜は生演奏によってより入り込むことができる時間に。
青色でまとめられたステージは、昼間と同じく決して主張することなく、空間に馴染む形で僕らに優しく音楽を響かせてくれます。
夜が深くなり始めたら、キャンプファイヤーで暖を取る
キャンプファイヤーといえばアウトドアの魅力のひとつ。皆で温かい火を囲み、たわいもない会話をする時間はかけがえのない思い出になるに違いありません。
こうして、初開催となるcaravanの1日目は終わりを迎えます。
昼間からの一連のユルい空間を通じて、会場にいる者がつながり、企画が終わった後もそれぞれが楽しい時間をつむぐ時間が続いたのは想像に容易いでしょう。
快晴の朝、caravanは文字通り『みんなのフェス』へ
実は初日となる前日は生憎の空模様で、時折雨が降ることも。しかし2日目の朝は見事な快晴。自然と気持ちも上がるのと同時に、昨日この空間で楽しんだ参加者たちは、気持ちそのままにさらなる開放感と共にフェスを楽しみます。
一日のはじまりは、みんなでラジオ体操!
自然の中、それも快晴の早朝でのラジオ体操はなんて気持ち良いのか。ラジオ体操が開始すると、パラパラと人が集まり始めます。
初日を通じてつながった参加者たちは、のびのびと空間を楽しみます
2日目は昼間のうちに閉幕ということもあって、企画自体は初日の昼間と同様にDJが奏でる音楽をバックに各々が自由気ままに楽しむスタイル。
初日を経験した参加者たちは、楽しみ方を知ったのか、生き生きと参加者同士が主体となって楽しんでいるように思えました。
このフェスだからできた!?自然と人が集まる空間
編集部がこの2日間で最も驚いたのは、何の仕掛けもなかったのに『近隣住民の方々が遊びに来たこと』です。もちろん、会場のロケーションもあるとは思いますが、このようなことは通常のフェスではあまり考えられません。
その雰囲気に誘われて、自然に人が集まって来る。
これはアウトドアで行うフェスならではの、最大の魅力であり、他のどのフェスも実現が難しかったことなのではないでしょうか。
2日間を通じて感じた『アウトドアの可能性』
いかがでしたか?
フェスというと音楽を中心に皆で盛り上がったり、飲食店が多く立ち並びそれを食べ歩くなどといったものが多く思えます。そして、それは「必ずしもアウトドアで行う必要があるのか?」と感じることが多くありました。
しかしながら、このcaravanで『アウトドアの可能性』というものを見出すことができたように思えます。
そのひとつは『開放/解放」なのではないでしょうか。
・あらゆるアクティビティを『開放する』
・自然の中に身を置くことで、閉じこもってた心を『解放する』
その結果として、人々が集まり、繋がる。新しいものが生まれる。自分とじっくり向き合える、新しい自我に目覚める。
そういったことがアウトドアがもたらすことなんだ、と思います。
caravanが掲げた『つなぐ、つむぐ、みんなのフェス』というコンセプトは、アウトドアの1つの答えに繋がった素晴らしいものでした。
来年もまた開催されると良いなと思います。皆様も是非足を運んでくださいね。
文:.HYAKKEI編集部 /写真:黒木武浩(黒木写真事務所)
イベント情報
・caravan ー つなぐ つむぐ みんなのフェス ー
http://caravan-fes.com
・CIRCUS OUTDOOR
http://www.circusoutdoor.com
LIFE WITH NATURE!
コースタイムの1.5倍はかかる写真大好きハイカー。登山はカメラ3台、キャンプはミニマルに、自分らしい自由なアウトドアを楽しんでいます。フィルム登山部メンバー。.HYAKKEIファウンダー&初代編集長。