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  • 登山好きが贈る、登山の体験レポートです。日本、そして世界の山々にはたくさんの魅力にあふれています。春夏秋冬、その時々で異なる顔を見せてくれる素敵な山がたくさんあります。まさに百景。.HYAKKEIでは、そんな山に実際に登り、五感で楽しんだ自然体験記をお届けします。きっと山に登りたくなりますよ!

【総延長1697.2km】東海自然歩道を踏破せよ!|#01 高尾山口〜相模湖編

高尾山山頂から小仏城山を目指して

当然ですが、私の目標は高尾山の山頂ではありません。大阪府箕面市です。のんびりしている暇はありません。10分ほどの水分補給の末、再び歩き出します。

次に向かうのは小仏城山。その名の通り、昔は小さな山城があったとか。歴史に触れられそう。

山頂の広場の隅に、小仏城山へ続く石段を発見。これから目指す小仏城山の標高は670mと高尾山より高いのに、石段を下るってことは絶対に登りがあるということ……。

看板から『東海自然歩道』という文字が消える…不安を感じながら小仏城山を目指します。

奥渋みたい。

丁寧に舗装されていて、歩きやすい。このあたりは本当に歩きやすかったです。

峠の茶屋的なお店を発見。しかし、高尾山登頂の疲労から食欲がなく通過。今は寄らなかったことをめちゃめちゃ後悔しています…。

そしてまたも下り坂に…。

ひたすらに続く下り坂。のんびり歩く私の横をトレイルランナーが通過する。

『東海自然歩道』の看板を発見!よかった!間違っていなった!!

はい、始まりましたよ。上り坂。わかってたし。想像どおりだし。

ヒイヒイ言いながら登っていくとどこからか子どもたちの声が。

一丁平というスポットに到着。春は桜の名所になるみたい。遠足に来ていた小学生たちがお弁当を食べていました。そういえば、少しお腹が空いてきたかも…。でも、小学生に混じっておじさん一人でお弁当を食べる勇気がないのでもう少し進んでみます。

一丁平の脇にある展望台へ。眼下に広がるのは相模原市!神奈川が近づいてきています!!

気合を入れ直して進んでいくと、「下って登る」というエゲツない道が目の前に。

気合が抜けて、顔が曲がる。

しかし、小仏城山周辺案内板を発見。小仏城山の周辺に来ているということを知り、最後の力を振り絞る。

声を発し、自らを鼓舞しながら一歩一歩進んでいきます。

そして…

ついに…

高尾山頂から約60分で到着〜!!!これまでに高尾山は登ったことがあったけど、小仏城山まで来たことがなかったので、達成感すごい!!!!

山で食べるおにぎりってどうしてこんなに美味しいんだろう…?

胃腸に自信がないので、メガ盛りかき氷は回避。その代わりに、スポーツドリンクを購入。小仏城山までの道中で持ってきていたトクホドリンクを飲み干していたので、本当に助かった……。

小仏城山から相模湖を目指して

30分ほど休憩して、いよいよ神奈川県へ。目指すは相模湖の畔にあるアミューズメント施設『さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト』。まずは相模湖へ向かいます。

最初の県境を越え、相模原市へ!さらば東京!!

その先にあるのは、ただひたすらの下り道。

広葉樹から針葉樹の森へ。

勾配が緩やかになり、歩きやすくなる。

そういえば、小仏城山を越えてから他の登山客がぱたりといなくなる。

寂しさを感じ始め、疲れもピークになり「下山したときに、世界に自分しかいなくなっていたらどうしよう」とよくわからない不安に苛まれる。

東海自然歩道の案内看板に人の温かみを感じてしまう。

そして下りが続きすぎて、つま先が痛くなってきます。

おや?

あれは…中央道…??

60分ほどで、ついに相模原市の街並みが!!思わず「やった…!」と声が漏れる。

人里に向けて一直線に駆け下りていく。まだまだ元気は余ってたみたいです…。

登山道のそばに富士見茶屋が。残念ながらこの時間帯は店員さんが不在だったみたいですが、今度はちゃんと寄ってみたい!

東海自然歩道の看板を頼りに一般道へ。山道だけじゃなく、一般道がコースに含まれているのも東海自然歩道の魅力。看板に書いてある弁天橋を目指します!

水田の匂いに夏の訪れを感じる。

牛鞍神社の脇を、下っていく(また下り…)。

再び未舗装の道へ。そして、ふと進行方向左手に目をやると…

弁天橋!山々と相模川に緑のなかに一筋の赤いラインがかっこいい!!

弁天橋に到着(小仏城山から約70分)!水の近くは心なしか涼しくて気持ちいい。

橋を渡りきると、東海自然歩道の案内看板が。今日の目標のさがみ湖リゾート プレジャーフォレストは、嵐山を越えたねん坂の近く。あと4.3km……!目指すは嵐山登山口…!そう思って前を向くと…

長い上り坂が待っていました…!

当然こうなる。……私の感覚なんですけど、普通の上り坂よりも、この木製階段みたいなやつの上り坂が俄然きついんですよね。こっちのストローク無視した設計だし…。

どうにか上り坂を終え、再び一般道へ。

呼吸を整えながら、ゆっくりと進みます。

ゆっくり…

ゆっくり…

あの…嵐山の登山口は見つけたんですが、この日は体力が限界でした。初回からヘタレで大変申し訳ないのですが、一旦相模湖駅から帰宅。嵐山からねん坂までのルートは日を改めてチャレンジします。それでは、ごきげんよう…!

相模湖からねん坂を目指して

無念のリタイヤから約一週間。

私は相模湖に帰ってきました。初日の筋肉痛も癒え、気合も充分!改めて、嵐山を越えて、ねん坂までのコースにリベンジしたいと思います。

嵐山の山頂まで0.8km。これなら余裕ですね!

サクッと登ってきます!

あれ…?

あれあれ…??

険しすぎない…??

山頂までは約40分。しかし、すでに汗びっしょり。

標高406mからの眺めは美しい(神奈川景勝50選のひとつ)。完全に嵐山をナメていました…。

ちなみに、帰宅後この話を.HYAKKEI編集長にしたら「結局、しんどい山かどうかって標高だけじゃわからないんですよ。【登山口から山頂までの標高差】と【登山口から山頂までの距離】を総合的にチェックすべきです!」と言われました…。

さて、15分ほどの休憩を経て、下山。登りとは打って変わって、緩やかな山道が続いていきます。

しかし、一箇所有刺鉄線が張り巡らされたエリアが。スピードに乗って激突したらデスマッチ並に痛いと思うので、ゆっくりと下りていきます。

しばらく進むと竹林エリアが。本当に京都の嵐山にいるみたいです!

竹林ゾーンを越え、引き続きのんびりと下山。

よくよく見ると橋になっているので、うっかり落ちないように注意。

傾斜が緩やかなので、歩く距離も少し長め。でも、自然とゆっくり触れ合うことができます。

どこからともなく賑やかなメロディが。『さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト』はもう近い!

そうこうしていたら、駐車場が左手に。

目標としていたねん坂を越え、プレジャーフォレスト内へ。

そして、敷地内の相模湖温泉うるりで汗を流し、ようやく今回のルートは終了です。長かった…!!

さいごに

今回のルートを振り返ってみると、全長12〜13km。高尾山頂までは比較的楽しく登れますが、小仏城山周辺から道が険しくなります。同時に孤独との戦いもスタート。素人目ですが、かなり本格的なトレッキングを楽しめるのではないでしょうか。

自らの足で県境を越える感覚はなかなか他で味わえるものではありません。奥高尾や相模湖の自然も魅力的なので、興味をお持ちいただけた方はぜひチャレンジしてみてください。

次回は、ねん坂から石老山、石砂山を越え、道志みちを目指したいと思います。それでは、次回もよろしくお願いいたします!

<今回のルート>
前半:
高尾山口→(60分)→高尾山山頂→(60分)→小仏城山→(70分)→相模湖・弁天橋→(40分)→相模湖駅

後半:
相模湖駅→(40分)→嵐山登山口→(40分)→嵐山山頂→(40分)→ねん坂*さらに踏破に向けた挑戦は続く

<関連記事>
【総延長1697.2km】東海自然歩道を踏破せよ!|#02 相模湖〜西野々編
【総延長1697.2km】東海自然歩道を踏破せよ!|#03 焼山編

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