個性を演出するために行き着いた結果「自作」になる

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—キャンプアイテムを自作する人が増えてきています。この要因はどこにあるとお考えですか?

いくつか要因は考えられると思いますが、第一にはより「個性」を演出できる点でしょうか。キャンプ場で、テントやタープが近くの人と同じになることってよくありますよね?多種多様な道具に溢れている今ですから、何でもかんでもかぶるようなことはないと思いますが、いい気持ちにならないのも確かですよね。

男性って一度道具にこだわりだすと、とことん追求してしまうところがあって、キャンプにハマるのもイコール道具にハマる的なところがあると思うんです。人とかぶらないものを追求していった結果、海外輸入の物に走ったり、ビンテージを競り落としたりして。そして、最終的に行き着くのが「自作」なのかなって思います。

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—自作の延長になるかもしれませんが、最近ではガレージブランドも注目されていますよね。

そうですね。ナシュナルブランドは多くの方に対応して、安全な物を作るという使命がありますが、ガレージブランドは、色々削ぎ落とし、こだわりを優先してそのブランドの想いにフィットする方を対象にしたものづくりができます。

そこからさらに「自分だけ」にフィットした物が欲しいと思ったときに、自作に至るのではないでしょうか。そういう人が増えてきているのだと思います。これは言うなれば「ホームブランド」ですね。

自作をすると育まれる「道具愛」

—自作をするメリットは何でしょう?

まずは、本当に自分が欲しいと思う機能、サイズ、色、形の物が作れること。これは何にも代え難いです。欲しいアイテムはあっても、自分のスタイルや道具にフィットする既製品が見つからないときってありますよね。これが作れてしまうというのは大きなメリットです。

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また、自作をすることで、逆にナショナルブランドの作り込みのすごさや、機能に改めて気づくことができます。

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さらには、自作を繰り返すことで、自作した物も、買った物も、その修理が自分でできてしまいます。より道具を長く愛せるようになりますよね。男の人でミシンが使える人って少ないかもしれないですけど、普段着の補修も自分でできちゃうし、使えると本当に便利ですよ。無心になれるところもおすすめです(笑)。

—長谷部さんが自作をするようになったきっかけは何かありますか?

2000年から2001年にかけて、世界一周の旅をしたことがあったんです。そのとき、東アフリカのジンバブエのとある村の市場で、素晴らしい完成度の「自作灯油ランタン」に出会いました。現地の人に聞くと、昔はランタンが高価でとてもじゃないけど一家に一台買える代物ではなく、村でお金を出し合ってひとつ購入したそうです。そしてそれを分解、解析して身の回りの物でも作れるようにして、安価に市場で出すようになったのだそうです。

僕はそのランタンに一目惚れしてひとつ購入しました。そしてそのまま現地で作り方と自作の奥深さとスピリットを体感しました。

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—どんなときに自作をしようと思いますか?

自作をするときの発想は、いつもフィールドで生まれます。
色々な環境、そして自分の状態で使っている中で、「ここがこうならいいのに」「ここはいらないな」「こんな使い方も出来たほうがいいのに」という思いが湧いてきて、それを形にするところから始めます。

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ただ、僕の技術や知識ではどうにもならないことが多々あって、色々な先生に聞くことも多いです。服飾系の学校で勉強してきた仲間に基本的なことを習い直したり、日本におけるアウトドア界のスーパー修理人(A&F所属のMR.D)に相談することもよくあります。そこから新しい知識を得て、自分が作りたい形に近づけます。

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—逆に、自作アイテムでの失敗談はありますか?

これはいつもです(笑)。
僕は失敗を繰り返すことで正解に近づく遠回りタイプなので、失敗がないときはないですね(苦笑)。
まずは試作段階でイメージに合った物を作ってみる。そうすると、作りにくいとか、使いにくいとか、思ったよりもサイズが小さいとか、そういうのは日々です。今回制作した本で紹介しているチェアなどは、形と作りやすさ優先で試作してみたら、座ったときにバキバキって折れちゃったり。毎回反省です。

やればやるほどアレンジ力が高まる

—今回書かれた本について教えてください。

出版という機会をいただいて、こだわったことは以下3つです。

・ 初めての方でも色々な技術を体得できる
・ 自作だからこだわれる、できることをする
・ なるべくシンプルに作って、読者の方が自由にアレンジや改造できるものを提案する


今回本の中で作っているアイテムは、ぜひ作ってもらいたいものばかりではあります。ただ、人によっては「この機能はもっとこうなっていたほうが便利」とかがあると思うんですよね。ですので、あくまで本ではアイディアや技術を盗んでもらって、どんどん自分の作りたいものを自作してもらえたらと思います。やればやるほど、技術も発想も豊かになっていきますから。

—本の中で紹介しているアイテムで、オススメの自作アイテムはありますか?

ひとつ目は「マリンケ族風チェア」ですね。この形は、アウトドア用チェアの原点なんじゃないかと思っていて、そのシンプルさが気に入っています。

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ふたつ目は「ビッグトートバッグ」。これは日々使っていますが、本当に便利です。アウトドアの準備と撤収、搬入が思いっきり楽しく、楽になりました。

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最後に「キャンプサコッシュ」。このサイズ感は、本当に欲しかったサイズ。日常でも使っています。これこそ自作の魅力かなって感じています。

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—最後に自作の真髄みたいなことを教えてください。

僕みたいなのが言うのもおこがましいのですが、アウトドアが、より楽しく、安全に充実したものになる、といった感じかなと思います。

また、作るのは、過程としてもすごく幸せな時間で、さらに、その先の使用しているシーンの充実感こそが本質なんじゃないかと思います。道具は作っていても楽しいものですが、使ってなんぼですからね。



◆長谷部雅一◆
アウトドアプロデューサー、ネイチャーインタープリター。1977年4月5日生まれ。埼玉県出身。 Be-Nature School スタッフ/有限会社ビーネイチャー取締役 プロジェクトの企画・コーディネート・運営の他、研修講師、ネイチャーインタープリター、場作りの仕掛け人も務める。幼稚園や保育園のコンサルタント業務も行う。幼児へは自然体験を通じて行うボディーバランス、感性、社会性などの教育に力を入れている。その他様々な自然と年間数千人の参加者の方と関わりながら日々を送る。テレビやラジオなど、アウトドア、幼児教育、防災関連を主として多数のメディアにて活躍中。

撮影協力/後藤秀二

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「自作キャンプアイテム教本」(グラフィック社刊)
http://www.graphicsha.co.jp/detail.html?p=35584

この記事を書いた人

渡辺 有祐

アウトドアをはじめ、さまざまなジャンルの生活実用書を手がける編集プロダクション「フィグインク」代表取締役。キャンプはもちろん、登山、川下りなどプライベートでも野外活動に勤しむ。

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